上 下
223 / 538
~二人~

しおりを挟む
月曜日

給湯室でいつものように珈琲をセットしていると、背後から聞きなれた低い声がする。

「おはよう、水無月さん。今日も早いね。」

杉崎さんがニコリと微笑んで、私に挨拶をしてくれる。

「おはようございます。杉崎さん…土曜日はすみませんでした…また、同席させていただいて…。」

拓海が4人で飲みましょうと…そのように声をかけた…せいで、
また、微妙な空気が流れる飲み会となってしまった…そのことについては本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった…。

「いや全然…大丈夫だよ…でも…さ…、あの時…っていうか、あの後…」
 杉崎さんが何か、私に言いかけようとしたその時、

「あーー!杉崎さん、ここにいた~~ もう~~…、聞いてくださいよ~~…」

廊下の向こうで、人事部の細野さんがひらひらしたピンクのスカートの裾をなびかせながら、杉崎さんをやっと見つけたとばかりに、ズンズンと勢いよくこちらに向かってくる…。

「あ…っと、ごめん…また、今度…話す、ね…」
そう言って、杉崎さんはすぐに、自分から細野さんの方へ向かって歩いて行ってしまった…。

…杉崎さんは、私に何を言おうとしたのだろう…。

続きが気にはなったが、もしかしたら職場で…
こんな誰かに聞かれるかもしれないような場所で、話せることでもないのかもしれない…

そう納得をして、私は珈琲を抽出した後、静かにデスクに戻った…。

まだ始業時間まで15分程ある…

主任と石田さんの出勤もまだなので…一人、珈琲を片手に土曜日のことをぼうっと思い返す…。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

処理中です...