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記憶

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「なんでだよ。」

「仕方ないだろ。蓮さんは外部の者なんだから。」

にぃにが数日間ここに滞在することになったのはいいが、今僕の部屋で寝れなくて落ち込んでいる。

「おい、伊柊院だったか?俺と部屋を変われ。」

「いや、無理ですよ。」

《にぃに!怜を困らせないで。あの部屋がいいんだったら僕が代わってあげるから!》

「え?」

「いや、そういうことじゃないだろ。」

どういうこと?

「もう、翠と同じベッドで寝るからいいよ」

「えっ。」

《怜、どうかしたの?》

「い、いや。なんでもないよ。」

「ふ~ん。伊柊院、夜道に気をつけてね。」

ん?なんで急に怜の心配してるんだろ。

「ちょっと、うちの後輩いじめないでください。」

「いじめてなんかいないよ。心配しただけ。」

 みんな頭良すぎて何言ってるのかわからないよ。

「「翠ちゃーん!これからよろしくね!」」

「よろ…く、」

「よろしく~」

「よろしくお願いしますね。」

「よろしく」

「「かいちょー、照れてるー」」

 賑やかでいいなぁ。こんなの久しぶりだ。

「照れてねーよ。翠、お前は一応生徒会補佐ってことで明日発表されるからな。」

「俺達風紀と、生徒会は授業が免除されるはずだ。」

「でもその代わりぃ、成績を維持しとかないといけないんだぁ~。」

「明日はうるさいかもしれないので耳栓を用意しておいたほうがいいですよ。」

 みんな優しい。あれっ、そういえば久しぶりってなんだろ?こんなこと前にあったっけ?
 なんだろ。思い出せない。あの人の名前は…あれ?だめだ、思い出さないとだめな気がする。

(なんか翠の様子がおかしい。えっ、顔がだんだん青く)

「…ぃ…すい…翠‼︎」

 はっ

《どうしたの?》

「どうしたのって、すい…いやなんでもないよ。」

 にぃに変だなぁ。あれ?何考えてたんだっけ?まぁいっかぁ。

「では、そろそろ寮に帰ったほうが良さそうですね。」

 ほんとだ!もう少しで授業が終わる‼︎

「じゃあ明日朝8時にここへきてください。」

《はい。》

「蓮さんはちょっと残ってもらえますか?」

 会長さん、にぃにに用事があるのかな?

《怜、先行こう。》

「うん。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「蓮さん、蓮さんの弟って11年前にされたんじゃなかったのか?」

「あぁ、誘拐されてたんだが…やっと見つけたんだ。」

「じゃあ、話せないのは~…」

「何か精神的ダメージを負っているらしい。それを治すために、この学園に入学させたんだ。
 だからお前ら、全力で翠を守れ。そして楽しく生活できるように…」

「分かってます。」

「それと、翠は記憶がないんだ。だからこのことは絶対言うなよ。」

「「「「「「「はい。(は~い)」」」」」」」




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