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「よしよし、良い子だ」
「…あんた、実は剣士じゃなくて調教士なんじゃないの?よくもまあ…そんなに懐かせれたね」
魔物を鎮めた青年を見て彼女が呆れたように零す。
「ふっ…捨てスキルと言われた指導スキルが役に立ったまでだ」
何故か青年は少し誇らしそうに胸を張って言った。
「で、こいつら呼んでどうすんの?」
「俺たちが走るよりも速いからな、乗せてもらおうと」
ついでに君の護衛も頼める、と呟いて青年は手を上から下に下げる。
その動きに従うように魔物が伏せった。
「…乗るのは良いんだけどさ、あんた目的地分かってんの?」
「あ」
彼女がため息混じりに聞くと青年が間抜けな声を出す。
「それに…どうやって魔物に目的地を教えんの?」
「それは…俺が、方向を指示すれば…」
続けるような彼女の疑問に青年はしどろもどろ答える。
「…まあ、好きにしたら?」
彼女はジト目で青年見て伏せってる魔物の背中に跨った。
「首の所を軽く掴んでおかないと、振り落とされるぞ」
「ふーん…お、意外と毛がもふもふ…」
青年のアドバイスどおりに彼女が首の所を両腕で挟むようにすると、毛の質感に驚いて呟く。
「…俺の腰を掴んで離すなよ?」
「は、はい!」
青年が指示すると女の人はガチガチに緊張しながら魔物に跨る。
「場所は?」
「あ、ミステス…跡地です」
「『跡地』か…ミステスで襲撃されたのか…?…とりあえず行ってみよう、頼む」
女の人の返答に青年は少し考え込むも直ぐに魔物に指示した。
「ウォフ!」
「う、後ろから、ついてきてくれ!」
魔物が走り出すと青年が彼女が乗ってる魔物に向かって叫ぶ。
「ウォフ!」
「うおっ!こ、これは…!」
遅れて走り出した魔物に跨っている彼女は予想外の衝撃に驚き、振り落とされないようにしがみつく。
そして30分後。
「す、ストップだ!」
「「ウォフ!」」
「うわっ!」
青年の静止の声に魔物が止まると、慣性の法則的なアレで彼女は魔物の背中からずり落ちる。
「いてて…もう少し緩やかに止まってくれよ…全く」
彼女は起き上がりながら呟くと青年を睨む。
「うっ…!す、すまな…い…」
魔物の背中から降りた青年は口に手を当て体調悪そうに謝った。
「だ、大丈夫ですか?」
その様子を見て女の人が青年の背中を摩りながら心配する。
「あ、ああ…揺れに、弱くてな…慣れる、までに…うぷっ…時間が、かかる…」
今にもリバースしかねん勢いで青年は地面に膝を着く。
「で?まだ街は見えないけど、なんでこんな中途半端な所で止まったワケ?」
「…それ、は…街の中…には、魔物が…うようよ、してるハズ…だから、うっ…慎重に…」
イラついたような彼女の疑問に青年は手で口を覆いながら説明した。
「なるほどね、じゃあここからは徒歩で移動するって事でオッケー?」
「…あ、ああ…」
不機嫌そうに察した彼女に青年は青ざめたまま暗い顔になる。
「ここからなら、15分ほど歩けば見えるハズです」
「場所ぐらい分かるよ、バカにしてんの?」
「い、いえ…そういうわけでは…」
女の人の説明にも彼女はイライラしたように聞き返す。
青年が巻き込んだ事を知ってるからか女の人は何も言い返せずに黙った。
「…はぁ…とりあえず行こうか」
「「ウォフ」」
彼女は女の人に肩を貸している青年を見てため息を吐くと魔物に声をかけて先に歩いていく。
「…あんた、実は剣士じゃなくて調教士なんじゃないの?よくもまあ…そんなに懐かせれたね」
魔物を鎮めた青年を見て彼女が呆れたように零す。
「ふっ…捨てスキルと言われた指導スキルが役に立ったまでだ」
何故か青年は少し誇らしそうに胸を張って言った。
「で、こいつら呼んでどうすんの?」
「俺たちが走るよりも速いからな、乗せてもらおうと」
ついでに君の護衛も頼める、と呟いて青年は手を上から下に下げる。
その動きに従うように魔物が伏せった。
「…乗るのは良いんだけどさ、あんた目的地分かってんの?」
「あ」
彼女がため息混じりに聞くと青年が間抜けな声を出す。
「それに…どうやって魔物に目的地を教えんの?」
「それは…俺が、方向を指示すれば…」
続けるような彼女の疑問に青年はしどろもどろ答える。
「…まあ、好きにしたら?」
彼女はジト目で青年見て伏せってる魔物の背中に跨った。
「首の所を軽く掴んでおかないと、振り落とされるぞ」
「ふーん…お、意外と毛がもふもふ…」
青年のアドバイスどおりに彼女が首の所を両腕で挟むようにすると、毛の質感に驚いて呟く。
「…俺の腰を掴んで離すなよ?」
「は、はい!」
青年が指示すると女の人はガチガチに緊張しながら魔物に跨る。
「場所は?」
「あ、ミステス…跡地です」
「『跡地』か…ミステスで襲撃されたのか…?…とりあえず行ってみよう、頼む」
女の人の返答に青年は少し考え込むも直ぐに魔物に指示した。
「ウォフ!」
「う、後ろから、ついてきてくれ!」
魔物が走り出すと青年が彼女が乗ってる魔物に向かって叫ぶ。
「ウォフ!」
「うおっ!こ、これは…!」
遅れて走り出した魔物に跨っている彼女は予想外の衝撃に驚き、振り落とされないようにしがみつく。
そして30分後。
「す、ストップだ!」
「「ウォフ!」」
「うわっ!」
青年の静止の声に魔物が止まると、慣性の法則的なアレで彼女は魔物の背中からずり落ちる。
「いてて…もう少し緩やかに止まってくれよ…全く」
彼女は起き上がりながら呟くと青年を睨む。
「うっ…!す、すまな…い…」
魔物の背中から降りた青年は口に手を当て体調悪そうに謝った。
「だ、大丈夫ですか?」
その様子を見て女の人が青年の背中を摩りながら心配する。
「あ、ああ…揺れに、弱くてな…慣れる、までに…うぷっ…時間が、かかる…」
今にもリバースしかねん勢いで青年は地面に膝を着く。
「で?まだ街は見えないけど、なんでこんな中途半端な所で止まったワケ?」
「…それ、は…街の中…には、魔物が…うようよ、してるハズ…だから、うっ…慎重に…」
イラついたような彼女の疑問に青年は手で口を覆いながら説明した。
「なるほどね、じゃあここからは徒歩で移動するって事でオッケー?」
「…あ、ああ…」
不機嫌そうに察した彼女に青年は青ざめたまま暗い顔になる。
「ここからなら、15分ほど歩けば見えるハズです」
「場所ぐらい分かるよ、バカにしてんの?」
「い、いえ…そういうわけでは…」
女の人の説明にも彼女はイライラしたように聞き返す。
青年が巻き込んだ事を知ってるからか女の人は何も言い返せずに黙った。
「…はぁ…とりあえず行こうか」
「「ウォフ」」
彼女は女の人に肩を貸している青年を見てため息を吐くと魔物に声をかけて先に歩いていく。
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