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~日常~
余裕
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「… … …」
「… … …」
まだ、靴を脱ぐ前…
私は背後から杉崎さんに抱き締められたまま、その場で固まる…。
逞しく…長い腕が私の身体を抱きすくめるようにしていて、胸が苦しい…
後ろを振り向きたいのに、なぜだか振り向けない…。
背中に、温かな…杉崎さんの体温を感じる…
私の背に触れる胸板が逞しくて、胸が熱くなる…。
次第になんともいえない嬉しさが込み上げる。
ここには、もう誰もいない…
人目を気にしなくて良い場所…
誰にも見られない二人だけの空間…
もはや、気持ちを抑え込む必要がない…。
私もしたかった…杉崎さんに触れたかった…
お酒を飲んで、たわいもない話をして笑いながら…
杉崎さんと話しながら…途中、何度も触れたいと思った。
梅酒のグラスを持つ手が綺麗で… 男性なのに、指が長くて綺麗で…
気持ちが溢れすぎて…好きだと思うと、それだけで苦しくて…
ああ… 今も… 今の方がもっと、苦しい…
「… 杉…崎さ… 」
「… いきなり、ごめんね… 余裕… ないな、俺… …」
ぎゅうと、更に強い力で抱き締められる…。
抱きしめた反動で、杉崎さんの腕が私のささやかな胸に触れた瞬間…びくんと震える…
心の奥底ではもっと触れてと、叫び出したくなりそうになるのをなんとか抑える…。
「 …いえ… 私…も… 」
杉崎さんの息がかかりそうなほどに、距離が近い…
駄目だ…それ以上近付かれると、おかしくなる…
「… 私も、余裕なんて、ない…です… こう…したかった、ので… 」
「… っ … 」
杉崎さんが背後で、息を飲むのがわかった…。
拒否なんてしない…
杉崎さんが好きなのだから…杉崎さんがしたいことをなんでも受け入れたい…。
ううん、違う…もはや私が…能動的に動きたいほど…
もう、隠せない…
どうしようもなく、感情が溢れてしまいそうだ…。
「あっ… 」
私の受け入れの言葉を口にした途端ぐるんと身体を裏返され、ほんの少し身体が揺れたが、すぐに杉崎さんの腕が伸びてきて、今度は正面から支えられる…。
真っすぐに見下ろしてくる杉崎さんの瞳が怖いほどに綺麗で、同時に、少しだけ怖くて…視線を外すことができない…。
「…キス、するよ…いい…?」
いつも律義な杉崎さんが…
やっぱり律義に…紳士な態度で、そんな質問をしてくる…。
その言葉に、思わずクスリと笑ってしまう…。
「… いいに、決まってます… 」
そのままではとても恥ずかしいので、顔をほんの少しだけ上げて、ゆっくり目を閉じる……。
杉崎さんの両手が私の頬を優しく包み込んだ直後、「んっ … 」
杉崎さんの温かな唇が私の唇を塞いで、
私は途端に、息ができなくなった…。
「… … …」
まだ、靴を脱ぐ前…
私は背後から杉崎さんに抱き締められたまま、その場で固まる…。
逞しく…長い腕が私の身体を抱きすくめるようにしていて、胸が苦しい…
後ろを振り向きたいのに、なぜだか振り向けない…。
背中に、温かな…杉崎さんの体温を感じる…
私の背に触れる胸板が逞しくて、胸が熱くなる…。
次第になんともいえない嬉しさが込み上げる。
ここには、もう誰もいない…
人目を気にしなくて良い場所…
誰にも見られない二人だけの空間…
もはや、気持ちを抑え込む必要がない…。
私もしたかった…杉崎さんに触れたかった…
お酒を飲んで、たわいもない話をして笑いながら…
杉崎さんと話しながら…途中、何度も触れたいと思った。
梅酒のグラスを持つ手が綺麗で… 男性なのに、指が長くて綺麗で…
気持ちが溢れすぎて…好きだと思うと、それだけで苦しくて…
ああ… 今も… 今の方がもっと、苦しい…
「… 杉…崎さ… 」
「… いきなり、ごめんね… 余裕… ないな、俺… …」
ぎゅうと、更に強い力で抱き締められる…。
抱きしめた反動で、杉崎さんの腕が私のささやかな胸に触れた瞬間…びくんと震える…
心の奥底ではもっと触れてと、叫び出したくなりそうになるのをなんとか抑える…。
「 …いえ… 私…も… 」
杉崎さんの息がかかりそうなほどに、距離が近い…
駄目だ…それ以上近付かれると、おかしくなる…
「… 私も、余裕なんて、ない…です… こう…したかった、ので… 」
「… っ … 」
杉崎さんが背後で、息を飲むのがわかった…。
拒否なんてしない…
杉崎さんが好きなのだから…杉崎さんがしたいことをなんでも受け入れたい…。
ううん、違う…もはや私が…能動的に動きたいほど…
もう、隠せない…
どうしようもなく、感情が溢れてしまいそうだ…。
「あっ… 」
私の受け入れの言葉を口にした途端ぐるんと身体を裏返され、ほんの少し身体が揺れたが、すぐに杉崎さんの腕が伸びてきて、今度は正面から支えられる…。
真っすぐに見下ろしてくる杉崎さんの瞳が怖いほどに綺麗で、同時に、少しだけ怖くて…視線を外すことができない…。
「…キス、するよ…いい…?」
いつも律義な杉崎さんが…
やっぱり律義に…紳士な態度で、そんな質問をしてくる…。
その言葉に、思わずクスリと笑ってしまう…。
「… いいに、決まってます… 」
そのままではとても恥ずかしいので、顔をほんの少しだけ上げて、ゆっくり目を閉じる……。
杉崎さんの両手が私の頬を優しく包み込んだ直後、「んっ … 」
杉崎さんの温かな唇が私の唇を塞いで、
私は途端に、息ができなくなった…。
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