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第4話

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 教室にグリンとジロアお兄様がやって来て、デュラドの発言を否定してくれた。

 試験で私が不正をしたとデュラドは言ったけど、魔法学園の先生は優秀な魔法使いだ。
 その人達に気付かれない方法をとれる人は、不正をする必要がない。
 教室の生徒達も、グリンの発言に納得していた。

 これで問題ないと、私は安堵する。
 それでも……ギレナは認めたくないようで、グリンに向かって叫ぶ。

「いいえ。マイア様は不正をしているに決まっています!」
「さっきも言ったが、何か証拠はあるのか?」
「グリン様はマイア様の力になろうとしている。それが証拠のようなものでしょう!」
「なっ……ギレナは何を言っている!?」

 ギレナの隣にいたデュラドが、発言を聞いて取り乱す。
 相手が公爵令息なのに、不正の証拠と言い出すとは思わなかったようだ。

 教室の人達も困惑しているようで、ギレナの話が続く。

「グリン様の実力なら、先生達に気付かれず不正をしてマイア様の試験結果をよくすることは可能です!」
「それはつまり、私がマイアのために不正をしたと言いたいのか?」
「ギレナよ、落ち着け!」
「私は冷静です! 今まで私より劣っていたマイア様が、私より優秀なわけありません!!」

 冷静と言いながら、ギレナは憤り叫んでいる。
 学年が違うのに私のために不正をして、証拠はグリンだから見つけられないと言い出す。
 そんなギレナを眺めて、グリンは呆れながら言う。

「ギレナは先月から今までの授業内容を思い出せ。マイアがギレナを追い抜いているのは間違いなくて、試験の結果によりそれが明確となっただけだ」
「それなら、今から私の方が上だと証明してみせます!」

 ギレナが叫び、私に対して魔法による攻撃を繰り出す。
 杖から火炎弾をギレナが放ったけど、私は手を火炎弾に向けて魔力を使うことで打ち消した。

 ――ギレナが魔法で攻撃して、私が魔力で防ぐ。
 授業や試験以外で許可なく魔法を使うことは禁止されているから、教室がざわめいている。
 そしてデュラドが、隣にいるギレナに対して叫ぶ。

「ギレナよ! お前は何をしている!?」
「そんな……どうして! 私の魔法をマイア様が防げるのよ!?」

 処罰されるからデュラドが焦り、ギレナは私に防がれたことが信じられないようだ。
 そんな2人に対して、グリンが話す。

「もしギレナがマイアより優秀なら、私が防いでいたが……私が何もしなかったのは、ギレナ程度の魔法ならマイアは防ぐと確信していたからだ」

 そう言いながら、ギレナに対して激怒しているジロアお兄様を、グリンは手で止めている。
 ギレナの行動は処罰されることになり、教室のいる人達が証人だ。

「魔法による攻撃は報告するとしよう……当然だが攻撃した理由も報告する。俺が不正をしたと、ギレナはよく言えたものだ」
「そんな!? マイア様より、私の方が優秀なのに……」

 教室で攻撃を防がれたのに、未だにギレナは私より劣っていると認めたくないようだ。

 今日の出来事を報告することで、ギレナと婚約者なのに止められなかったデュラドの評判は落ちていく。
 その後、ギレナは処罰されて――デュラドは、婚約したことを後悔しているようだ。
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