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204.おみくじの小話
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「せーので見せっこしようね」
「おーよ」
「せーの」
かけ声に合わせ、湊と晴海は引いたばかりのおみくじを広げた。近所の神社に初詣に来たついでに、新春の運試しをしてみたのだ。
「僕は中吉」
「オレは吉」
「願望、謙虚な心と信神があれば叶う。旅行、事故に注意」
「待ち人、来ねえ。まあ湊がいれば問題ねーけど」
「あっ、でも晴海のやつは失せ物、必ず出るだよ。いい感じ」
「つーか全体的に半端じゃねえ? 大吉か大凶なら分かりやすいけどよ」
「おみくじの善し悪しって引くところによって順番が変わるみたいだからねえ」
大吉の次に吉がくることもあれば中吉がくることもあるらしい。晴海のいうとおり、最悪ではないが良さの度合いは判然としないところがある。
「でもさ」
湊はおみくじを持った晴海の手に、自分の手をこつんと触れ合わせた。
「吉と中吉、合わせたら大吉超えだと思わない?」
「それだ。超えてこーぜ大吉」
境内で甘酒を買ってのんびりと帰路に就く。今年の抱負は「大吉超え」として、書き初め用紙に力強い筆使いで書き込んだ。
(了)220101
「おーよ」
「せーの」
かけ声に合わせ、湊と晴海は引いたばかりのおみくじを広げた。近所の神社に初詣に来たついでに、新春の運試しをしてみたのだ。
「僕は中吉」
「オレは吉」
「願望、謙虚な心と信神があれば叶う。旅行、事故に注意」
「待ち人、来ねえ。まあ湊がいれば問題ねーけど」
「あっ、でも晴海のやつは失せ物、必ず出るだよ。いい感じ」
「つーか全体的に半端じゃねえ? 大吉か大凶なら分かりやすいけどよ」
「おみくじの善し悪しって引くところによって順番が変わるみたいだからねえ」
大吉の次に吉がくることもあれば中吉がくることもあるらしい。晴海のいうとおり、最悪ではないが良さの度合いは判然としないところがある。
「でもさ」
湊はおみくじを持った晴海の手に、自分の手をこつんと触れ合わせた。
「吉と中吉、合わせたら大吉超えだと思わない?」
「それだ。超えてこーぜ大吉」
境内で甘酒を買ってのんびりと帰路に就く。今年の抱負は「大吉超え」として、書き初め用紙に力強い筆使いで書き込んだ。
(了)220101
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