私が張っている結界など存在しないと言われたから、消えることにしました

天宮有

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第1話

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 私エルノアは、ルドレスト子爵家の令嬢だ。
 12歳の時に国を守る結界を張る役目を言い渡され、生活が一気に変わることとなる。

 城で生活することとなり、第二王子ロスラ様が婚約者になっていた。
 妬む人達も多かったけど、結界を張る役目を言い渡されたのはそこまで重要のようだ。

 そう考えていたけど――4年が経ち、16歳になったある日、私は城内の玉座がある部屋に呼び出されていた。
 周囲には私を見下す貴族達の姿が見えて、何かあったのかが気になってしまう。
 
 困惑している私の前に婚約者ドスラ・エリオース第二王子がいて、大声で宣言する。

「魔法の扱えない奴を婚約者にしたくはない――エルノアとの婚約を破棄する!」

 いきなり婚約破棄を宣言してきたことに、私は驚くしかない。

 まず魔法が使えないのは、この国を守る結界を張っているからだ。
 結界の力が弱まったから先代の人が破棄することとなり、魔法協会の人に選ばれた私が新たに結界を張った。
 
 ドスラ王子は、結界を張る代償が存在しないかのように叫んだ。
 そこが理解できないでいると……エリオース王と、第一王子が周囲に対して話す。

「国土の魔力を調査をした結果、結界など存在していないことが判明した」

「ふん……今まで伝統に従っていたが、無能な子爵令嬢を養っているだけで評判が落ちている。エルノアは今すぐに城から出て行け!!」
 
 私が張っている結界など存在しないと言い出し、城から追い出そうとしてきた。
 
 結界の力で人が集まっている場所は平和になっているけど、その力が存在していない?
 流石にその発言は無理があるから、私は口を出すしかない。

「陛下……私を無能だと言いましたけど、結界を張っている代償によるものです」

「その結界が存在していなかったと言っているだろう! 我が息子達の調査が嘘だと言うつもりか!」

 陛下が叫び、ドスラ王子も賛同するように叫ぶ。

「不届きな奴だ……やはり俺の婚約者はフィオナが相応しい! さっさと城から出て行け!」

 フィオナ様は公爵令嬢で、魔法の成績は十代でも間違いなくトップクラスだと聞いている。
 どうやらフィオナ様と婚約したいから、結界は存在していないことにしたいようだ。

 結界は見えない力で、調査をしても無意味だと思っている。
 今まで平和だったから、結界の存在は魔法教会が勝手に言っているだけだと考えていそう。

 私が何を言っても一切聞く耳を持たないのなら 城から出て行くしかない。
 念の為に……私は陛下、そしてドスラ王子に確認しておく。

「かしこまりました。結界が存在していないのなら、結界を破棄してもよろしいですね」

「意味がわからんぞ。結界など存在しないのだから、破棄も何もないだろう」

「念の為に発言を録音させてください――私は今より結界を破棄します。よろしいですね」

「好きにしろ! 結界など存在していないのだからな!!」

 発言を魔法道具で録音して……言質をとることに成功したから、私に非はない。
 私を結界を張る者に選んだ魔法協会が何か言ってきても、王家が悪いという証拠になるし証人もいる。

「かしこまりました……今まで、ありがとうございました」

「礼などいい、さっさと消えよ!」

 結界に関する魔法以外で魔力を扱うことができなかった私は、言われた通り張っていた結界を破棄する。

 私の体内には膨大な魔力があって、結界を張ってから魔法が使えかったけど……これで自由だ。

 これから私はルドレスト家に帰り、元の日常に戻るつもりだった。
 そう考えていたけど――この後、私は家族から勘当を言い渡されてしまう。

 そして――王家と家族の行動によって、この国は滅びることとなっていた。
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