私を追い出した結果、飼っていた聖獣は誰にも懐かないようです

天宮有

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第31話

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 冒険者の中でもジークは動物やモンスターのことに詳しくて、ヨハンは犯罪者や敵の集団に詳しいようだ。

 今までこの国で起きている大地の主絡みの出来事は、人為的なものだとヨハンは考えているらしい。

「ジークに調べて欲しいと頼まれてやって来ましたけど……人によるものなら、狙いは聖獣リオウかもしれません」

『私ですか?』

 ヨハンの発言にリオウが鳴き声を出すと、ジークが頷く。

「リオウが関わっていそうだから、ヨハンには聖獣リオウの分身体だと話している……聖獣を捕獲する集団が存在しているのだが、そいつらは大地の主の真似事ができるらしい」

 そんな人達がいるようで、聖獣でも別格のリオウは狙われたのかもしれない。

 ジークはそこまで詳しくないようで、ヨハンが説明する。

「奴等は捕獲隊と呼ばれていて……大地の主を装い周囲のモンスターを強化して、対処の為に動いた冒険者達を倒して国から聖獣を増援に出させ、そこを捕らえる盗賊集団です」

 捕獲隊は様々な国で被害を出しているようで、聖獣に対抗できる力を持っているようだ。

 ヨハンは何度か、捕獲隊と戦ったことがあるらしい。

「僕の強さは犯罪者達の中ではかなり有名なので、捕獲隊は即座に撤収していましたけど……恐らくこの国に来ている捕獲隊の狙いは大物のリオウですから、私が来たとしても逃げるとは思えません」

 ヨハンは冒険者の中ではジークに並ぶ強さで、冒険者でも最上位らしい。

 そんなヨハンがリオウを守るため協力してくれることに、私は安堵していた。
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