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〜互いの意識〜
探り合い
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「それにしても…」杉崎さんが口を開く。
「あの後…水無月さん、大丈夫だった…?」
杉崎さんのいうあの後とは、焼鳥屋での4人での食事の後…のことだろう。
「あの日、ですよね…はい、全然大丈夫でした。私は少し前に拓海には一応、杉崎さんと週末下見に行ったことを伝えていましたし…」
私はフォークを置いて、杉崎さんを見る。
「それより、杉崎さんの方は大丈夫でしたか…?林さんは知らなかったように見えたので、ちょっと心配でした…。
あの後、お二人が喧嘩とか…杉崎さんが林さんに怒られたりしてないか…なんて、考えちゃって…でも、職場でそんなこと、聞けないので…」
これは本当に私が気になっていたことだったので、この状況を利用して聞いてみる。
「いやいや…そんなことはないよ。彼女は大人だし、あれくらいのことで、いちいちとやかくいうタイプの女性ではないからね…こっちは大丈夫…。」杉崎さんが一旦言葉を切る。
「…むしろ、水無月さんの彼氏の方が、俺は心配だったな…。あの後、水無月さん…大丈夫だったかな…ってさ…いや、変な意味じゃなくてね…ごめん、そんなこと言ったら失礼だね…」
…あの四人での飲み会の後は拓海は意外にもすぐ寝てしまい、大丈夫ではあった。
…むしろ、そこに行く前…拓海に聞かれるままに、杉崎さんと一緒に下見に行ったことを告げた直後の方が…拓海は…いつもよりかなり情熱的に激しく、私を抱いた…
もう嫌だと私が言っても…何度も、何度も…普段はしない行為を…私が嫌だと言ってもやめてくれずに……
私の身体の熱が…体温が…思わず、高くなってくる…ような気がする…。
杉崎さんのいる前で…何を思い出してるんだろうと反省する。
ひょっとしたら、顔も赤くなっているかもしれない…。
「あ…もしかしてやっぱり、…何か…あった…?喧嘩でもした…かな…?それだと、すごく申し訳ないな…」
杉崎さんがショックを受けたように項垂れる。
私は慌てて「いえ、全然…なんにも問題はないですよ…喧嘩なんてしていませんし、私たちは付き合いも長いですし全然大丈夫です、安心してください。」
…あの日はいつもより激しく…抱かれただけです…とは、もちろん言えない…。
それにしてもお互いに、まるで、探り合うかのような時間…
それぞれに恋人がいるから当然なのかもしれないけど…少し、寂しい気持ちがしてくる。
「そっか…なら良かった…でも、本当は俺、…すごく楽しかったんだよね…水無月さんとの下見…水無月さんの彼氏と智花に怒られるから、もちろんあの場ではそんなこと言わないけどね…不謹慎かな…」
そう言って、悪戯っ子のように笑う杉崎さん…。
「…実は、私も…なんです…不謹慎、でしょうか…」私も笑ってみせた。
杉崎さんは続ける。
「本当に…?ありがとう…でも、あの…あんな形で君の…その…見てしまったのは、本当に申し訳なかった…あれだけはすごく、反省してる…ごめんね」
私の体温が、再び一気に上がる。その話をされると…私も謝らざるを得なくなる…。
「そんなこと…私だって、…杉崎さんに…変なこと言っちゃいましたし…見せてとか…だからおあいこですよ…」
「… そう…かな… そう言ってもらえると…少し救われる…」
「あの日はお互い様でしたよ、本当に…だからもう…私も気にしません。」
私はきっぱりと言う。
私と杉崎さんは色々な話をしながら、その後ゆっくりと食事を楽しんだ。
本当に楽しいひと時…このまま、時間が…止まってしまえばいい…もっと一緒にいたい…
溢れ出そうになる感情をなんとか抑えながら、
私は限りある、残り少ない杉崎さんとの時間を楽しんだ
「あの後…水無月さん、大丈夫だった…?」
杉崎さんのいうあの後とは、焼鳥屋での4人での食事の後…のことだろう。
「あの日、ですよね…はい、全然大丈夫でした。私は少し前に拓海には一応、杉崎さんと週末下見に行ったことを伝えていましたし…」
私はフォークを置いて、杉崎さんを見る。
「それより、杉崎さんの方は大丈夫でしたか…?林さんは知らなかったように見えたので、ちょっと心配でした…。
あの後、お二人が喧嘩とか…杉崎さんが林さんに怒られたりしてないか…なんて、考えちゃって…でも、職場でそんなこと、聞けないので…」
これは本当に私が気になっていたことだったので、この状況を利用して聞いてみる。
「いやいや…そんなことはないよ。彼女は大人だし、あれくらいのことで、いちいちとやかくいうタイプの女性ではないからね…こっちは大丈夫…。」杉崎さんが一旦言葉を切る。
「…むしろ、水無月さんの彼氏の方が、俺は心配だったな…。あの後、水無月さん…大丈夫だったかな…ってさ…いや、変な意味じゃなくてね…ごめん、そんなこと言ったら失礼だね…」
…あの四人での飲み会の後は拓海は意外にもすぐ寝てしまい、大丈夫ではあった。
…むしろ、そこに行く前…拓海に聞かれるままに、杉崎さんと一緒に下見に行ったことを告げた直後の方が…拓海は…いつもよりかなり情熱的に激しく、私を抱いた…
もう嫌だと私が言っても…何度も、何度も…普段はしない行為を…私が嫌だと言ってもやめてくれずに……
私の身体の熱が…体温が…思わず、高くなってくる…ような気がする…。
杉崎さんのいる前で…何を思い出してるんだろうと反省する。
ひょっとしたら、顔も赤くなっているかもしれない…。
「あ…もしかしてやっぱり、…何か…あった…?喧嘩でもした…かな…?それだと、すごく申し訳ないな…」
杉崎さんがショックを受けたように項垂れる。
私は慌てて「いえ、全然…なんにも問題はないですよ…喧嘩なんてしていませんし、私たちは付き合いも長いですし全然大丈夫です、安心してください。」
…あの日はいつもより激しく…抱かれただけです…とは、もちろん言えない…。
それにしてもお互いに、まるで、探り合うかのような時間…
それぞれに恋人がいるから当然なのかもしれないけど…少し、寂しい気持ちがしてくる。
「そっか…なら良かった…でも、本当は俺、…すごく楽しかったんだよね…水無月さんとの下見…水無月さんの彼氏と智花に怒られるから、もちろんあの場ではそんなこと言わないけどね…不謹慎かな…」
そう言って、悪戯っ子のように笑う杉崎さん…。
「…実は、私も…なんです…不謹慎、でしょうか…」私も笑ってみせた。
杉崎さんは続ける。
「本当に…?ありがとう…でも、あの…あんな形で君の…その…見てしまったのは、本当に申し訳なかった…あれだけはすごく、反省してる…ごめんね」
私の体温が、再び一気に上がる。その話をされると…私も謝らざるを得なくなる…。
「そんなこと…私だって、…杉崎さんに…変なこと言っちゃいましたし…見せてとか…だからおあいこですよ…」
「… そう…かな… そう言ってもらえると…少し救われる…」
「あの日はお互い様でしたよ、本当に…だからもう…私も気にしません。」
私はきっぱりと言う。
私と杉崎さんは色々な話をしながら、その後ゆっくりと食事を楽しんだ。
本当に楽しいひと時…このまま、時間が…止まってしまえばいい…もっと一緒にいたい…
溢れ出そうになる感情をなんとか抑えながら、
私は限りある、残り少ない杉崎さんとの時間を楽しんだ
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