子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 164

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…そして三週間後。


父親に呼び出しを食らったので昼食前の時間帯に実家に行くと…


「初めまして、ゼルハイト卿。いえ…紛らしいのでローズナー男爵とお呼びしましょうか」


何故か応接室に通された…と思えば父親の隣に立っていた知らんおじさんが笑顔で挨拶してくる。


「初めまして。そうですね…ゼルハイト性が二人居ますのでそう呼んでいただいた方が混同しないかと」

「…こちらは『ジョナー伯爵』だ」


俺が笑顔で挨拶を返すと父親がワンテンポ遅れておじさんの紹介をした。


「ジョナーと言うと…北西にある領地ですよね?土地の質があまりよろしくないというハンデをものともせずに発展させ、今や領地経営の方は好調だという」

「いえいえ。ローズナー領の急速な発展に比べたら全然ですよ…」


俺は場所を思い出した後に辺境伯の青年から聞いた情報を話して褒めると、おじさんは嬉しそうに謙遜する。


「…実はお前を呼んだのは頼みがあってな…」

「頼み?珍しい」

「実はジョナー領では去年から不作が続いてまして…色々と対策を取っている内に、資金の方が…」

「私も資金援助はするのだが、昔に比べると余裕が無い分あまり出せないのだ」


父親が用件を言うので俺が意外に思いながら返すとおじさんは困ったような感じで資金援助を求め、父親も困ったように言う。


「多少は出せるけど…俺もそんな多くは出せないよ?」

「…いくら出せる?」

「その前にいくら必要なの?で、父さんはどのくらい出すつもり?」


俺は一応カモにされないよう父親とアイコンタクトし、おじさんに例え親子でも駆け引きはする…的な様子を見せるように会話した。


「…7000万。とりあえず7000万あれば当面は乗り切る事が出来ます」

「…共金貨で700枚…?」

「私からは2000万援助する予定だ」

「…残り5000万かぁ……いやぁ無償援助なら1000万が限界かな…」


おじさんの必要な金額を聞いて俺が金貨換算で呟くと父親はゼルハイト家で出す額を告げ、俺は困った演技をしながら呟く。


「…では、残り4000万を貸していただけないでしょうか?」


するとおじさんは少し考えて苦い顔で交渉してくる。


「あ。貸付なら話は別です。ちゃんと返してくれるのであれば、無償を除いて…そうですね、伯爵を信頼して7000万まで出しましょう」

「本当ですか!?7000万も!?」


俺が若干失礼な言い方をしながら恩着せがましく値段を提示するもおじさんは気にする余裕がなかったのか普通に驚いて確認してきた。


「結構…かなりギリギリでキツキツですが、伯爵の手腕を信じます」

「ありがとうございます!では後日、借用書を作成してお持ちしますので…!失礼します」


俺は困ったように笑いながら圧をかけるとおじさんがお礼を言って立ち上がり、すぐに部屋から出て行く。


「すまないな。助かる」

「他の貴族に恩を売れるなら安いものだよ。ソレが目的でわざわざ俺を呼んだんでしょ?金をあえて出し渋って小額を提示したのも」

「…流石だな。そこまで分かっていたとは…ガウ領の件、お前があえて放置して泳がせてるとは思っていたが…流石に少し心配になってな」

「全く…親バカだねぇ…まあ俺はありがたいけど」


父親のお礼に俺が今のタイミングから意図を察して確認すると父親は息を吐いて笑いながら認め、理由を話すので俺も笑って返す。


「しかしガウ領は…本当に大丈夫なのか?」

「おや、信用してないの?ま、吉と出るか凶と出るか…結果が出てのお楽しみ、って事で。失敗したら取り返せば良いし」

「…大丈夫なら、問題無いのならばいいんだが…」


父親はやっぱり気になるのか心配そうに聞いてくるが、ココで話して計画をほんの少しでも相手に悟られるわけにはいかないので…


俺が適当に楽観的に返すと父親は俺を信じるように引き下がる。


「それより味方を増やすありがたい機会をくれた父さんにはお返しをあげなきゃね」

「助かる!」


俺はお礼として魔物の肉が入った容器を取り出してテーブルの上に置くと父親が喜びながら受け取った。


「…とりあえず、昼飯は何か食べたいのとかある?」

「なんでもいい。お前が作る物ならばなんでも美味いからな」


俺の問いに父親は嬉しそうな顔のまま中々に困る返答をする。


「うーん…なんでも良いと言われてもなぁ…何にしようか…」

「パンに挟んで手軽に食べれるものがいいかもしれん」

「あ、じゃあとんかつバーガー作ろう」


俺が作る料理を考えながら呟くと父親が軽くリクエストし、俺はふと思いついた料理名を口にした。


「とんかつ…バーガー?なんだそれは?」

「まあまあ、昼食を楽しみにしててよ」

「…そうだな。期待してるぞ」


不思議そうに聞く父親に俺がニヤリと笑ってそう返すと父親は楽しそうに頷いて部屋から出ていく。


「…他は何にしようか…今川焼き…たいやき…揚げ物ならドーナツとか…うーん…」


俺はソファに座ったまま食後のデザートに今まで出してないような珍しいものは何があったか…と、考えながら呟く。
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