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8人目:ビッチ姉妹の話

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「ああ~~よかった!喜んでもらえて…!」

隼くんは私の反応が相当不安だったのだろう。

私が喜んでいることを知って、安心しきったように破顔した。


「隼くん、人の好みとかちゃんと見てるんだね!さすがだよ」

私は素直に感心したことを伝えた。


「菜摘さんのことしか見てないよ?……本当に好きだから、菜摘さんについて何でも知りたくて、ちゃんと見てたんだ」

「っっ……!」

隼くんは、こんなことをも恥ずかしがらずに無垢な目を向けて言ってくる。

対して言われた私は、思わず顔を真っ赤にして言葉に詰まってしまった……。


「……っありがとう…」

火照る顔とうるさくなる心臓に、年甲斐もなく翻弄されていた。


隼くんは、きっと恋愛経験の少なさや女性への抵抗の無さのおかげで、良くも悪くも無意識にこんなことを言えてしまうのだろう。


小学生相手に、こんなにドキドキするなんて、思ってなかった。

とても新鮮だ…。




「隼くん……私からも、隼くんにプレゼントがあるの。……少し、私の家に来てくれない?」


恋人たちが作り出す淡い雰囲気に満ちた巨大クリスマスツリーの前で、私は大決心をした。


元々、隼くんを今日初めて家に招いて、二人でクリスマスパーティをしようとは思っていた。


だけど……


私はこの日、隼くんの全てを奪ってしまおうと決めたのだった。
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