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205.初夢の小話
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「一富士二鷹三茄子って言うけど」
「初夢な」
「どうだった? 富士山登場?」
「覚えてねえ。夢は見てたっぽいけど、起きたら忘れちまったんだよな」
「あるよね、見てたことだけなんとなく覚えてるとき」
「たぶん湊の夢じゃねーの。オレ的には一湊二湊三湊だし」
「羊を数えるみたいになってるよ」
「枕の下に写真入れるとかすりゃよかった」
「七福神だね」
「そっちこそどーだったんだよ」
「僕はねえ、海外旅行する夢だったな」
「オレは?」
「晴海は僕のところに向かってきてる最中だった」
「おっ出てくる」
「僕が先に現地に着いてて、GPSで晴海の位置は特定してるの。晴海はいま海の上なんだなーとか山を登ってるんだなーとか確認しながら待ってたよ」
「山登んの? アナログじゃねえ?」
「徒歩だったねえ」
「辿り着いたのかよオレ」
「そういえばそこはあやふやだなあ」
「会えてなかったら悪夢じゃん」
「人に話したら正夢にならないっていうし」
「会えてたら正夢にならないほうが悪夢じゃん」
「僕のおみくじ、待ち人・遠からず来るだし」
「シュレディンガーの初夢……」
「大丈夫だよ。初夢がどうあれ今年も一緒にいるからね」
湊としては満足な初夢だった。異国の山を踏破してくる幼なじみはちょっと面白かったので。
(了)221202
「初夢な」
「どうだった? 富士山登場?」
「覚えてねえ。夢は見てたっぽいけど、起きたら忘れちまったんだよな」
「あるよね、見てたことだけなんとなく覚えてるとき」
「たぶん湊の夢じゃねーの。オレ的には一湊二湊三湊だし」
「羊を数えるみたいになってるよ」
「枕の下に写真入れるとかすりゃよかった」
「七福神だね」
「そっちこそどーだったんだよ」
「僕はねえ、海外旅行する夢だったな」
「オレは?」
「晴海は僕のところに向かってきてる最中だった」
「おっ出てくる」
「僕が先に現地に着いてて、GPSで晴海の位置は特定してるの。晴海はいま海の上なんだなーとか山を登ってるんだなーとか確認しながら待ってたよ」
「山登んの? アナログじゃねえ?」
「徒歩だったねえ」
「辿り着いたのかよオレ」
「そういえばそこはあやふやだなあ」
「会えてなかったら悪夢じゃん」
「人に話したら正夢にならないっていうし」
「会えてたら正夢にならないほうが悪夢じゃん」
「僕のおみくじ、待ち人・遠からず来るだし」
「シュレディンガーの初夢……」
「大丈夫だよ。初夢がどうあれ今年も一緒にいるからね」
湊としては満足な初夢だった。異国の山を踏破してくる幼なじみはちょっと面白かったので。
(了)221202
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