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スターターコンテンツ:【襲撃!!モーント・ズンディカーズ!!】

冷静に考えると

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ジョンの剣の達人である。
とは言ってもベネルクス国内の剣術では無い。
相手の防御毎、 相手の頭蓋を叩き割る示現流。

「イェエエエエエエエエエエエエエエエ!!」

猿叫と呼ばれる掛け声と共に頭上から真っ直ぐ唐竹割にするこの剣術は
セルデン侯爵領がハウバリン公爵門閥最強と呼ばれる所以である。
更にジョンはウィルパワーで強化している為
二の太刀要らずとすら言える剣術とジョンの腕力も加味すると
圧倒的と言う言葉ですら足らないだろう。

「・・・・・」

襲って来た連中もこの様を見て絶句している。
人間とはこんな綺麗に割れるのか?


この状況を見て読者諸賢はこう思うだろう
『示現流って思い切り振り下ろすだけだし避ければ良いのでは?』
しかしながら示現流の剣士達もその事に対して対応策を二つも用意していた。
『避けさせなければ良い』
『二の太刀、 三の太刀を放てば良い』
バックアップ体制が充実し過ぎている。
通販番組の保証制度か?

兎も角全力で避けられない程、 速く強く剣を振り下ろしているので回避は不可能だ。

ならばと、 読者諸賢はこう思うだろう
『そこまでの技ならば隙が大きいだろう、 その隙を突けば良い』
現実的な話ではない。

ここで皆さんに想像して頂きたいのだが
『剣を持って奇声をあげて此方を殺しにかかってくるような男』の傍に近寄りたいだろうか?
答えは否である。



「逃げろおおおおおおおおおおおお!!!」

輩共は全員蜘蛛の子を散らす様に逃げて行った。

「まぁ想像はしていたが根性無しだなぁ・・・」

最初から所作とならず者だと言う事で能力の低さは理解していた。
普通の能力が有ればちゃんと兵士として就職出来る筈なのだ。
セルデン侯爵領では多少の後ろ暗さが有っても能力が有れば
兵士として就職が出来る。

「トリアエズ、 一人生かしてイルンデ、 こいつから情報聞きましょう」

棒でボコボコにした男を手に取りながらグレゴリオは言う。

「捨てとけ」
「ハイ?」
「捨てとけ、 どうせこんなチンピラは碌な情報持ってねぇよ」
「そうデスか?」
「こんな死ぬ覚悟すら・・持っていないろくでなしに
情報渡すか?」
「それもそうデスね」

グレゴリオは男を手放した。

「じゃあ行くぞ」
「ハイ」

ジョンとグレゴリオは待ち合わせ場所に向かった。
手放された男はついでに首を刎ねられた。

「殺す必要有りました?」
「生かす必要こそ無い」

そのままスタスタと指定場所に向かった。
龍降家の邸が一望出来る出来る少し高い丘。
風に少し来ている。

「まだ来ないのか?」
「ミタイデスネ」
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