【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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~杉崎~

その後

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その後は…

沙織の予想した通りだった…。

俺には何一つ、抵抗など出来なかった。
…自宅で襲われた、などと…誰かに主張すら、出来なかった。

そもそも、後先考えずに全力で行けば、抵抗できたのかもしれない… 
その考えが、頭を離れなかったのも事実だ。


翌日の午後、

「修哉、ただいま~ 留守番ありがとう、すごく楽しかったわ…私エステなんて、何十年ぶりだったかしら…」
母の、久々に見るような、生き生きとした笑顔。

「お兄ちゃん、すごく楽しかったよ~~私、ケーキ10個くらい食べたよ…さすがに制覇は出来なかったけど、激ウマだった~~でもしばらくは、甘いケーキはいいかな…」
里奈の、弾けるような明るい笑顔…少し太ったように見えたけど、それは敢えて言わなかった。 

「そっか… 楽しかったなら、良かったね…」
なんとかそう…顔に、作られたような笑顔を張り付けて答えるのがやっとだった…。



俺は…結局、

あの日に起きたことを、旅行先から本当に楽しそうに帰って来た母にも妹にも…
出張から戻った気難しい父親にも話せず…

ただ… ただ、一人で…その事実を抱えたまま、時を過ごした。


友人にも話せず… 学校の先生に相談なんでできるはずもなく…
本当に、誰にも話せないまま…  
俺は表面上、何事もなかったように過ごした…普通に過ごすのに、必死だった…

多分…俺が沙織にされたことは、普通じゃない…

俺と沙織は前提として、好きだと言い合っている恋人同士ではない… 
しかも俺は未成年の学生…沙織は成人…

恐らく、 俺が声を上げれば、多分、犯罪にあたる… 

     
       でも… 俺は…結果的に…


         普通の高校生男子…

    『普通』を演じることに…必死になった。









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