子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 354

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「…はっ…はあっ…はあっ…」

「…やっば…いくらなんでもやり過ぎでしょ」

「…!?」


ボロボロになってる状態で地面に手を着いて息切れを起こしてる女に分身の俺がドン引きしながら呟くと女は分身の俺を見て驚く。


「…見た感じ半径何キロだ?もはやここらの地形がダムみたいになってるんだけど…」


まるで隕石が落ちたかのような半径2km近い大きなクレーターの中心部で分身の俺は周りを見ながら予想する。


「…なんで…爆心地で…そんな…」

「俺が変化魔法の使い手だ、って事忘れてる?人間とのタイマンで使ったのは覚えてるだけで今回が初めてだと思う」


呼吸を整えずに聞いてくる女に分身の俺は流石に今回は皮膚をアダマンタイタンに部分変化させて凌いだ事を暗に告げ、褒めるように返す。


「…あ。いや違った…今思い出したけど前に精霊使いと戦った時に使ってたっけ、そういや。ま、まあアレは精霊相手だったからギリギリノーカンか…?」


分身の俺は少し考えた後にふと思い出して訂正するように話し、なんとか正当化出来ないものか…と思いながら呟いた。


「ま、なんにせよ…これは俺の勝ちかな」

「…そうね。残念、だけど…先に…逝って、待ってるわ…」


分身の俺が話を戻して勝敗を告げると女は肯定した後に諦めたように座り、目を瞑ってトドメを刺すよう促す。


「いやいや、この状況で殺すわけないじゃん。俺を殺人鬼かなんかだと思ってる?コレ飲めよ」

「…いいの…?」


分身の俺はツッコミを入れながら断り、押し付けるように空間魔法の施されたポーチから回復薬の入った袋を取り出してドサっと女の上に置くと女が意外そうに驚きながら確認してくる。


「もしも介錯を望むなら他の誰かに頼んでくれ。俺は悪人以外でこの手を汚す気は一切無いからな」

「……ぷはぁ!生き返った!」


分身の俺が他人に押し付けるように言って殺人を拒否ると女は瓶に入ってる回復薬を三本ほど一気飲みして口元を腕で拭う。


「やっぱりあの自爆技はダメだ。もしアレで仕留められてたとしても自分へのダメージが大きすぎてその後が危な過ぎる」

「そりゃ『自爆技』なんてそんなものでしょ」

「じゃあ早速第三…らうんど?再開といきましょう」


女は反省するように課題点だか問題点だか欠点だかを話し、分身の俺が若干呆れたように返すと女が立ち上がって分身の俺の言葉を真似しながら再戦を挑んで来た。


「…まだ戦えるの?ちょっと魔力多すぎない?」

「残り1/4ほどしかないけど、継戦に問題は無い」

「うへー…今までのを考えると少なく見積もっても本来の俺の倍以上はありやがる…魔力お化けかよ」


分身の俺が意外に思って驚きながら聞くと女は素直に答え、分身の俺は脳内の単純計算で弾き出した予測結果に若干ヒき気味になって呟く。


「まあでも俺はまだ今の魔力の一割も使ってないから問題無いんだけど」

「…なるほど。分かった」

「ぬおっ!?」


勝負の再開を了承すると女はドラゴンに変身した後に何かを理解したように頷いて呟き、熱の光線が二つ三つ放たれたので分身の俺は驚きながら必死に避ける。


「…魔力の消費がほんの少し増えるが溜める時間を減らせるなら問題は無いか…」

「…もしかしてさっきの自爆技でなんかコツを掴んだ?」


女の確認するような呟きに分身の俺はまだ成長の余地が残されてるとか反則じゃね…?と思いながら返す。


「ふ、ふふふ…」

「げー!嘘だろ!?」


女が楽しそうに笑うと空が少し光り、見上げると熱の光線がまるで雨のように降り注いできていた。


「くっ…!」


分身の俺は頑張って避けようとするがやはり量の多さに完全には避けきれず…


掠った場所がどんどん抉れていく。


「コレで終わり」

「マジか!」


足の小指や踵の一部が抉れて欠損し、ついバランスを崩してよろめいた隙を見逃さずに女はトドメを刺すように指を向ける。


「なっ…!?」


…空間魔法の施されたポーチを持っている都合上、今回は殺されるわけにはいかないので変化魔法を使い部分変化で皮膚をゴーレムに変えて熱の光線を耐えると女が驚愕した。


「…流石にもうこの状況じゃ素では無理だ」


分身の俺は諦めたように呟いた後にダメージが無い事が分かったので避けずに光線の雨を棒立ちでくらう。


「…やるじゃない。強化魔法の出力を上げた…?」

「まさか。まだ強化魔法なんて使ってないけど」

「えっ!?…じゃ、じゃあ変化魔法か。そうじゃないと…」


女がその様子を見て褒めるように言い、疑問を呟くので否定すると驚いて別の可能性に思い至るように呟く。


「…まさか…今までは変化魔法すら使ってなかった…?」

「そうなるね。でももうそれじゃ無理のようだから俺もちょっとだけ本気を出そうかな、って」

「…ふ、ふふふ…そこまで…そこまで舐められていたのか!この私が!いいわ、分かった。もう許さない確実に息の根を止めてやる!」


女の疑問に肯定して今になって変化魔法を使った理由を話すとプライドに傷が付いたのか女は笑った後に急にキレ始める。


「舐めてたわけじゃないけど…まあいいか」


分身の俺は否定しつつも言っても通じないし無駄だろう…と諦めた。
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