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青年期 23
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「…しかし良かったのか?傭兵が仕事を途中で投げ出すと評判が悪くなり、他の所でも次から雇ってもらえなくなるぞ」
「大丈夫大丈夫。俺らの出番は今じゃないからね」
「…つまり後から仕事がある、と?」
「うん。まあ先ずは俺が断った理由を話そうか」
男の確認するような問いかけに俺が楽観的に返すと他のハンターが不思議そうに聞いてくるので…
俺は肯定的に返してみんなを納得させるように解説する事に。
「一応説明すると敵の砦ってのは三ヶ所あるんだ。位置的には山岳地帯にジグザグになるような感じかな」
「ジグザグ?」
「そうそう。近い所はココから見て左側だけど、二番目の砦は右側にある」
「…という事は三番目の砦は一番近い砦の奥か?」
「うん。そこそこ離れてるけど」
俺が基本情報のような作戦の話をする前の前提の情報を話すとハンター達が確認してくるので説明しながら答えた。
「なるほど…位置関係的にはこうか」
「お。そんな感じだけど…実際はもう少し離れてる。あと一番目と二番目の砦の間には狭い道があって…」
ハンターの一人が地面に簡単な地図を書き始めるので俺は砦やこの城塞の位置を訂正するように書き加える。
「まあそれで、俺らが攻めるよう指示されたのは一番近い左側のココね。城壁の上の方からでも見えるココ」
「うむ」
「さっきの話だとあんなアホで無謀な攻めを4回ぐらいやらせたみたい。ココが侯爵のトコと比べて死傷者の割合が多いのは捨て駒のように使ってるからだったワケだ」
俺は地面の地図に丸を付けながら言い、呆れながら不思議だった理由に納得しながら話す。
「で。なんでそんな事を続けるかと言うと…ココ!この城塞から見て右側の山の向こうにある二番目の砦を騎士団で不意打ちする作戦だったと」
「…作戦自体に問題は無いのではないか?理にかなっていると思うが」
「俺も作戦の内容自体は素晴らしいと思うよ。方法が間違ってるけど」
さっきの騎士の話を地面に書かれた地図を使って傭兵のみんなにも分かるように説明すると、知り合いのハンターが指摘してくるので俺は褒めつつも否定して返した。
「方法が…」
「間違っている?」
「ん。一番目の砦に敵を引きつけるなら少数で何度も攻めるより、大軍で攻めて戦いを長引かせた方が効果的だと思わない?」
「…言われてみれば」
「…確かに」
知り合いのハンター達の不思議そうな問いに俺が頷いて策を話して確認すると他のハンター達も納得する。
「多分正規兵や騎士を消耗させるのが嫌だからなんだろうけど…そもそもこの作戦は敵にバレてると思う」
「「なっ…!?」」
「…それは確かなのか?」
俺の呆れながらの予想に知り合いのハンター達が驚きながら確認してきた。
「多分だけど…俺ならこんな明らかな捨て駒の扱いを受けたら敵に降伏するね。命の保証と引き換えに作戦をバラすよ」
「…なるほど」
「傭兵の中には居るだろうな…」
「特に一般の傭兵なら恐怖に負けて、有り得ない事ではない」
一応予防線を張りながら自分が同じ立場なら…の予想で話を進めたら知り合いのハンター達は賛同してくれる。
「そういうわけで、俺らがあの砦を攻めたとしても死傷者の数が増えるだけで意味が無い気がする」
「…なるほど、我々が流した血が無駄に終わるなどと…想像したくもない事だ」
「死ぬ覚悟で、死ぬ思いで必死に攻めた結果が無駄でした。だなんて最悪も最悪…」
俺が騎士の指示を拒否った理由を話し終えるとみんな納得したような顔をして知り合いのハンター達が苦虫を噛み潰したような顔で呟く。
「…しかしお前さんはよくあんな直ぐに気づけたものだな」
「…確かに」
「まさか…経験があるのか?」
「いや、もし俺が敵の立場なら…って考えただけ。あと普通に考えても無理難題を押し付けるような内容だったし」
男の感心したような発言に知り合いのハンター達が同意し、別のハンターが尋ねるので俺は否定して気づいた理由を話す。
「だが…騎士団が山を越えて二番目の拠点を奇襲したとして、作戦が敵にバレていたら逆に包囲されるんじゃないか?」
俺たちの出番は騎士団がやられた後か?と、知り合いのハンターの一人が地面の地図に騎士団の動きや敵兵の動きの予想を書き足しながら確認してきた。
「いや、俺らの出番はその騎士団がやられてる真っ最中。この一番目の砦と二番目の砦の間は狭い道になってるって言ったじゃん?」
「うん」
「おそらく敵は厄介な騎士団の包囲を優先するハズだから一番目と三番目の砦が手薄になったタイミングで俺らが攻める」
「…!あの騎士団を囮に使うつもりか…!」
「なるほど!そんな手もあるか…!」
「狭い道ならば戻って来るのにも時間がかかるはず…!」
俺が情報を確認しながら地面の地図に書き足しながら作戦を説明するとみんな驚きつつも納得したように賛同し始める。
「まさか奇襲する本隊の騎士団を囮にして傭兵達が砦攻めをする、なんて辺境伯側も思いつかない事をアッチが思いつくとも思わないし…もし保険がかけてあったとしてもその程度、あの侯爵のトコの激戦を乗り越えた俺らなら簡単に破れるよ」
「面白い!精強揃いと言われているあの西方騎士団を囮に使うとは!」
「つまり僕達の働きこそが重要になる…と」
「ははは!俺達次第で戦況が大きく動く…とは、なんともやる気が漲る展開じゃないか!」
俺らの出番が来た時の作戦を話しながら鼓舞するように言うと、予想通り知り合いのハンター達はやる気に満ちたような反応をした。
「うまくいけば報酬も倍額もらえるかもね」
「うおお!!倍額!」
「本当に倍貰えるんだろうな!?」
「俺らの働き次第では。少なくとも砦を二つ制圧出来れば交渉が確実に有利にはなる」
「うおー!やるぞー!」
「「「おおー!」」」
俺が金の件にも言及すると周りの傭兵達がやる気を出したように確認してくるので成果報酬を予想しながら返すと更にやる気を上げる。
「大丈夫大丈夫。俺らの出番は今じゃないからね」
「…つまり後から仕事がある、と?」
「うん。まあ先ずは俺が断った理由を話そうか」
男の確認するような問いかけに俺が楽観的に返すと他のハンターが不思議そうに聞いてくるので…
俺は肯定的に返してみんなを納得させるように解説する事に。
「一応説明すると敵の砦ってのは三ヶ所あるんだ。位置的には山岳地帯にジグザグになるような感じかな」
「ジグザグ?」
「そうそう。近い所はココから見て左側だけど、二番目の砦は右側にある」
「…という事は三番目の砦は一番近い砦の奥か?」
「うん。そこそこ離れてるけど」
俺が基本情報のような作戦の話をする前の前提の情報を話すとハンター達が確認してくるので説明しながら答えた。
「なるほど…位置関係的にはこうか」
「お。そんな感じだけど…実際はもう少し離れてる。あと一番目と二番目の砦の間には狭い道があって…」
ハンターの一人が地面に簡単な地図を書き始めるので俺は砦やこの城塞の位置を訂正するように書き加える。
「まあそれで、俺らが攻めるよう指示されたのは一番近い左側のココね。城壁の上の方からでも見えるココ」
「うむ」
「さっきの話だとあんなアホで無謀な攻めを4回ぐらいやらせたみたい。ココが侯爵のトコと比べて死傷者の割合が多いのは捨て駒のように使ってるからだったワケだ」
俺は地面の地図に丸を付けながら言い、呆れながら不思議だった理由に納得しながら話す。
「で。なんでそんな事を続けるかと言うと…ココ!この城塞から見て右側の山の向こうにある二番目の砦を騎士団で不意打ちする作戦だったと」
「…作戦自体に問題は無いのではないか?理にかなっていると思うが」
「俺も作戦の内容自体は素晴らしいと思うよ。方法が間違ってるけど」
さっきの騎士の話を地面に書かれた地図を使って傭兵のみんなにも分かるように説明すると、知り合いのハンターが指摘してくるので俺は褒めつつも否定して返した。
「方法が…」
「間違っている?」
「ん。一番目の砦に敵を引きつけるなら少数で何度も攻めるより、大軍で攻めて戦いを長引かせた方が効果的だと思わない?」
「…言われてみれば」
「…確かに」
知り合いのハンター達の不思議そうな問いに俺が頷いて策を話して確認すると他のハンター達も納得する。
「多分正規兵や騎士を消耗させるのが嫌だからなんだろうけど…そもそもこの作戦は敵にバレてると思う」
「「なっ…!?」」
「…それは確かなのか?」
俺の呆れながらの予想に知り合いのハンター達が驚きながら確認してきた。
「多分だけど…俺ならこんな明らかな捨て駒の扱いを受けたら敵に降伏するね。命の保証と引き換えに作戦をバラすよ」
「…なるほど」
「傭兵の中には居るだろうな…」
「特に一般の傭兵なら恐怖に負けて、有り得ない事ではない」
一応予防線を張りながら自分が同じ立場なら…の予想で話を進めたら知り合いのハンター達は賛同してくれる。
「そういうわけで、俺らがあの砦を攻めたとしても死傷者の数が増えるだけで意味が無い気がする」
「…なるほど、我々が流した血が無駄に終わるなどと…想像したくもない事だ」
「死ぬ覚悟で、死ぬ思いで必死に攻めた結果が無駄でした。だなんて最悪も最悪…」
俺が騎士の指示を拒否った理由を話し終えるとみんな納得したような顔をして知り合いのハンター達が苦虫を噛み潰したような顔で呟く。
「…しかしお前さんはよくあんな直ぐに気づけたものだな」
「…確かに」
「まさか…経験があるのか?」
「いや、もし俺が敵の立場なら…って考えただけ。あと普通に考えても無理難題を押し付けるような内容だったし」
男の感心したような発言に知り合いのハンター達が同意し、別のハンターが尋ねるので俺は否定して気づいた理由を話す。
「だが…騎士団が山を越えて二番目の拠点を奇襲したとして、作戦が敵にバレていたら逆に包囲されるんじゃないか?」
俺たちの出番は騎士団がやられた後か?と、知り合いのハンターの一人が地面の地図に騎士団の動きや敵兵の動きの予想を書き足しながら確認してきた。
「いや、俺らの出番はその騎士団がやられてる真っ最中。この一番目の砦と二番目の砦の間は狭い道になってるって言ったじゃん?」
「うん」
「おそらく敵は厄介な騎士団の包囲を優先するハズだから一番目と三番目の砦が手薄になったタイミングで俺らが攻める」
「…!あの騎士団を囮に使うつもりか…!」
「なるほど!そんな手もあるか…!」
「狭い道ならば戻って来るのにも時間がかかるはず…!」
俺が情報を確認しながら地面の地図に書き足しながら作戦を説明するとみんな驚きつつも納得したように賛同し始める。
「まさか奇襲する本隊の騎士団を囮にして傭兵達が砦攻めをする、なんて辺境伯側も思いつかない事をアッチが思いつくとも思わないし…もし保険がかけてあったとしてもその程度、あの侯爵のトコの激戦を乗り越えた俺らなら簡単に破れるよ」
「面白い!精強揃いと言われているあの西方騎士団を囮に使うとは!」
「つまり僕達の働きこそが重要になる…と」
「ははは!俺達次第で戦況が大きく動く…とは、なんともやる気が漲る展開じゃないか!」
俺らの出番が来た時の作戦を話しながら鼓舞するように言うと、予想通り知り合いのハンター達はやる気に満ちたような反応をした。
「うまくいけば報酬も倍額もらえるかもね」
「うおお!!倍額!」
「本当に倍貰えるんだろうな!?」
「俺らの働き次第では。少なくとも砦を二つ制圧出来れば交渉が確実に有利にはなる」
「うおー!やるぞー!」
「「「おおー!」」」
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