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第五章 残酷な世界

239 見え隠れ

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 薄々だったけれど私はそれに気付いていた。

 それを私は気付かないフリをして逃げていた。

 だって優しい穏やかなエディが好きだから。

 ……エディの本当の性格はあまり穏やかじゃない、ただ私の事を本当に大切にしていてくれて、怖がらせないようにそう装ってくれていると知っていた。

 だって最初エディはわざわざオネェ言葉まで使って私が警戒しないように、怖がらないように、接しやすいようにしてくれていたから。

 きっと私と一緒で処世術で特大の猫を被って生きてるんだろうなって、思ってた。

 初めてそれに気付いたのは私から離れて行ってしまったエディに、一目どうしても会いたくて王城の騎士練習場に忍び込んだ時。

 その時に垣間見たエディは私の知っている穏やかなエディじゃなくて、怒声を吐いて騎士達を徹底的に立ち上がれないほど訓練していた。

 その次に本当のエディの姿を垣間見たのは、私の十八歳の誕生日の時で。

 何を今からされるかなんて知らない私を有無を言わさず家に連れ込んで、寝台に雑に投げて押し倒したエディは今と同じで肉食の獣のようだった。

 それに私はリゼッタに聞いていた。

『エディ坊っちゃんにだけには本当に気をつけて下さいませ、……カレンお嬢様に普段見せているあの姿は取り繕われてるだけでございますので』

 確かにエディは取り繕ってた。

 最近だとやっぱり記憶を失っている間だろうか?

 エディは私を寝台に組み伏せて。

 『恋人だったならいいだろう?』

 『とりあえず抱いていい?』

 とか言って、同意無く私を抱こうとしやがった。

 ……こいつも実は結構大概だった!

 ……いや、でも……うん。

 そこは惚れた弱みだから? 

 それはまあ、許してやらんでもないが。

 でも……縛るとか言うのは、それはちょっと。

 違うんじゃなかろうか?

 驚き過ぎて震えが止まったぞ……?
 
「し……縛る?」

「俺に抱かれてカレンが可愛い声出してるのにさ、その手が邪魔するんだよな、だから縛っていい?」
 
「え、それ、いいよって私が言うと本気で思ってる?!  そんなこと言うわけないよね?」

「……俺の好きにしていいんだろ? だからまあ……カレンさっさと手を、……出せ?」

 縛るとか物騒な事を言われてハイソウデスカって私が大人しく言うことを聞くと思っているのか?!

「えっ、いや……でも……!」

 素早く手を掴まれて、エディは自分の騎士服のネクタイをさっと外し、私の両手をそれで縛ってリボン結びに器用にしてくる。

 騎士服をこんな事に使っていいのか騎士団長よ。

「ん、縛られてる姿も可愛いな」

「うわ、ほんとに縛りやがった……?!」

「じゃあ……続き……しようか?」

 軽く指でトンッ……と、押されて。

 私は寝台にまた転がされた。

「え、ちょ……まって……? これ、なんか変だよ?」

「そうか? すげえいい眺めだけどな?」

 これのどこがいい眺めなのかと、エディに聞こうとしたらキスで口を塞がれた。

 矢継ぎ早に唇を割り侵入してくる舌にまた翻弄されていると、エディの手が秘部にのびる。

 その長い指で秘部を卑猥な水音を響かせながら撫でられて、久々の感覚に身体がビクビクと跳ねる。

「ッん……ぁあ、ん……!」

「ああ、すげえトロトロに濡れてる。……少し触れただけなのにこんなに蜜が溢れだして、俺を誘ってくる」

「っや、そん、な……んん、感想いらなっ……! あっ……だめ、擦らな……い……やっ、ん……」 

「……指でするの嫌か、じゃあ」

 私の上に覆い被さっていたエディは足元に移動して、着ていた騎士服を脱ぎ始めた。

 何度もその身体を見たはずなのに色気駄々漏れのこの美形は、肉体まで美しい。

 無駄なものが削ぎ落とされたその肉体は、剣を振るう為の実用的な筋肉で美しく整っていた。

 厚い胸板に割れた腹筋、騎士服を着ていると着痩せするのか一見細身なのに脱いだら凄い。

 と、のんびりとその肉体美を観察し、いい身体だなとその美しさに惚けていると足を大きく広げられて恥ずかしい場所を丸見えにされた。

「っあ、やだ、エディ、見ないで」

「……ん? いやもう何度も見たし、お前が気を失ってる間じっくりここも見ながら丁寧に洗ったけど? 相変わらずここもぴんく色で俺好み、ここも小さくて可愛らしいぞ? お前の色素どうなってんだろうな?」

「だから感想いらなっ……ん……っああぁ!」

 恥ずかしいからそんなに見るなとエディに文句を垂れてたら、その整ったお顔を私の秘部に寄せてペロリと舐めてきた。

「ほんと……敏感で感じやすいな」

 何度見られても恥ずかしいものは恥ずかしいのだと言いたいし、人が気を失ってる間に何をじっくり見ているのかと文句が言いたいのに。

 与えられる刺激でそれどころじゃない。

 それにもう男が怖いとかいう余裕がない。

 エディの熱い舌が撫でるようにして秘部の割れ目を刺激してきたかと思えば、一番良い所を念入りにとても丁寧にちろちろと舐められて。

「っああぁ……エディっダメ……、それ、やっ……いっ……ちゃ……う、んんっ!」

 与えられる逃れようのない甘い快楽に身体の力が抜けてビクビクと痙攣する私をエディが抱きしめる。

「……ん、可愛い……堪らないな……」

「エデぃ……」

「なあカレン……? もっと気持ちよくしていい?」

「え……?」

「魔力……染めて、いい?」

「……いいけど……どうして……」

「……本当に?」

 私が魔法を使えるようにする時と、魔力暴走を落ち着かせる為に行った魔力循環は本来は性行為をする前に行うものだも以前エディが言っていた。

 その魔力循環は自分の魔力で相手を染めて自分用にするとか言っていたけどそういや私、エディに一度も行為の時にされてない。
 
「え、あ……うん?」

「……カレンお前は一度、魔法勉強したほうがいいぞ? ……魔力、染めてからヤッたら、もうその相手の子しか孕めなくなるんだよ? 知らないだろ?」

「……エディしかいらないから、いいよ?」

「……っこれでも我慢してんだから……煽んな馬鹿」
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