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第一章 最果ての街キッパゲルラ
ユーリ・ハリントンの帰還
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「エクスさん、よくぞ・・・よくぞ来てくださいました!!」
その顔面を鼻水塗れにしながら、ヘイニーがエクスへと駆け寄っていく。
「いえ、こちら方こそ。ヘイニー様、よくぞご無事で」
疲れ果てボロボロな彼とは対照的に返り血一つ浴びていないエクスは、彼の姿を目にすると深々と頭を下げ、その無事を祝っていた。
「はははっ、まぁ何とか・・・皆が頑張ってくれたお陰です」
エクスの称賛の言葉に、ヘイニーは照れ臭そうに頭を掻いている。
しかしそんな彼に対して向けられる視線は、決して彼がただの偶然でここに立っている訳ではない事を示していた。
それを感じ取ってか、エクスのヘイニーに向ける視線は、彼が彼女の主であるユーリの上司だからというだけではない、尊敬の色が覗いていた。
「それで、ユーリさんはどちらに?あの二人の姿もないようですが・・・?」
一人で現れたエクスに、彼女の主人であるユーリやいつも周りを走り回っているネロとプティの姿が見えないと尋ねるヘイニー。
「あぁ、あの二人ならば別の所へ救援に向かっています。マスターは―――」
ヘイニーの言葉にエクスはキッパゲルラへと振り返ると、そちらに二人が向かったと示している。
そして主人であるユーリについて触れた彼女は、チラリと上空へと視線を向けていた。
「そうだ、掛かれ掛かれ!!はははっ、馬鹿め!我らがやられたとて、お前達が半包囲にあるのは変わりないのだ!であれば、他の兵でそれを埋めればいいだけの話なのだ!はははははっ!!」
エクスの言葉を遮るように、彼女に地面へと叩き伏せられた騎兵部隊の隊長が声を上げる。
それまで敵軍は、彼が率いていた騎兵部隊がたった一人の少女に壊滅された事に呆気に取られ、思わずその行動までもを抑制してしまっていた。
しかし彼の言う通りこちらが今だ有利な状況である事を思い出した彼らは、壊滅した騎兵部隊の代わりにその後背を埋めようと、こちらへと殺到してきていた。
「しまった!?まだ戦闘は終わっていなかったんだ!くっ、一体どうすれば・・・」
「御心配には及びません、ヘイニー様」
迫る敵軍に、慌てるヘイニー。
エクスはそんな彼を制するように手を掲げると、一歩前へと進み出る。
「ふんっ、悪あがきを!先ほどは油断したがな、今度は・・・がっ!?」
「うるさい」
地面に横たわったまま、何やら得意げに喚き散らしている騎兵部隊の隊長を、エクスは剣の柄で叩いて黙らせる。
「ヘイニー様、危険ですので頭をお下げください」
「へ?エクスさん、何を・・・?」
迫る敵軍を見据えながら、エクスは静かにそう告げる。
ヘイニーはそれに首を傾げながらも、彼女の言う通り頭を下げ姿勢を低くしていた。
「「うおおおおぉぉぉ!!」」
この突撃が成功すれば、この戦いの勝敗は決まる。
その興奮に、兵士達は雄叫びを上げながら向かってくる。
「お前達は、手向かってはならない者に手向かった。それを知るがいい」
兵士達が巻き起こす、殺害と暴力の風。
それをそよ風のように受け止めその金色の髪を遊ばせるエクスは、目を見開くと両手を添えていた剣を地面から引き抜き、居合のように腰だめに構える。
「聖剣・・・スラーーーッシュ!!!」
そして彼女は放つ、その一撃を。
「・・・聖剣スラッシュ?」
彼女が口にした必殺技の名を耳にしたヘイニーは、その余りのダサさに思わず首を傾げてしまう。
そんな呟きが響いてしまうほどに、その場は静寂に包まれていた。
そこにはもう、雄叫びを上げる者も目を血走らせて駆ける者も、一人として残されていなかった。
「今、何か仰られましたヘイニー様?」
「へ?い、いや私は別に何も言ってないですよ?あはははっ」
訪れた静寂に、それを聞き咎めたエクスが冷たい表情で振り返る。
それにヘイニーは頭を掻くと、必死に誤魔化しの笑いを浮かべていた。
「いえ、確かに聞こえました」
「いやいやいや!本当ですって、エクスさん!私は本当に何も・・・?」
しかしエクスは確かな確信を持って、そう呟く。
それに増々焦って誤魔化そうとするヘイニーを、エクスは手を掲げて制していた。
「・・・お待ちしておりました、マスター」
エクスは空を見上げ、そう呟く。
それに釣られ、ヘイニーも空を見上げる。
そこには確かに、何かが落ちてきているようだった。
「ああああああああああああああぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!!?」
その落下する何か、ユーリ・ハリントンは悲痛な悲鳴を上げながら遥か上空から落ちてくる。
それにエクスはその場から動かず、ただ静かに両手を前へと広げるだけであった。
「お帰りなさいませ、マスター」
悲鳴を上げながら落下してきたユーリを、エクスは難なく受け止める。
そして彼女は目を閉じると、心からの敬意を込めて彼の帰還を祝っていた。
「あ、あれ?生きてる、俺?あ、ヘイニーさん。ど、ども」
エクスにお姫様抱っこの形で抱き留められているユーリは、周囲の目に気が付くと気まずそうに苦笑いを漏らしていた。
「・・・これは?」
ヘイニーは、その手元へと落ちてきた幾枚かの書類を手にする。
それはどうやらユーリと一緒に落ちてきたものである様で、その中の一つは何か獣の皮で作ってあるのかゴワゴワとした質感がした。
そしてそこには、これまでの彼らの出来事と彼らも知らない街での出来事、そして彼も知っている人物達の名前とプロフィールが羅列されていた。
その顔面を鼻水塗れにしながら、ヘイニーがエクスへと駆け寄っていく。
「いえ、こちら方こそ。ヘイニー様、よくぞご無事で」
疲れ果てボロボロな彼とは対照的に返り血一つ浴びていないエクスは、彼の姿を目にすると深々と頭を下げ、その無事を祝っていた。
「はははっ、まぁ何とか・・・皆が頑張ってくれたお陰です」
エクスの称賛の言葉に、ヘイニーは照れ臭そうに頭を掻いている。
しかしそんな彼に対して向けられる視線は、決して彼がただの偶然でここに立っている訳ではない事を示していた。
それを感じ取ってか、エクスのヘイニーに向ける視線は、彼が彼女の主であるユーリの上司だからというだけではない、尊敬の色が覗いていた。
「それで、ユーリさんはどちらに?あの二人の姿もないようですが・・・?」
一人で現れたエクスに、彼女の主人であるユーリやいつも周りを走り回っているネロとプティの姿が見えないと尋ねるヘイニー。
「あぁ、あの二人ならば別の所へ救援に向かっています。マスターは―――」
ヘイニーの言葉にエクスはキッパゲルラへと振り返ると、そちらに二人が向かったと示している。
そして主人であるユーリについて触れた彼女は、チラリと上空へと視線を向けていた。
「そうだ、掛かれ掛かれ!!はははっ、馬鹿め!我らがやられたとて、お前達が半包囲にあるのは変わりないのだ!であれば、他の兵でそれを埋めればいいだけの話なのだ!はははははっ!!」
エクスの言葉を遮るように、彼女に地面へと叩き伏せられた騎兵部隊の隊長が声を上げる。
それまで敵軍は、彼が率いていた騎兵部隊がたった一人の少女に壊滅された事に呆気に取られ、思わずその行動までもを抑制してしまっていた。
しかし彼の言う通りこちらが今だ有利な状況である事を思い出した彼らは、壊滅した騎兵部隊の代わりにその後背を埋めようと、こちらへと殺到してきていた。
「しまった!?まだ戦闘は終わっていなかったんだ!くっ、一体どうすれば・・・」
「御心配には及びません、ヘイニー様」
迫る敵軍に、慌てるヘイニー。
エクスはそんな彼を制するように手を掲げると、一歩前へと進み出る。
「ふんっ、悪あがきを!先ほどは油断したがな、今度は・・・がっ!?」
「うるさい」
地面に横たわったまま、何やら得意げに喚き散らしている騎兵部隊の隊長を、エクスは剣の柄で叩いて黙らせる。
「ヘイニー様、危険ですので頭をお下げください」
「へ?エクスさん、何を・・・?」
迫る敵軍を見据えながら、エクスは静かにそう告げる。
ヘイニーはそれに首を傾げながらも、彼女の言う通り頭を下げ姿勢を低くしていた。
「「うおおおおぉぉぉ!!」」
この突撃が成功すれば、この戦いの勝敗は決まる。
その興奮に、兵士達は雄叫びを上げながら向かってくる。
「お前達は、手向かってはならない者に手向かった。それを知るがいい」
兵士達が巻き起こす、殺害と暴力の風。
それをそよ風のように受け止めその金色の髪を遊ばせるエクスは、目を見開くと両手を添えていた剣を地面から引き抜き、居合のように腰だめに構える。
「聖剣・・・スラーーーッシュ!!!」
そして彼女は放つ、その一撃を。
「・・・聖剣スラッシュ?」
彼女が口にした必殺技の名を耳にしたヘイニーは、その余りのダサさに思わず首を傾げてしまう。
そんな呟きが響いてしまうほどに、その場は静寂に包まれていた。
そこにはもう、雄叫びを上げる者も目を血走らせて駆ける者も、一人として残されていなかった。
「今、何か仰られましたヘイニー様?」
「へ?い、いや私は別に何も言ってないですよ?あはははっ」
訪れた静寂に、それを聞き咎めたエクスが冷たい表情で振り返る。
それにヘイニーは頭を掻くと、必死に誤魔化しの笑いを浮かべていた。
「いえ、確かに聞こえました」
「いやいやいや!本当ですって、エクスさん!私は本当に何も・・・?」
しかしエクスは確かな確信を持って、そう呟く。
それに増々焦って誤魔化そうとするヘイニーを、エクスは手を掲げて制していた。
「・・・お待ちしておりました、マスター」
エクスは空を見上げ、そう呟く。
それに釣られ、ヘイニーも空を見上げる。
そこには確かに、何かが落ちてきているようだった。
「ああああああああああああああぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!!?」
その落下する何か、ユーリ・ハリントンは悲痛な悲鳴を上げながら遥か上空から落ちてくる。
それにエクスはその場から動かず、ただ静かに両手を前へと広げるだけであった。
「お帰りなさいませ、マスター」
悲鳴を上げながら落下してきたユーリを、エクスは難なく受け止める。
そして彼女は目を閉じると、心からの敬意を込めて彼の帰還を祝っていた。
「あ、あれ?生きてる、俺?あ、ヘイニーさん。ど、ども」
エクスにお姫様抱っこの形で抱き留められているユーリは、周囲の目に気が付くと気まずそうに苦笑いを漏らしていた。
「・・・これは?」
ヘイニーは、その手元へと落ちてきた幾枚かの書類を手にする。
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