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8人目:ビッチ姉妹の話

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あれから私達は人目を忍んで都内に戻り、私のアパートへと向かった。

一人で寂しく暮らすこの部屋も、今日だけは賑やかだった。


「わぁ……!すごい!部屋全部がクリスマスっぽい!!」

部屋に入った途端、隼くんは喜んでくれた。


私はこの日のために、部屋をクリスマス仕様に飾り付けたのだった。


「ツリーも一人で頑張って飾ったし…壁や天井からぶら下げる系のものは、画鋲が使えなくて色々工夫したんだよ~」

私は事前に買っておいたケーキや料理、飲み物などを用意しながら、部屋を見渡している隼くんにそんなことを話していた。


「僕のことを呼んでくれるために頑張ってくれたの?ありがとう!」


満面の笑みでお礼を言われて、私はまた心臓を跳ねさせる。

どうしてこの子はこんなに純粋で穢を知らないんだろう……


私は隼くんの存在そのものが愛おしくて仕方なかった。




それから私達は2人でご飯を食べ、ケーキを食べて色々と雑談をした。

冬らしい海外の映画を流しながら、2人は人生で最高のクリスマスを過ごした。


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