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第2話
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国を守っていた結界を破棄して、馬車に乗り城を出て私の屋敷に向かっていた。
私はドスラ王子に婚約破棄を言い渡され、城からも追い出されている。
結界を破棄した効果が出るとすれば、数日後になるはずだ。
その際の王家の反応を見てから行動すればいいと、この時の私は考えている。
屋敷に帰宅すると――すぐさま、家族会議が行われようとしていた。
広い部屋にお兄様はいないけど家族が集まって、お父様とお母様が私を蔑みながら話す。
「魔法の扱えない無能な令嬢……貴様は家の恥だ」
「婚約破棄された女を置いておく気はないわ、もう二度とルドレスト家を名乗らないで」
「あの、今の私は魔法が使えます」
そう言って私が魔法を見せるけど、お父様とお母様の決意は変わらなかった。
屋敷に被害を出さないよう、手を魔法で光らせると……お父様とお母様は敵意を強める。
「魔法が使えるようだが……もう決めたことだ」
「王家を敵に回したくないから結界は存在しないし、貴方は魔法が使えないのよ!」
そして私を勘当することで、王家は結界が存在せず騙して生活した者を処罰したことにするようだ。
本当に結界は魔法教会が支援させるための口実だと思っているようで、平和な年月が長かったからそう思い込んでいそう。
「そうですか……わかりました」
王家の指示を聞き、私を勘当させる決意は何を言っても変わらなさそう。
そんな家にはいたくないから、私は勘当を受け入れることができていた。
■◇■◇■◇■◇■
私は勘当を言い渡されて、屋敷から出ている。
常に無能だと蔑まれていたから、家を出ても大丈夫なように準備はしていた。
とにかく――この国から出ようと考えていた時、私の前に人影が見える。
私の前には剣を持ったお兄様、いいえ元お兄様ルアンが立ち塞がっていた。
家族会議の時にはいなかったけど……この場で私を待っていたのだろうか?
ルアンは明らかに敵意を剥き出しにしているから、警戒しつつ私は尋ねる。
「あの、何か用ですか?」
「この場で貴様の命を絶つ……それが、王家の命令だ」
結界が存在していないと考えた王家は、私の存在を消したかったようだ。
魔法が使えない子爵令嬢が4年間城で生活していたことが、そこまで汚点だと思っているのだろうか?
私を城から追い出し、勘当から命を奪おうとしてくるのは……何か理由があるのかもしれない。
もうこの国から出ようと考えているから、気にしなくてもよさそうだ。
「俺の人生の為にも、貴様の存在が邪魔だ!」
そう言ってルアンが叫びながら迫るけど、剣の間合いに私が入ることはない。
魔力を前方に飛ばしただけで――ルアンは吹き飛び、地面を何度も跳ねて意識を失いそうになっていた。
「ぐぅぅっ……なぜ、魔法が使える!?」
激痛に悶えながら尋ねるルアンに、私は話す。
「結界を張っていたから魔法が使えませんでしたけど、今は問題なく使えます」
これで考えを改めるだろうかと考えているけど、元兄ルアンは叫ぶ。
「ぐぅっ……認めない! もう二度と俺の、ルドレスト家に関わろうとするなよ!」
ルアンは私を斬ることを諦めたようだけど、嘘の報告をする為に私を追い出したいようだ。
仕留めることに失敗したとか、私が魔法を使えたとか報告するのは、王家の機嫌を損ねる可能性が高い。
それなら――消すことはできなかったけど、始末したと報告するのが一番だと考えている。
それが元兄ルアンの考えなら、私はそれで構わない。
「勘当を言い渡された時点でそのつもりですよ……さようなら」
私は倒れているルアンを見下ろしながら告げて、この場を後にする。
そして数日後――ルアンは、この選択を後悔することとなっていた。
私はドスラ王子に婚約破棄を言い渡され、城からも追い出されている。
結界を破棄した効果が出るとすれば、数日後になるはずだ。
その際の王家の反応を見てから行動すればいいと、この時の私は考えている。
屋敷に帰宅すると――すぐさま、家族会議が行われようとしていた。
広い部屋にお兄様はいないけど家族が集まって、お父様とお母様が私を蔑みながら話す。
「魔法の扱えない無能な令嬢……貴様は家の恥だ」
「婚約破棄された女を置いておく気はないわ、もう二度とルドレスト家を名乗らないで」
「あの、今の私は魔法が使えます」
そう言って私が魔法を見せるけど、お父様とお母様の決意は変わらなかった。
屋敷に被害を出さないよう、手を魔法で光らせると……お父様とお母様は敵意を強める。
「魔法が使えるようだが……もう決めたことだ」
「王家を敵に回したくないから結界は存在しないし、貴方は魔法が使えないのよ!」
そして私を勘当することで、王家は結界が存在せず騙して生活した者を処罰したことにするようだ。
本当に結界は魔法教会が支援させるための口実だと思っているようで、平和な年月が長かったからそう思い込んでいそう。
「そうですか……わかりました」
王家の指示を聞き、私を勘当させる決意は何を言っても変わらなさそう。
そんな家にはいたくないから、私は勘当を受け入れることができていた。
■◇■◇■◇■◇■
私は勘当を言い渡されて、屋敷から出ている。
常に無能だと蔑まれていたから、家を出ても大丈夫なように準備はしていた。
とにかく――この国から出ようと考えていた時、私の前に人影が見える。
私の前には剣を持ったお兄様、いいえ元お兄様ルアンが立ち塞がっていた。
家族会議の時にはいなかったけど……この場で私を待っていたのだろうか?
ルアンは明らかに敵意を剥き出しにしているから、警戒しつつ私は尋ねる。
「あの、何か用ですか?」
「この場で貴様の命を絶つ……それが、王家の命令だ」
結界が存在していないと考えた王家は、私の存在を消したかったようだ。
魔法が使えない子爵令嬢が4年間城で生活していたことが、そこまで汚点だと思っているのだろうか?
私を城から追い出し、勘当から命を奪おうとしてくるのは……何か理由があるのかもしれない。
もうこの国から出ようと考えているから、気にしなくてもよさそうだ。
「俺の人生の為にも、貴様の存在が邪魔だ!」
そう言ってルアンが叫びながら迫るけど、剣の間合いに私が入ることはない。
魔力を前方に飛ばしただけで――ルアンは吹き飛び、地面を何度も跳ねて意識を失いそうになっていた。
「ぐぅぅっ……なぜ、魔法が使える!?」
激痛に悶えながら尋ねるルアンに、私は話す。
「結界を張っていたから魔法が使えませんでしたけど、今は問題なく使えます」
これで考えを改めるだろうかと考えているけど、元兄ルアンは叫ぶ。
「ぐぅっ……認めない! もう二度と俺の、ルドレスト家に関わろうとするなよ!」
ルアンは私を斬ることを諦めたようだけど、嘘の報告をする為に私を追い出したいようだ。
仕留めることに失敗したとか、私が魔法を使えたとか報告するのは、王家の機嫌を損ねる可能性が高い。
それなら――消すことはできなかったけど、始末したと報告するのが一番だと考えている。
それが元兄ルアンの考えなら、私はそれで構わない。
「勘当を言い渡された時点でそのつもりですよ……さようなら」
私は倒れているルアンを見下ろしながら告げて、この場を後にする。
そして数日後――ルアンは、この選択を後悔することとなっていた。
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