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第6章 片想いは辛すぎるから
No,73 八つ当たり?怒りの平田
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【これは高校2年のお話】
──解散後、俺は平田と二人になった。
何とか場をもたせた。
俺にしたら冷や汗もので貢献したつもりだったのに、平田の評価は違っていた。
明らかに平田の様子が暗い。
まあ、鈴川と繋げるどころか、ろくに会話も出来なかったんだから仕方がない。
──が、他人の受けとり方って分からないものだ。
「れ、歴野は鈴川さんの事を好きになったのか?!」
と来たもんだ。
「はぁ?なんだそれ?俺はあの場が暗いから少しでも盛り上げようと頑張ったんだぜ?なんで俺が鈴川さんを!」
「だって歴野!鈴川さんとばかり話してたじゃないか!歴野が仲好くしなきゃいけないのは北山さんの方なのに!」
「おいちょっと待て。俺は平田がどうしてもって言うから今日だけ一回のつもりで来たんだけど、なんで?俺は北山さんと仲好くしなくちゃならないって、決まってたわけ?!」
「北山さんのどこが気に入らないんだよ!歴野は彼女いないんだし、北山さんスタイル良くてきれいだし、向こうから好きだって言ってくれてるのになんで?!歴野が北山さんと付き合ってくれれば、オレも鈴川さんとこれからも会えるのに!」
平田がこんなにも饒舌なのを初めて聞いた。そして、いくら好きな平田の言う事でも、さすがにこれにはカチンときた。
「平田!勘違いするな!おまえが本当に鈴川さんを好きなら、俺なんてあてにせずに自分で押さなきゃだめだろうが!これからもずっと四人でダブルデートを続ける気なのか?!」
──って、俺なにを言ってる?
平田をけしかけてどうする俺?
平田と鈴川をくっ付けたいのか?!違うだろ!!!
そして正論を振りかざされた平田もキレた。
「もういい歴野!もう、顔も見たくない!」
(え?)
平田は一目散に走って行った。
(え?え?え?なにこれ?)
俺は一瞬呆けてしまった。
(!)
ハッと気付き、追い掛けた。
バスターミナルを捜したけれど、平田の姿は見付からなかった。
(……顔も見たくない?)
「好き」と言うのは、最悪の弱点なんだと知らしめられた。
喧嘩になんてならない。喧嘩になっても勝てるはずない。
ただ、自分が辛いだけ……。
翌日、直ぐ平田に会いたかったんだけれど、不都合だったのは平田のクラスにはジュンがいること。
放課後の部活を待ったけれど、平田は姿を見せなかった。どうやら今日は学校そのものを欠席したらしい。
(いくらなんでも、学校を休むほどなのか?!)
俺もズドーンと落ち込んだ。
※──────────※
その夜、鈴川に電話した。
実は鈴川から電話番号を知らされていた。返事は平田を通さず、直接自分にくれとの事だった。
思えばそれも失礼な話だ。
話を依頼し、労力をかけた平田を通さずにとは、一体どう言う了見なのか……。
鈴川にはこの度の件をはっきりと断り、そして必ず平田に電話してくれるようにお願いした。
今回、間に入って動いた平田に対して、必ず礼を言って欲しいと頼んだのだ。
そうしてもらわないと俺も困ると念押しした。絶対に困ると重ねて頼んだ。
その夜、鈴川から電話をもらった平田が、もしかしたら俺に電話してくれないかな?と気になって寝付けなかった。
──けれど、電話なんて無かった。
(このまま平田に嫌われるのかも知れない……)
俺は布団の中でべそをかいた。
(平田~、なんでこうなる~)
枕を涙で濡らしてしまった。
──そして俺は、泣きべそをかきながらいつしか眠ったのだと思う。
──解散後、俺は平田と二人になった。
何とか場をもたせた。
俺にしたら冷や汗もので貢献したつもりだったのに、平田の評価は違っていた。
明らかに平田の様子が暗い。
まあ、鈴川と繋げるどころか、ろくに会話も出来なかったんだから仕方がない。
──が、他人の受けとり方って分からないものだ。
「れ、歴野は鈴川さんの事を好きになったのか?!」
と来たもんだ。
「はぁ?なんだそれ?俺はあの場が暗いから少しでも盛り上げようと頑張ったんだぜ?なんで俺が鈴川さんを!」
「だって歴野!鈴川さんとばかり話してたじゃないか!歴野が仲好くしなきゃいけないのは北山さんの方なのに!」
「おいちょっと待て。俺は平田がどうしてもって言うから今日だけ一回のつもりで来たんだけど、なんで?俺は北山さんと仲好くしなくちゃならないって、決まってたわけ?!」
「北山さんのどこが気に入らないんだよ!歴野は彼女いないんだし、北山さんスタイル良くてきれいだし、向こうから好きだって言ってくれてるのになんで?!歴野が北山さんと付き合ってくれれば、オレも鈴川さんとこれからも会えるのに!」
平田がこんなにも饒舌なのを初めて聞いた。そして、いくら好きな平田の言う事でも、さすがにこれにはカチンときた。
「平田!勘違いするな!おまえが本当に鈴川さんを好きなら、俺なんてあてにせずに自分で押さなきゃだめだろうが!これからもずっと四人でダブルデートを続ける気なのか?!」
──って、俺なにを言ってる?
平田をけしかけてどうする俺?
平田と鈴川をくっ付けたいのか?!違うだろ!!!
そして正論を振りかざされた平田もキレた。
「もういい歴野!もう、顔も見たくない!」
(え?)
平田は一目散に走って行った。
(え?え?え?なにこれ?)
俺は一瞬呆けてしまった。
(!)
ハッと気付き、追い掛けた。
バスターミナルを捜したけれど、平田の姿は見付からなかった。
(……顔も見たくない?)
「好き」と言うのは、最悪の弱点なんだと知らしめられた。
喧嘩になんてならない。喧嘩になっても勝てるはずない。
ただ、自分が辛いだけ……。
翌日、直ぐ平田に会いたかったんだけれど、不都合だったのは平田のクラスにはジュンがいること。
放課後の部活を待ったけれど、平田は姿を見せなかった。どうやら今日は学校そのものを欠席したらしい。
(いくらなんでも、学校を休むほどなのか?!)
俺もズドーンと落ち込んだ。
※──────────※
その夜、鈴川に電話した。
実は鈴川から電話番号を知らされていた。返事は平田を通さず、直接自分にくれとの事だった。
思えばそれも失礼な話だ。
話を依頼し、労力をかけた平田を通さずにとは、一体どう言う了見なのか……。
鈴川にはこの度の件をはっきりと断り、そして必ず平田に電話してくれるようにお願いした。
今回、間に入って動いた平田に対して、必ず礼を言って欲しいと頼んだのだ。
そうしてもらわないと俺も困ると念押しした。絶対に困ると重ねて頼んだ。
その夜、鈴川から電話をもらった平田が、もしかしたら俺に電話してくれないかな?と気になって寝付けなかった。
──けれど、電話なんて無かった。
(このまま平田に嫌われるのかも知れない……)
俺は布団の中でべそをかいた。
(平田~、なんでこうなる~)
枕を涙で濡らしてしまった。
──そして俺は、泣きべそをかきながらいつしか眠ったのだと思う。
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