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触手な王子様をお持ち帰り 2

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「それを言うならディアヴだって」
「オレが一回終わる間におじさんが何回達しているか知らないのか」

 真顔でそういうこと言う!?
 確かに俺は快楽に弱いが、ディアヴにヤられるまではごくごく普通だった。健全な男子なら、後ろでそんなに感じられる肉体を持っているなんて誰も思わないだろう。

「そ……だって……お前の挿れられるとわけわからなくなるし」

 身体の相性が良すぎるんだ、きっと。それかディアヴが超絶テクニシャンとか。

「今まで何人泣かせてきたんだよ」

 そうだ、ディアヴは上流貴族だから閨教育みたいなものがあるのだろう。嫡男だから確実に次代につないでいかなきゃならないだろうし。
 この時、いつもより話しやすい雰囲気になっているディアヴにすっかり油断していた。指先に絡まるボウ王子が可愛く見えるぐらいには平穏な空気だったから。
 醸し出す雰囲気がピリッとしたのに気付けず、エロなら俺だってそれなりに経験を積んだのだと言う自負が口を軽くした。単にいろんな奴らに抵抗できずにやられていただけなのに。

「どういうことだ」
「ディアヴのテク……技術? がすごすぎるんだ」
「……比較対象があるのか」
「お、お前ひとりだけじゃないからな」

 ディアヴ甥っ子にマウントを取られたままというのは悔しい。ディアヴの一段低くなった声に、鼻を明かしてやろうと意味のない虚勢を張った。そろそろ経験人数は二桁にもなろうという俺だ。嘘じゃない。

「誰だ?」
「何が」
「他の相手だ」
「言うわけないだろ。お前、なんかしそうだし」

 ボウ王子が指に絡まって動かない。わー触手指輪~じゃなくて。ディアヴがやばい。怖い。
 だがここは医務室、そろそろ日も傾いて出なくてはならないだろう。養護教諭が戻ってきたらお互い寮に戻っていつも通りだ。ボウ王子は俺が連れていくんかな。離れないし。餌が体液なら、俺ならたっぷり与えられるだろう。何せここしばらく尻の休まる日がほとんどない。
 今日も帰ったらシェーバルがお清めしたがるだろう。ゆっくりやるのもいいものだ。現実逃避には次の展開を考えるのが一番。目の前の怖い現実はどうやって乗り切ろう。

「おじさん」
「ひっ!?」

 ディアヴと正面から対峙する勇気はなく、ぷいっと横を向いて寝台から降りようとした。ヤりまくった後に足に力が入りにくいのは分かっているから、寝台につかまったまま足を下ろしていると後ろから呼ばれて抱きしめられた。
 高級な香水の香りが上品に俺を包む。捕まった!

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