66 / 80
六粒目 幻灯蓮 ~『我が上の星は見えぬ』の巻~
その六 真夜中の露茜池の畔で、本当のことがわかってしまいました!
しおりを挟む
「秀女選抜」? 「水嬉」の芸で貞海様を助ける?
「あ、あの、『秀女選抜』って、何でしょうか?」
「あら、『秀女選抜』を知らないの? 『秀女選抜』っていうのは、後宮に召し抱える女を選ぶ試験のようなものなのよ。三年に一回、都城で開かれるの。わたしは、小さい頃から、いつか後宮へ行きたいと思っていたの。ようやくその機会が巡ってきたのよ」
後宮というのは、人間界の国の頭領である帝の伴侶が住む場所よね。
帝の後を継ぐ子を得るために、たくさんの伴侶を抱えることもあるらしい。
貞海様は、妍国の帝の伴侶になりたいということなのかしら?
「一晩、よく考えてみてちょうだい。返事は明日でいいわ。準備はわたしの方で整えておくから、あなたは同行する決心がついたら、そのまま一緒に来てくれればいいの。
わたしの個人的な侍女というだけで、女官になるわけではないから、あなたが後宮に縛られることはないわ。そのあたりは心配いらないから――」
「は、はい……」
わたしの「水嬉」が、「秀女選抜」でどう役に立つというのだろう?
面白い芸ができる侍女がいるからといって、帝の伴侶に選ばれることはないと思うのだけど――。考えても、よくわからない……。
その後は、翼翔と青楓が、部屋にあった椅子や瓶を使った軽業をいくつかやってみせ、貞海様を大いに喜ばせた。
貞海様から多額の礼金と大きな菓子の包みを受け取り、わたしは、翼翔や青楓と一緒に、一座のところへ帰ってきた。
翼翔から、杜家での「水嬉」の様子やわたしが侍女に望まれた話を聞くと、みんなが驚き喜んでくれたが、座頭は、ちょっとすまなそうな顔でわたしに言った。
「思阿さんは、来なかったよ……。何か、用事ができて遅れているのかもしれないな。今夜も、ここで出し物を続けて待ってみよう。
俺たちは、まだしばらく州城にとどまるつもりだから、深緑さんさえよければ、思阿さんが来るまで、俺たちと一緒にずっとここにいたらいい。
もちろん、貞海様と都城へ行くというなら、俺が思阿さんにちゃんと伝えておいてやるよ」
玄姫様から預かった地図に寄れば、天空花園へ返すべき最後の一粒は、都城・榮陵にあることがわかっている。
現われるかどうかわからない思阿さんを州城で待つよりも、ここでの務めが片付いたら、貞海様にくっついて、さっさと都城へ行ってみる方がいいのかもしれない。
いつかは、別れなければならないときがやってくる……。
だって、思阿さんは人間だし、わたしは天界へ帰るから――。
でも、それは、まだまだ先の話だと思っていた。
もしこのまま、二度と思阿さんに会えないなんてことになったら――。
わたしは、思わず髪に挿したかんざしに手を伸ばした。
かんざしの貴石に触れると、これを挿してくれたときの思阿さんの照れくさそうな顔が思い出されて、胸の奥がほんのり温かくなった。
◇ ◇ ◇
夕方から夜にかけては、昨晩よりも多くの客が屋台街に集まってきた。
貞海様からもらった三色の石を使った「水嬉」は、新たな観客を呼び込んで、たくさんの銅銭を器に招き寄せた。
夜も更け、自分の出番を終えたわたしは、屋台街を一人でそぞろ歩いていた。
勝手に虫籠から這い出した夏先生は、いつものようにわたしの服の襟元につかまって、小さな声で話しかけてきた。
「それで、どうするのじゃ? 務めを終えても、ここで思阿を待つつもりか?」
「そうすることに決めました。わたしは、やっぱり思阿さんに会わないまま、先へ進むことはできません。それに、もし、彼が何か困ったことに巻き込まれているのなら、わたしが助けてあげなければ!」
「これでは、どちらが、用心棒だかわからんのう、フォッ、フォッ、フォッ!」
わたしにとって、思阿さんは、もうただの用心棒じゃない。
わたしにできることがあるのなら、思阿さんに力を貸してあげたい!
―― グルギュルグル……ギュルウウウーンッ……。
「おお! 迷いがふっきれたのは、確かなようじゃ! さっさと腹を満たして、今夜の務めに備えねばならんぞ」
「ええ、そうですね。昼に目をつけておいた饅頭屋へ行ってみましょう!」
屋台街の灯りが、少し明るくなったような気がした。
心が軽くなると、体も軽くなる。
わたしは、ひょいとひょいと、人波をかき分けて進んでいった。
◇ ◇ ◇
今夜は天気も良く、頭上には星が光っていた。
真夜中を過ぎ、先ほどまで見物客で溢れかえっていた屋台街も静かな眠りについた。
わたしは、物音を立てないように気をつけながら、玄姫廟の宿坊を出て、露茜池に向かって歩き始めた。
もう少しで屋台街の入り口というあたりまで行ったとき、不意に路地から人影が飛び出してきた。わたしは、慌てて近くの店の壁に張り付いた。
向こうが、こちらに気づいた様子はなく、人影は振り返りもせず走り去った。
あまり大柄ではない。もしかすると、女の人かもしれない。
人影は、屋台街を抜け、蓮池の方へ向かって、まっすぐに進んでいった。
どうやら人影が目指しているのは、わたしと同じ場所のようだ。
ときどき柳の木の影に隠れながら、人影を追いかけるようにして、わたしも蓮池に近づいていった。
昨晩の治宏さんの事件のせいか、簡単な防壁のようなものが、蓮池の手前に築かれていたが、人影はそれを乗り越えて奥へ向かった。
わたしも、適当な距離をとりながら、それに続いた。
蓮池の奥では、今夜も例の怪しい蓮が花開いていた。
うっすらと青みを帯びた花びらを、星空に向かって大きく広げていた。
人影は、懐から刀を取り出すと、素早く池に近づき蓮の花を刈り取った。
そのとき、近くの植え込みから、もう一つの人影が飛び出した。
飛び出した人影は、池の畔にいた人影に、いきなり刀で打ちかかっていった。
蓮の花を手にした人影は、花を刈り取った刀で、相手の刃を受け止め押し返した。
わたしは、急いで植え込みに隠れ、ひとまず成り行きを見守ることにした。
小さな刀で、大刀を払いのけた人影は、ほどよい間合いをとると静かに言った。
「馮颯懍、やはりおまえだったか! ずっと、わたしの後をつけていたであろう? 黄龍軍将軍のおまえが、今頃どうしてこんな所にいる? ククク……、我が軍に恐れをなし、とうとう人間界へ逃げ出したか?」
「黙れ、災媛! おまえこそ、人間界へ潜り込み何を企んでいる?」
馮颯懍? 会ったことはないけれど、名前は知っている。天帝黄龍軍の勇猛な将軍だ。
災媛は、魔軍の指揮官の一人だ。人間界に様々な災いを持ち込む、やっかいな魔女神であると、雅文が言っていた。
災媛は、左手に持った花弁が落ちた蓮の茎を、馮将軍に突き出しながら言った。
「フッ、フッ、フッ! この蓮は、天界から人間界にこぼれ落ち、悪しき質を帯びた種から育ったものだろう? 天界のものなど、滅多に我らの手には入らぬ。これに、魔力を加えればどんな恐ろしいものに変化するであろうな?」
「そうはさせん!」
馮将軍が、力を込めて振り下ろした大刀の刃から、金色の光が飛び散った。
それを刀で受けて押し返しながら、災媛は、少しずつ後ずさりしていた。
いや違う! たくみに足を動かしながら、地表に何かの図を描いているのだ。
災姫の足元には、魔界へ通じる扉となる魔紋ができあがりつつあった。
これは……。
「馮将軍! 災媛から離れて!!」
わたしは、植え込みから飛び出し、大きな声で叫んだ。
わたしの声を聞いて、馮将軍が素早く後ろへ飛び退くと、魔紋から放たれた銀色の光が災媛を包み込んだ。
あれ以上、災媛に近づいていたら、馮将軍もこの光に取り込まれていたはずだ。
蓮の花の茎を握ったまま、災媛は光に守られ地中に吸い込まれていった。
「シェ、深緑さん……」
えっ?! わたしの名を呼ぶその声は、まさか――。
刀を鞘に収め、わたしに走り寄ろうとした馮将軍の顔を、突如、池から伸びてきた大きな蓮の葉が覆った。
その場に倒れ込んだ彼の頭上には、靄が沸き上がり、一つの絵が映し出された。
それは、天空花園を連れ立って歩く、玄姫様と馮将軍――思阿さんの凜々しく美しい姿だった……。
「あ、あの、『秀女選抜』って、何でしょうか?」
「あら、『秀女選抜』を知らないの? 『秀女選抜』っていうのは、後宮に召し抱える女を選ぶ試験のようなものなのよ。三年に一回、都城で開かれるの。わたしは、小さい頃から、いつか後宮へ行きたいと思っていたの。ようやくその機会が巡ってきたのよ」
後宮というのは、人間界の国の頭領である帝の伴侶が住む場所よね。
帝の後を継ぐ子を得るために、たくさんの伴侶を抱えることもあるらしい。
貞海様は、妍国の帝の伴侶になりたいということなのかしら?
「一晩、よく考えてみてちょうだい。返事は明日でいいわ。準備はわたしの方で整えておくから、あなたは同行する決心がついたら、そのまま一緒に来てくれればいいの。
わたしの個人的な侍女というだけで、女官になるわけではないから、あなたが後宮に縛られることはないわ。そのあたりは心配いらないから――」
「は、はい……」
わたしの「水嬉」が、「秀女選抜」でどう役に立つというのだろう?
面白い芸ができる侍女がいるからといって、帝の伴侶に選ばれることはないと思うのだけど――。考えても、よくわからない……。
その後は、翼翔と青楓が、部屋にあった椅子や瓶を使った軽業をいくつかやってみせ、貞海様を大いに喜ばせた。
貞海様から多額の礼金と大きな菓子の包みを受け取り、わたしは、翼翔や青楓と一緒に、一座のところへ帰ってきた。
翼翔から、杜家での「水嬉」の様子やわたしが侍女に望まれた話を聞くと、みんなが驚き喜んでくれたが、座頭は、ちょっとすまなそうな顔でわたしに言った。
「思阿さんは、来なかったよ……。何か、用事ができて遅れているのかもしれないな。今夜も、ここで出し物を続けて待ってみよう。
俺たちは、まだしばらく州城にとどまるつもりだから、深緑さんさえよければ、思阿さんが来るまで、俺たちと一緒にずっとここにいたらいい。
もちろん、貞海様と都城へ行くというなら、俺が思阿さんにちゃんと伝えておいてやるよ」
玄姫様から預かった地図に寄れば、天空花園へ返すべき最後の一粒は、都城・榮陵にあることがわかっている。
現われるかどうかわからない思阿さんを州城で待つよりも、ここでの務めが片付いたら、貞海様にくっついて、さっさと都城へ行ってみる方がいいのかもしれない。
いつかは、別れなければならないときがやってくる……。
だって、思阿さんは人間だし、わたしは天界へ帰るから――。
でも、それは、まだまだ先の話だと思っていた。
もしこのまま、二度と思阿さんに会えないなんてことになったら――。
わたしは、思わず髪に挿したかんざしに手を伸ばした。
かんざしの貴石に触れると、これを挿してくれたときの思阿さんの照れくさそうな顔が思い出されて、胸の奥がほんのり温かくなった。
◇ ◇ ◇
夕方から夜にかけては、昨晩よりも多くの客が屋台街に集まってきた。
貞海様からもらった三色の石を使った「水嬉」は、新たな観客を呼び込んで、たくさんの銅銭を器に招き寄せた。
夜も更け、自分の出番を終えたわたしは、屋台街を一人でそぞろ歩いていた。
勝手に虫籠から這い出した夏先生は、いつものようにわたしの服の襟元につかまって、小さな声で話しかけてきた。
「それで、どうするのじゃ? 務めを終えても、ここで思阿を待つつもりか?」
「そうすることに決めました。わたしは、やっぱり思阿さんに会わないまま、先へ進むことはできません。それに、もし、彼が何か困ったことに巻き込まれているのなら、わたしが助けてあげなければ!」
「これでは、どちらが、用心棒だかわからんのう、フォッ、フォッ、フォッ!」
わたしにとって、思阿さんは、もうただの用心棒じゃない。
わたしにできることがあるのなら、思阿さんに力を貸してあげたい!
―― グルギュルグル……ギュルウウウーンッ……。
「おお! 迷いがふっきれたのは、確かなようじゃ! さっさと腹を満たして、今夜の務めに備えねばならんぞ」
「ええ、そうですね。昼に目をつけておいた饅頭屋へ行ってみましょう!」
屋台街の灯りが、少し明るくなったような気がした。
心が軽くなると、体も軽くなる。
わたしは、ひょいとひょいと、人波をかき分けて進んでいった。
◇ ◇ ◇
今夜は天気も良く、頭上には星が光っていた。
真夜中を過ぎ、先ほどまで見物客で溢れかえっていた屋台街も静かな眠りについた。
わたしは、物音を立てないように気をつけながら、玄姫廟の宿坊を出て、露茜池に向かって歩き始めた。
もう少しで屋台街の入り口というあたりまで行ったとき、不意に路地から人影が飛び出してきた。わたしは、慌てて近くの店の壁に張り付いた。
向こうが、こちらに気づいた様子はなく、人影は振り返りもせず走り去った。
あまり大柄ではない。もしかすると、女の人かもしれない。
人影は、屋台街を抜け、蓮池の方へ向かって、まっすぐに進んでいった。
どうやら人影が目指しているのは、わたしと同じ場所のようだ。
ときどき柳の木の影に隠れながら、人影を追いかけるようにして、わたしも蓮池に近づいていった。
昨晩の治宏さんの事件のせいか、簡単な防壁のようなものが、蓮池の手前に築かれていたが、人影はそれを乗り越えて奥へ向かった。
わたしも、適当な距離をとりながら、それに続いた。
蓮池の奥では、今夜も例の怪しい蓮が花開いていた。
うっすらと青みを帯びた花びらを、星空に向かって大きく広げていた。
人影は、懐から刀を取り出すと、素早く池に近づき蓮の花を刈り取った。
そのとき、近くの植え込みから、もう一つの人影が飛び出した。
飛び出した人影は、池の畔にいた人影に、いきなり刀で打ちかかっていった。
蓮の花を手にした人影は、花を刈り取った刀で、相手の刃を受け止め押し返した。
わたしは、急いで植え込みに隠れ、ひとまず成り行きを見守ることにした。
小さな刀で、大刀を払いのけた人影は、ほどよい間合いをとると静かに言った。
「馮颯懍、やはりおまえだったか! ずっと、わたしの後をつけていたであろう? 黄龍軍将軍のおまえが、今頃どうしてこんな所にいる? ククク……、我が軍に恐れをなし、とうとう人間界へ逃げ出したか?」
「黙れ、災媛! おまえこそ、人間界へ潜り込み何を企んでいる?」
馮颯懍? 会ったことはないけれど、名前は知っている。天帝黄龍軍の勇猛な将軍だ。
災媛は、魔軍の指揮官の一人だ。人間界に様々な災いを持ち込む、やっかいな魔女神であると、雅文が言っていた。
災媛は、左手に持った花弁が落ちた蓮の茎を、馮将軍に突き出しながら言った。
「フッ、フッ、フッ! この蓮は、天界から人間界にこぼれ落ち、悪しき質を帯びた種から育ったものだろう? 天界のものなど、滅多に我らの手には入らぬ。これに、魔力を加えればどんな恐ろしいものに変化するであろうな?」
「そうはさせん!」
馮将軍が、力を込めて振り下ろした大刀の刃から、金色の光が飛び散った。
それを刀で受けて押し返しながら、災媛は、少しずつ後ずさりしていた。
いや違う! たくみに足を動かしながら、地表に何かの図を描いているのだ。
災姫の足元には、魔界へ通じる扉となる魔紋ができあがりつつあった。
これは……。
「馮将軍! 災媛から離れて!!」
わたしは、植え込みから飛び出し、大きな声で叫んだ。
わたしの声を聞いて、馮将軍が素早く後ろへ飛び退くと、魔紋から放たれた銀色の光が災媛を包み込んだ。
あれ以上、災媛に近づいていたら、馮将軍もこの光に取り込まれていたはずだ。
蓮の花の茎を握ったまま、災媛は光に守られ地中に吸い込まれていった。
「シェ、深緑さん……」
えっ?! わたしの名を呼ぶその声は、まさか――。
刀を鞘に収め、わたしに走り寄ろうとした馮将軍の顔を、突如、池から伸びてきた大きな蓮の葉が覆った。
その場に倒れ込んだ彼の頭上には、靄が沸き上がり、一つの絵が映し出された。
それは、天空花園を連れ立って歩く、玄姫様と馮将軍――思阿さんの凜々しく美しい姿だった……。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
龍神様の婚約者、幽世のデパ地下で洋菓子店はじめました
卯月みか
キャラ文芸
両親を交通事故で亡くした月ヶ瀬美桜は、叔父と叔母に引き取られ、召使いのようにこき使われていた。ある日、お金を盗んだという濡れ衣を着せられ、従姉妹と言い争いになり、家を飛び出してしまう。
そんな美桜を救ったのは、幽世からやって来た龍神の翡翠だった。異界へ行ける人間は、人ではない者に嫁ぐ者だけだという翡翠に、美桜はついて行く決心をする。
お菓子作りの腕を見込まれた美桜は、翡翠の元で生活をする代わりに、翡翠が営む万屋で、洋菓子店を開くことになるのだが……。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
汐埼ゆたか
キャラ文芸
准教授の藤波怜(ふじなみ れい)が一人静かに暮らす一軒家。
そこに迷い猫のように住み着いた女の子。
名前はミネ。
どこから来たのか分からない彼女は、“女性”と呼ぶにはあどけなく、“少女”と呼ぶには美しい
ゆるりと始まった二人暮らし。
クールなのに優しい怜と天然で素直なミネ。
そんな二人の間に、目には見えない特別な何かが、静かに、穏やかに降り積もっていくのだった。
*****
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※他サイト掲載
見鬼の女官は烏の妻となる
白鷺雨月
キャラ文芸
皇帝暗殺の罪で投獄された李明鈴。失意の中、処刑を待つ彼女のもとに美貌の宦官があらわれる。
宦官の名は烏次元といった。
濡れ烏の羽のような黒髪を持つ美しき青年は明鈴に我妻となれば牢からだしてやろうと提案する。
死から逃れるため、明鈴は男性としての機能を捨て去った宦官の妻となることを決意する。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
逃げるための後宮行きでしたが、なぜか奴が皇帝になっていました
吉高 花
恋愛
◆転生&ループの中華風ファンタジー◆
第15回恋愛小説大賞「中華・後宮ラブ賞」受賞しました!ありがとうございます!
かつて散々腐れ縁だったあいつが「俺たち、もし三十になってもお互いに独身だったら、結婚するか」
なんてことを言ったから、私は密かに三十になるのを待っていた。でもそんな私たちは、仲良く一緒にトラックに轢かれてしまった。
そして転生しても奴を忘れられなかった私は、ある日奴が綺麗なお嫁さんと仲良く微笑み合っている場面を見てしまう。
なにあれ! 許せん! 私も別の男と幸せになってやる!
しかしそんな決意もむなしく私はまた、今度は馬車に轢かれて逝ってしまう。
そして二度目。なんと今度は最後の人生をループした。ならば今度は前の記憶をフルに使って今度こそ幸せになってやる!
しかし私は気づいてしまった。このままでは、また奴の幸せな姿を見ることになるのでは?
それは嫌だ絶対に嫌だ。そうだ! 後宮に行ってしまえば、奴とは会わずにすむじゃない!
そうして私は意気揚々と、女官として後宮に潜り込んだのだった。
奴が、今世では皇帝になっているとも知らずに。
※タイトル試行錯誤中なのでたまに変わります。最初のタイトルは「ループの二度目は後宮で ~逃げるための後宮でしたが、なぜか奴が皇帝になっていました~」
※設定は架空なので史実には基づいて「おりません」
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる