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青年期 265 ラスタ国内編

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…それから一週間後。


「…ん?えっ!?」


北のクライン領の代行から手紙が届いたので何かあったのか…?と思いながら中身を読むと…


ライツの王女を名乗る女性がやって来て俺に面会を求めている…的な内容が書かれていた。


「…ちょっくら行ってみるか」


とりあえずその王女はライツに一番近い村に滞在してるらしいので…


俺は用件を聞くために変化魔法を使って分身し、その分身を王女の所へと行かせる事に。




ーーーー




「…ちょっとすみません、ライツから人が来てるって聞いて来たんですけど…」

「ライツから?…ああ、そういやなんか偉そうな人が来てるって話は聞いたが…」


分身の俺は村の近くに移動し、防壁の所にいた守兵に尋ねるも兵士は曖昧な感じで答える。


「どこに泊まってるか、とか分かります?」

「…うーん…多分村の中で一番デカい宿屋じゃないか?偉い人なら安い宿屋には泊まらないだろうからな」

「なるほど…今は身分証を持ってないので、コレで」

「おう。面倒事起こすなよ」


分身の俺の質問に兵士は少し考えて予想するように答え、分身の俺は時短のために通行料を渡して村の中へと入った。


「…!?これはこれはクライン辺境伯様。ようこそおいで下さいました」


そして村一番の宿屋を探して歩いていると…


そこら辺に居た老人…おばあちゃんが分身の俺を見て驚いたかと思えば、地面に膝を着いて頭を下げながら声をかけて来る。


「…良く分かったね」

「そりゃもう。私は代行補佐をしておりますので、一目で分かりました」

「あー…なるほど。どうりで」


分身の俺が驚きながら聞くとおばあちゃんは立ち上がりながら笑顔で理由を話すので分身の俺は納得して返す。


「まさかこうも早くお越し下さるとは…もしや手紙の方は読まれておらず、事情を知らずに視察に?」

「いや、手紙を読んで来た。ライツからなんか偉い人が来てるんだって?」

「そうですか。それにしてもお早いご到着で…」

「結構急いで来たから。で?その客人はどこに?」

「こちらでございます」


おばあちゃんの問いに分身の俺が否定して聞き返すとおばあちゃんは不思議そうに呟き、適当に流して尋ねるとおばあちゃんが案内するように歩き始めた。


「…客人はココに滞在しております」

「…ココ?宿屋じゃなくて?」


おばあちゃんが案内した先は他の家よりも大きい家で、宿屋とかじゃなくて普通の民家っぽいので分身の俺は確認するように尋ねる。


「はい。宿屋よりも村長の住まいの方が警備の点でも安心安全との事です」

「…確かに。でもよく村長は許可したな…」

「…元々この村は辺境伯様が切り取るまでライツの一部でしたので…」

「あー…」


おばあちゃんの肯定しながらの理由を聞いて納得して呟くとおばあちゃんは若干気まずそうな感じで言い、分身の俺も若干気まずく思いながら返す。


「…どなたかいらっしゃいますか?」

「…はい」

「私、こういう者でございます」


おばあちゃんがドアをノックしながら声をかけると少しして若い女性が対応し、おばあちゃんはライセンスのような物を見せた。


「…代行補佐…!…と言う事は……もしや、彼が?」

「ええ」

「そうですか!お待ちしていました。是非中へどうぞ」


女性は驚いた後に周りを見て分身の俺を見ながら確認するとおばあちゃんが肯定し、女性が歓迎するかのように家に入るよう促してくる。


「お邪魔します」

「こちらです」


分身の俺が家の中に入ると女性は案内するかのように声をかけて進んで行く。


「…姫様、クライン辺境伯様がお越しになられました」


女性はとある一室の前で止まると部屋のドアをノックしながら中の人に来訪を告げる。


「…どうぞ」

「お邪魔します」


入室許可が降りたので中に入ると…


部屋の中にはこの前見た姫とか呼ばれた女と、リーゼと歳の近そうな少女、10歳前後っぽい少年の三人が姿が。


「お久しぶりです。相変わらず元気そうでなによりですわ」

「お久しぶりです。俺に話があると聞きましたが?」

「…ライツで王位継承権を巡り、兄である長男の第一王子と弟である次男の第二王子との間で争いが起きました」

「内戦とはライツも大変ですね」


姫の挨拶に分身の俺が挨拶を返して用件を問うと急に国内情勢の事を話し始めるので分身の俺は適当に返す。


「そこで王位継承権のある私達も巻き込まれてしまいまして…争いが落ち着くまでのしばらくの間、匿って下さいませんか?」

「…私達?」

「妹と弟です」


姫が理由を話すが分身の俺は複数系の言い方に引っかかって尋ると、姫は少女と少年との関係性を告げた。


「…まあ匿うのは良いですけど…」

「本当ですか!?」

「バレたら面倒で厄介な事が起きるので、この国に居る間は身分を隠して偽名を名乗ってもらいますが…それでもよろしいですか?」

「ええ。それぐらいならよろしくてよ」


分身の俺の呟きに姫が嬉しそうな反応をして確認し、一応条件を提示するも直ぐに了承してくれる。


「もしバレても…バレてたとしても常に偽名で押し通して下さい。そうすれば国やライツから追及が来ても俺は貴女達とは会ってないし知らないで貫き通す事が出来るので」

「…分かりました」

「その条件さえ守っていただけるのであれば身の安全は保障します。ただし…もし条件を守れないようであれば、おそらく自分の手には負えない事態に発展する恐れがあるので、そこから先の安全は保証出来ませんので悪しからず」


分身の俺が念を押して理由を話すと姫はもう一度了承したが、分身の俺は万が一の事を考えて釘を刺すように結構強めの警告をした。
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