子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 322

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…その後。


王様達と『不正を正す』という約束を書面で交わし、壮年の男の罰則を話し合った結果…


反乱に至る理由に正当性があった事により通常よりもほんの少しだけ重い罰金が課せられる、というめちゃくちゃ軽い処分に決定する。


「いやー、穏便に済んで良かったですねぇ」

「…まさか辺境伯が味方してくれるとはな…予想外の幸運だ」


…話し合いも終わり、王様達が部屋から出て行ったので分身の俺が楽観的な感じで言うと壮年の男は意外そうに呟く。


「そりゃあ今回は完全に政府側に非がありましたから。しかしよく教会側の不正をあそこまで調べられましたね」

「コンテスティ侯爵とタンダリン侯爵の協力のおかげだ。武力に訴えるのは最終手段と仰られたが…これ以上腐敗していく様を見過ごすのは無理だった」


分身の俺が味方した理由を話して疑問を尋ねると、どうやら壮年の男は侯爵であるおっさんの派閥に属してるらしい事を告げた後に理由を話した。


「しかしもう少しタイミングを考えて欲しかったですね。せめてドードルとの戦争が終わった後か、こちらが明らかな勝勢で勝負が決まった時にしてくれないと…不安や動揺で将兵達の士気が下がりますし」

「…それについては弁解のしようも無いこちらの落ち度だ。しかし、怪しまれずに兵を王都に駐留させておくには今が絶好の機会だったのだ」


分身の俺の苦言に壮年の男は自分の非を認めつつも結局言い訳するように反論する。


「まあ今回は仕方なかった、という事で自分が急いで辺境伯に報告に行きますが…」

「自らか?」

「その場に居た自分が説明する方が手っ取り早いので。手紙や団員達に行かせるとあちらの疑問には答えられず、不安が拭えない場合がありますし」


分身の俺が対処する事を告げると壮年の男が驚きながら聞き、分身の俺はそうせざるを得ない理由を教えた。


「…なるほど」

「とりあえず今回の件は伯爵側に正義があったようなので、罰金のせいで金銭的に困った場合はお声かけ下さい。まあ派閥内のやりとりで解決するのであればソレが一番ですが」

「…非常に助かる申し出、感謝する。保険としていざと言う時は頼りにしよう」

「では自分はこれで」

「ああ」


納得した壮年の男に分身の俺がそう提案すると頭を下げてお礼を言われ、分身の俺は辺境伯の下へと移動するために挨拶して退室した。


「…あっ!ねえ、一体何があったの?」

「…まだいたんだ」


城から出て大通りを歩いてると帝国の将官である女の子が駆け寄って話しかけて来るので分身の俺は意外に思いながら聞く。


「せっかくの休暇なんだからあと一週間は居るつもりだけど」

「『休暇』て」

「だって期間は決められてないから帝国に非常事態でも起きない限りは呼び戻されないだろうし、あと一ヶ月ぐらいはのんびり旅行しながら帰るつもり」


ついて来るように横を歩きながらの女の子の返答に分身の俺がツッコミを入れるように返すと、女の子は笑って任務中にも関わらず緊張感の無い遊び感覚で話す。


「で、何があったの?なんかめちゃくちゃ騒がしかったけど」

「なんか領地持ちの伯爵が王様とか政府にブチ切れて謀反を起こした」

「え!?」


女の子が再度確認するので分身の俺がさっきあった出来事を簡単に教えると女の子は足を止めて驚愕する。


「…マジ?」

「マジ」

「謀反ってやばー…反乱とか反逆でしょ?ソッチが城の方から歩いて来てた、って事は呼び出された系?」


女の子の確認に短い返事で肯定すると女の子はヒいたように呟きながら予想を尋ねた。


「そうそう。でもまあ理由を聞いたら納得よ、そりゃ謀反起こすわ…って内容だった」

「マジで?…対象が王様とか政府って事は…不正を隠蔽してたとか、正当な理由なく税を一気に引き上げたとか?」


分身の俺が肯定して壮年の男の考えに理解を示すと女の子は意外そうに理由を予想しながら聞いてくる。


「ん、だいたいそんな感じ。ただ税の引き上げはあっても一気に…ではないな」

「マジかぁ…じゃあ不正を隠蔽してたってこと?」

「…ごめん、俺これからちょっと行くとこあるから話の続きは拠点でしようぜ。先行っといて」


分身の俺は適当な感じで肯定しつつも訂正して返し、女の子の確認に謝ってから続きの方は本体の俺に任せる事に。


「え、分かった。じゃあ先行って待ってるからお菓子用意しといてね」

「はいはい」


女の子の了承と笑いながら冗談に適当な相槌を打つように返した後に別れ…


王都の外に出た後に変化魔法を使って一旦分身して記憶共有し、ドラゴンに変身して西の国境を守る辺境伯の所へと向かった。


…そして城塞都市に着いて直ぐに城へと向かい、衛兵に青年との面会を求めると…


青年の部下である騎士が出て来て分身の俺の顔を目視で確認した後に城の中へと通してくれる。


「いやー、確認作業だなんて手間を取らせて申し訳ないね。本来ならハンターのライセンスとかで身分照会とかを出来るんだけど…ちょっと慌ててたからポーチを忘れてきちゃって」

「いえ、辺境…団長殿が来て下さるとヴォードル様もお喜びになられますので」


分身の俺が謝りながら言い訳を言うと騎士は謝罪を拒否した後に笑顔で歓迎するような事を返す。
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