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〜互いの意識〜
自覚
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「じゃ…乾杯…!」
杉崎さんと、スパークリングワインで乾杯する。
「無事に旅館の予約もできたし、バスとか色々手配も済んでほっとしたよ…水無月さん、色々手伝ってくれてありがとう、水無月さんがいてくれて、ほんと助かったよ…」
杉崎さんがにこやかに私にそう、言ってくれる。
「いえ…私はただ、杉崎さんから言われた通りに動いただけで、自分では何ひとつ出来てません…杉崎さんこそ、お一人で色々考えられていて、大変だったでしょう?本当にお疲れ様でした。」
「いやいや…っていうか、なんか変だね。この挨拶のしあいっこ…しかも社員旅行はまだ終わっていないのに、終わったような感覚…。
でも正直、半分は終わった気分だよ…旅館について温泉に入って宴会になったら、皆酔っぱらうし、あとはもう終了。翌日会計さえ済ませたら、晴れて自由の身だ…」
ふう…杉崎さんは肩の荷が半分は降りたのか、スパークリングワインを一気に飲み干す。
「うん…美味しい…。実はさ、今日…旅行の最終打ち合わせだとかなんとか言って、君を誘ったけど…本当のところは、俺…」
杉崎さんが言葉を切って、空になったグラスを卓上に置く。
「俺…水無月さんと久しぶりに二人で食事に行きたかったんだ…ごめんね。変な誘い方して…四人で行ったあの日以来、なんだか少し気まずいっていうか誘いづらくて、ずっと我慢してた。
でももうそろそろ、本当に水無月さんとご飯行きたいなって思ってさ…」
…なんて返事をしたら良いのかわからないほどに、私は杉崎さんの言葉に驚いた…。
まるで、私と同じだ…。
私も何度、杉崎さんと前みたいに食事に行っておしゃべりしたいと思ったことか…でも、私も色々考えてしまい、誘うことができずにいた。
「そう…でしたか…実は私も、杉崎さんと行きたかったです。正直、我慢してました…だから、嬉しい…今日はお誘いいただき、ありがとうございます。」
本音が言えた。
杉崎さんと一緒にいると、私は心地良いのだ…
いつまででも、二人でお喋りしていたくなる。
一緒に食事するのも楽しいし…カラオケだってまた、何度でも行きたい…。
カフェだって…温泉にだって…
もちろん、その細かな心の内は一言も口には出さず、誘われて嬉しい気持ちだけはきちんと伝えた。
杉崎さんはにっこりと微笑み、私に告げる。
「それならよかった…水無月さんもそんな風に思ってくれていたなら、俺は今回思いきって声を掛けてみて良かったよ。」
気付けば、綺麗に盛られた前菜の盛り合わせとサラダが、卓上に出されていた。
「さ…色々出てきてる、美味しそうだ…今日はゆっくり食事しよう…」
私と杉崎さんは目と目を合わせ、お互いに微笑み、フォークを手にする。
もうだめだ…
私にとって杉崎さんは…どんな存在…
先輩…?
それとも、歳の離れた、頼れる兄のような存在…?
きっと違う…
もう…段々と、私は自分の気持ちを抑えられなくなりそうな…
そんな気が、し始めていた…。
私はため息ともつかぬ吐息を漏らしながら、
綺麗に盛り付けられたサラダ菜を、口に運んだ。
杉崎さんと、スパークリングワインで乾杯する。
「無事に旅館の予約もできたし、バスとか色々手配も済んでほっとしたよ…水無月さん、色々手伝ってくれてありがとう、水無月さんがいてくれて、ほんと助かったよ…」
杉崎さんがにこやかに私にそう、言ってくれる。
「いえ…私はただ、杉崎さんから言われた通りに動いただけで、自分では何ひとつ出来てません…杉崎さんこそ、お一人で色々考えられていて、大変だったでしょう?本当にお疲れ様でした。」
「いやいや…っていうか、なんか変だね。この挨拶のしあいっこ…しかも社員旅行はまだ終わっていないのに、終わったような感覚…。
でも正直、半分は終わった気分だよ…旅館について温泉に入って宴会になったら、皆酔っぱらうし、あとはもう終了。翌日会計さえ済ませたら、晴れて自由の身だ…」
ふう…杉崎さんは肩の荷が半分は降りたのか、スパークリングワインを一気に飲み干す。
「うん…美味しい…。実はさ、今日…旅行の最終打ち合わせだとかなんとか言って、君を誘ったけど…本当のところは、俺…」
杉崎さんが言葉を切って、空になったグラスを卓上に置く。
「俺…水無月さんと久しぶりに二人で食事に行きたかったんだ…ごめんね。変な誘い方して…四人で行ったあの日以来、なんだか少し気まずいっていうか誘いづらくて、ずっと我慢してた。
でももうそろそろ、本当に水無月さんとご飯行きたいなって思ってさ…」
…なんて返事をしたら良いのかわからないほどに、私は杉崎さんの言葉に驚いた…。
まるで、私と同じだ…。
私も何度、杉崎さんと前みたいに食事に行っておしゃべりしたいと思ったことか…でも、私も色々考えてしまい、誘うことができずにいた。
「そう…でしたか…実は私も、杉崎さんと行きたかったです。正直、我慢してました…だから、嬉しい…今日はお誘いいただき、ありがとうございます。」
本音が言えた。
杉崎さんと一緒にいると、私は心地良いのだ…
いつまででも、二人でお喋りしていたくなる。
一緒に食事するのも楽しいし…カラオケだってまた、何度でも行きたい…。
カフェだって…温泉にだって…
もちろん、その細かな心の内は一言も口には出さず、誘われて嬉しい気持ちだけはきちんと伝えた。
杉崎さんはにっこりと微笑み、私に告げる。
「それならよかった…水無月さんもそんな風に思ってくれていたなら、俺は今回思いきって声を掛けてみて良かったよ。」
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「さ…色々出てきてる、美味しそうだ…今日はゆっくり食事しよう…」
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もうだめだ…
私にとって杉崎さんは…どんな存在…
先輩…?
それとも、歳の離れた、頼れる兄のような存在…?
きっと違う…
もう…段々と、私は自分の気持ちを抑えられなくなりそうな…
そんな気が、し始めていた…。
私はため息ともつかぬ吐息を漏らしながら、
綺麗に盛り付けられたサラダ菜を、口に運んだ。
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