【共依存DK】幼なじみのハルミナト

りつ

文字の大きさ
上 下
204 / 623

204.おみくじの小話

しおりを挟む
「せーので見せっこしようね」
「おーよ」
「せーの」
 かけ声に合わせ、湊と晴海は引いたばかりのおみくじを広げた。近所の神社に初詣に来たついでに、新春の運試しをしてみたのだ。
「僕は中吉」
「オレは吉」
「願望、謙虚な心と信神があれば叶う。旅行、事故に注意」
「待ち人、来ねえ。まあ湊がいれば問題ねーけど」
「あっ、でも晴海のやつは失せ物、必ず出るだよ。いい感じ」
「つーか全体的に半端じゃねえ? 大吉か大凶なら分かりやすいけどよ」
「おみくじの善し悪しって引くところによって順番が変わるみたいだからねえ」
 大吉の次に吉がくることもあれば中吉がくることもあるらしい。晴海のいうとおり、最悪ではないが良さの度合いは判然としないところがある。
「でもさ」
 湊はおみくじを持った晴海の手に、自分の手をこつんと触れ合わせた。
「吉と中吉、合わせたら大吉超えだと思わない?」
「それだ。超えてこーぜ大吉」
 境内で甘酒を買ってのんびりと帰路に就く。今年の抱負は「大吉超え」として、書き初め用紙に力強い筆使いで書き込んだ。



(了)220101
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

熱中症

こじらせた処女
BL
会社で熱中症になってしまった木野瀬 遼(きのせ りょう)(26)は、同居人で恋人でもある八瀬希一(やせ きいち)(29)に迎えに来てもらおうと電話するが…?

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!

処理中です...