328 / 480
青年期 264
しおりを挟む
…その後。
昼食が終わって直ぐに話が纏まり、用事は済んだので少女を連れて大公国へと帰還した。
「…ありがとうございます。ゼルハイト様のおかげで話し合いも穏便に済みました」
「…あー…うん。俺のおかげってよりあのマスタークラスのハンターのおかげじゃないかな?」
首都の近くで拘束を解いた後に少女が頭を下げてお礼を言い、分身の俺は微妙な感じで男の手柄を主張する。
「敵でさえも味方につける事が出来るのはゼルハイト様の人望があってこそ。私ではあのような事はとても…」
「良い人で助かったね。強い人がみんなあんな感じで良い人ばっかりだったら戦争も起こらないだろうに…」
「…そうですね」
少女の賞賛するような発言に分身の俺が男を評価しながら返した後に憂うように言うと少女も同意した。
「料理の方も大変美味しかったです。ゼルハイト様が料理上手だという事はクライン大魔導師からお聞きした事がありましたが…まさかあれほどとは」
「また食べたくなったらラスタの拠点に遊びに来たら?今と違って材料が揃ってるからもっと色んな料理を作れるし」
「…では暇が出来た時はぜひお邪魔させてもらいます」
少女が思い出すような感じで意外そうに言うので分身の俺が招待すると少女は嬉しそうな顔で肯定的に返す。
「その時に先生が居たら魔石の売買も出来るね。一応今も少しは持ってるけど」
「!?魔石の個人売買!そう言えば…上層部の一員がそのような方法で魔石を手に入れたと…!」
「まあ金があればの話だけど」
分身の俺の提案に少女は目から鱗…といった反応で驚愕し、分身の俺は前提条件を言う。
「…では、帝国の兵士達が国から離れた折には魔石の売買の件…よろしくお願いします」
「オッケー。早ければ多分明日の昼過ぎには居なくなるだろうね」
少女が頭を下げながらお願いしてくるので分身の俺は軽い感じで了承して時期を予想する。
「そうなるとありがたいですが…」
「まあ遅くても明後日には居なくなるでしょ。アッチも急いで戻らないといけないし」
「…では私はこれで」
少女の難しそうな顔での呟きに分身の俺が適当な感じで返すと少女は少し考えて挨拶をすると首都の方へと歩いていく。
…そして翌日。
の昼前。
帝国軍の動きを監視していた部隊から、解放した捕虜を含めた全ての兵士達が船に乗って離れて行った…との報告を受けた。
「おおー、予想より少し早かったか…じゃあ報告して帰ろうか」
「そうですね」
「ああ」
分身の俺は仕事が終わった事を少女に報告するために分身のお姉さんと女性と一緒に魔法協会の本部へと向かう。
ーーーーー
「…そうですか…ご苦労様です。クライン大魔導師、魔法協会を代表して感謝申し上げます」
「あ、いえ…」
「ところでゼルハイト様。例の件ですが…」
報告を聞いた少女が頭を下げてお礼を言うと分身のお姉さんは気まずそうに困った様子で返し、少女は直ぐに話を切り替えて魔石の売買を持ちかけてくる。
「ああ、うん。魔石の売買ね」
「…クライン大魔導師が同席していれば密約には反しないはずです」
「そうですね」
分身の俺は分身の二人にも分かるよう伝えた後に魔石を取り出してテーブルの上に置くと少女が確認するように言い、分身のお姉さんは肯定した。
「…とりあえずコレが売れる分だね」
「…出されている物全て、ですか…?」
分身の俺が魔石を出した後にそう告げると少女は信じられない…といった様子で驚きながら確認してくる。
「いやー、流石に今回はいつもと違って二回ともちょうど撤退時と被っちゃって…ダンジョンに行ってた時間が短いから物も少ないんだ」
「コレでも少ない方なんですか!?」
50個程度の魔石しか売れない事を言い訳するように話したら少女は驚きながら分身のお姉さんを見た。
「まあ…普段と比べると…急いで最下層に行って急いで帰っていたので…あ、でも差は少しだけですよ?」
「…そ、そうですか…ケンタウロスの魔石にコレはサラマンドラ?協会にも一つ二つしか納品された事の無い珍しい物ばかり…これら全て買い取る、と言う事は可能ですか?」
分身のお姉さんの微妙な顔での肯定しながらの説明に少女はテーブルの上に置かれてる魔石を手に取って呟き、確認してくる。
「金が払えるんなら別に構わないよ。俺は魔物と戦うのが目的であって、魔石なんてついででおまけの副産物でしかないし」
「坊ちゃん本当に魔石に興味がありませんもんね…本人が了承しているので密約には反しないと思います」
「では…全て買い取らせて下さい」
分身の俺の適当な返答に分身のお姉さんが微妙な感じで笑いながら説明すると少女は大人買いならぬ富豪買いするように魔石を買い占めた。
「……はい。ちょうどですね」
「ありがとうございます。今まで長く生きて来ましたが…まさかここまで大量の魔石を手に入れる日が来るなどとは…夢にも思いませんでした」
「良かったね」
分身のお姉さんが金額を確かめて告げると、少女は空間魔法が施されているであろう何かに魔石をしまいながら感極まるかのように言い、分身の俺は適当に相槌を打つ。
「これも全てゼルハイト様のおかげでございます。また機会があれば是非ともお願いいたします」
「あ、うん。じゃあ帰ろうか」
少女の頭を下げてのお礼に分身の俺が適当に流すように返事して帰宅しようとすると、分身のお姉さんと女性はなんとも言えないような顔で何か言いた気な視線を向けてくる。
昼食が終わって直ぐに話が纏まり、用事は済んだので少女を連れて大公国へと帰還した。
「…ありがとうございます。ゼルハイト様のおかげで話し合いも穏便に済みました」
「…あー…うん。俺のおかげってよりあのマスタークラスのハンターのおかげじゃないかな?」
首都の近くで拘束を解いた後に少女が頭を下げてお礼を言い、分身の俺は微妙な感じで男の手柄を主張する。
「敵でさえも味方につける事が出来るのはゼルハイト様の人望があってこそ。私ではあのような事はとても…」
「良い人で助かったね。強い人がみんなあんな感じで良い人ばっかりだったら戦争も起こらないだろうに…」
「…そうですね」
少女の賞賛するような発言に分身の俺が男を評価しながら返した後に憂うように言うと少女も同意した。
「料理の方も大変美味しかったです。ゼルハイト様が料理上手だという事はクライン大魔導師からお聞きした事がありましたが…まさかあれほどとは」
「また食べたくなったらラスタの拠点に遊びに来たら?今と違って材料が揃ってるからもっと色んな料理を作れるし」
「…では暇が出来た時はぜひお邪魔させてもらいます」
少女が思い出すような感じで意外そうに言うので分身の俺が招待すると少女は嬉しそうな顔で肯定的に返す。
「その時に先生が居たら魔石の売買も出来るね。一応今も少しは持ってるけど」
「!?魔石の個人売買!そう言えば…上層部の一員がそのような方法で魔石を手に入れたと…!」
「まあ金があればの話だけど」
分身の俺の提案に少女は目から鱗…といった反応で驚愕し、分身の俺は前提条件を言う。
「…では、帝国の兵士達が国から離れた折には魔石の売買の件…よろしくお願いします」
「オッケー。早ければ多分明日の昼過ぎには居なくなるだろうね」
少女が頭を下げながらお願いしてくるので分身の俺は軽い感じで了承して時期を予想する。
「そうなるとありがたいですが…」
「まあ遅くても明後日には居なくなるでしょ。アッチも急いで戻らないといけないし」
「…では私はこれで」
少女の難しそうな顔での呟きに分身の俺が適当な感じで返すと少女は少し考えて挨拶をすると首都の方へと歩いていく。
…そして翌日。
の昼前。
帝国軍の動きを監視していた部隊から、解放した捕虜を含めた全ての兵士達が船に乗って離れて行った…との報告を受けた。
「おおー、予想より少し早かったか…じゃあ報告して帰ろうか」
「そうですね」
「ああ」
分身の俺は仕事が終わった事を少女に報告するために分身のお姉さんと女性と一緒に魔法協会の本部へと向かう。
ーーーーー
「…そうですか…ご苦労様です。クライン大魔導師、魔法協会を代表して感謝申し上げます」
「あ、いえ…」
「ところでゼルハイト様。例の件ですが…」
報告を聞いた少女が頭を下げてお礼を言うと分身のお姉さんは気まずそうに困った様子で返し、少女は直ぐに話を切り替えて魔石の売買を持ちかけてくる。
「ああ、うん。魔石の売買ね」
「…クライン大魔導師が同席していれば密約には反しないはずです」
「そうですね」
分身の俺は分身の二人にも分かるよう伝えた後に魔石を取り出してテーブルの上に置くと少女が確認するように言い、分身のお姉さんは肯定した。
「…とりあえずコレが売れる分だね」
「…出されている物全て、ですか…?」
分身の俺が魔石を出した後にそう告げると少女は信じられない…といった様子で驚きながら確認してくる。
「いやー、流石に今回はいつもと違って二回ともちょうど撤退時と被っちゃって…ダンジョンに行ってた時間が短いから物も少ないんだ」
「コレでも少ない方なんですか!?」
50個程度の魔石しか売れない事を言い訳するように話したら少女は驚きながら分身のお姉さんを見た。
「まあ…普段と比べると…急いで最下層に行って急いで帰っていたので…あ、でも差は少しだけですよ?」
「…そ、そうですか…ケンタウロスの魔石にコレはサラマンドラ?協会にも一つ二つしか納品された事の無い珍しい物ばかり…これら全て買い取る、と言う事は可能ですか?」
分身のお姉さんの微妙な顔での肯定しながらの説明に少女はテーブルの上に置かれてる魔石を手に取って呟き、確認してくる。
「金が払えるんなら別に構わないよ。俺は魔物と戦うのが目的であって、魔石なんてついででおまけの副産物でしかないし」
「坊ちゃん本当に魔石に興味がありませんもんね…本人が了承しているので密約には反しないと思います」
「では…全て買い取らせて下さい」
分身の俺の適当な返答に分身のお姉さんが微妙な感じで笑いながら説明すると少女は大人買いならぬ富豪買いするように魔石を買い占めた。
「……はい。ちょうどですね」
「ありがとうございます。今まで長く生きて来ましたが…まさかここまで大量の魔石を手に入れる日が来るなどとは…夢にも思いませんでした」
「良かったね」
分身のお姉さんが金額を確かめて告げると、少女は空間魔法が施されているであろう何かに魔石をしまいながら感極まるかのように言い、分身の俺は適当に相槌を打つ。
「これも全てゼルハイト様のおかげでございます。また機会があれば是非ともお願いいたします」
「あ、うん。じゃあ帰ろうか」
少女の頭を下げてのお礼に分身の俺が適当に流すように返事して帰宅しようとすると、分身のお姉さんと女性はなんとも言えないような顔で何か言いた気な視線を向けてくる。
42
お気に入りに追加
1,045
あなたにおすすめの小説

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる