子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 22

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…それから数日後。


「おい!傭兵ども!集まれ!」


侯爵の所で一緒に戦っていた傭兵達がコッチにも流れてきて、負傷者達も復帰してくると…


昼前ぐらいの時間帯に騎士の一人が区画にやって来て俺らに集合をかける。


「貴様らには午後から出撃命令が下る!全員にだ!目標は一番近い敵の砦である!今すぐ戦闘準備に入れ!」

「…ちょっと確認していい?」

「確認だと?なんだ、言ってみろ」


騎士の指示に俺が尋ねると睨むように俺を見るが一応内容を聞いてくれた。


「その砦にはどれくらいの敵がいるの?」

「それを聞いてどうする?」

「敵の人数を知らない事には攻めようもないでしょ。俺らが適当に攻めるぐらいで済むんならとっくに騎士団が奪ってないとおかしいし」

「…約5000人だ」


俺が聞くと騎士は不機嫌そうに逆に聞き返してくるので理由を話すと渋々といった様子で答える。


「おおー、結構な人数だな…で、騎士団からはどれくらい出る予定?」

「今回の出撃は貴様ら傭兵だけだ」

「…冗談でしょ?約600名の傭兵だけで5000人近くの兵士達が守る砦を奪って来いと?」

「何を勘違いしている。『奪え』とは一言も言ってないぞ。ヴォードル辺境伯からの命は『砦を攻めろ』だ」


俺の続けての問いに騎士がアホみたいな事を言い出すので確認すると騎士は訂正するように指示の内容を告げた。


「はー?その目的は?」

「なぜ貴様ら傭兵にそこまで話す必要がある!いいからさっさと出撃準備に入れ!」

「へぇ?傭兵をそんな危ない死地に送るのにその目的は話せない、と?…なら国の戦力をあえて減らして弱体化させるスパイ行為と勘違いされても仕方がないんじゃない?」


俺が困惑しながら聞くも騎士は答えずに怒ったように命令してくるので俺は訝しみながら脅迫する。


「ぐっ…傭兵のくせに…!なぜ貴様らは黙って命令に従えんのだ!いいか!良く聞け!第一の砦を攻める事で敵の目を集中させ、騎士団が山側から第二の砦を後ろから強襲するという作戦だ!」


…流石に誤解されて政府とかの上の方に密告されると面倒なのか、騎士は怒りながらも目的と作戦を教えてくれた。


「敵の目を集中させ…ってこの人数じゃ突っ込んだところで無駄だと思うんだけど」

「お前達で5回目だ!次の六度目で作戦を決行する手筈になっている!」


俺が呆れたように言うと騎士はキレ気味で反論するように返す。


「何度も何度も同じ事を説明させやがって…!お前らみたいな傭兵はただ俺達の命令に従って行動しておけばいいんだよ!」


…今まで他の傭兵達もやっぱり俺と同じ事を思って確認や質問をしていたのか騎士が愚痴るように怒鳴る。


「…なるほど…じゃあ断る」

「なっ…!!」

「「「はっ!?」」」

「「「え!?」」」


俺はこの作戦が成功するように思えないので騎士の指示や命令に逆らうように拒否すると騎士を含めたみんなが驚く。


「まず間違いなくその作戦は失敗する。というかそもそもこの人数でその砦を攻めて、生きて帰れるかも危ういし」

「…それは確かに…」

「5000人も居る砦にこの人数だけでは、な…」


俺が拒否した理由を話すと知り合いのハンター達も賛同するように呟き出す。


「貴様ら…!傭兵が命令に背くとどうなるか分かっているんだろうな!?」

「もちろん。俺は契約解除する。命をこんな無駄にドブには捨てたくないし」

「…うむ、彼がそこまで言うほどならば…俺も契約を解除しよう」

「じゃあ僕も」


騎士の脅しに俺が仕事を途中で投げ出す事を告げると…


侯爵の所での実績があるからか知り合いのハンター達は説得する事もなく俺と同じ判断を下し、それを見た他の傭兵達も仕事を断り始めた。


「この腰抜けの役立たずどもが…!!覚悟してるんだな!!」


騎士は激怒したように俺らを罵って捨て台詞を吐きながら去って行く。
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