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7 レベル上げと小休止

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 モグラに手を出すのをやめてもらって、俺とタマだけで狩りを続ける。
 左右に飛び跳ねながら、隙を見ては体当たりをしてくる兎が相手だ。
 慣れない動きも段々マシにはなってきて、そんなに大変ではなくなった。

 何匹か狩ったところで、女神が羽を広げながら微笑むエフェクトが出た。
 基本レベルが上がったしたらしい。

名前:ナガマサ
種族:人
Lv:4(1↑)
Str:5
Vit:4
Agi:7(1↑)
Dex:16(2↑)
Int:7
Luc:2

 Dexを伸ばしつつAgiにも1振っておく。相変わらずこれからのことは深く考えていない。
 もう少しレベルが上がったら、モグラに相談してみるのもいいかもしれない。

 ポイントはパーソナルスキルに振るとして、どうしようか。非常に悩む。
 スキルリストを見ると、スキルツリーががらっと変わっている。

 これはさっきとったユニークスキルの効果だな。
 ユニークスキルを強化する効果だが、パーソナルスキルでユニークじゃないスキルは使用出来ないし、取得も出来ない。

 逆にユニークスキルは取れる訳だけど、本当に悩ましい。
 何せ今俺のスキルツリーにユニークスキルは3つある。

 ≪封印の右腕≫≪封印の左脚≫≪封印の右脚≫。全部封印の、とついている。
 さっきとったスキルで≪封印の左腕≫っていうのがあるけど、それはユニーク以外のパッシブスキルの効果を無効にするというものだ。
 同じような感じなのでは?

 このまま放っておいても勿体ない気もするし、いいや。
 きっと何とかなるはずだ。思い切って一つ選んで取得した。

職業:ノービス
職業Lv:4

スキル:
サバイバルの心構え Lv1(使用不能)
武器修練 Lv1(使用不能)
リラックス Lv1(使用不能)

我が道を行く Lv1
封印の左腕 Lv1
封印の右腕 Lv1(New)

 順調に封印されていく。
 効果はユニーク以外のアクティブスキルの無効化だ。それ以外に効果はない。
 アクティブスキルなんて一つも持ってないしきっと問題ない。はず。

 とりあえずは、使えそうなユニークスキルの取得を目指した方が良さそうだな。
 もちろんアクティブスキルだ。
 その為にはどんどんレベル上げが必要になる。
 ……モグラの視線を感じる。目指せ独り立ち。





「ずっと気になってたんだけど、ナガマサさんの相棒って一体何? 妖精か何か?」

 引き続き兎を狩って一休みしていると、モグラに質問された。
 見ていてもよくわからなかったらしい。
 光る球体だもんな。
 俺も分からない。何だこれ。

「俺もよく分からないんですよ。種別もハテナとしか表示されないし。同種のものが分からないとレベルも全然上がらないから、強化出来なくてこれから先困っちゃいそうですね」
「なるほど。ということはまだレベル1なんだね」
「そうですね。チュートリアルで相棒レベルが1上がっただけです。それからはエフェクトも出てないので上がってないですね」

 俺の返事にモグラは微妙に考えたようだったが、それもすぐに終わった。

「ほんの少しだけど戦闘でも相棒に経験値は入るから、しばらくはそれで我慢だね。相棒によってレベルアップに必要な経験値は変わるみたいだけど、そのうち上がるでしょ」
「なるほど」

 うちのタマは大器晩成型なのかな?
 種別をはっきりさせておかないとそれどころじゃないような気もするけど、それも追々で。
 今は地道にレベル上げだ。
 久しぶりのこの手足の感覚に慣れるまでは、危険の少ない相手でリハビリしておきたい。

 それから10匹も狩らない内に職業レベルが上がった。
 スキルを取るのは急ぎじゃないし後でいいか。
 今の俺はユニークスキル以外のスキルは使えないからな。そして職業スキルにユニークスキルはないらしい。

 つまり職業スキルは何をとっても無駄にしかならない。
 いつかいいことがあるかもしれないけど、慌てて取る必要は無さそうに見える。

 タマが俺のレベルアップを祝うように、ふよふよと俺の周囲を飛んでいる。

 よしよし、ありがとな。タマの攪乱のお蔭で隙が突きやすいよ。

 タマを撫でてみた。プニプニスベスベ、それでいてしっとり滑らか。
 絶妙なさわり心地。ほんのり温かい。
 不思議な物体だ。ほんとにこれはなんだろう。
 ……まぁ、タマはタマだな。

 HPが半分以下になったので大事をとって休憩。
 座っていると自然回復が早くなると、モグラが教えてくれた。
 モグラは回復薬やらをおすすめしてくれたけど、勿体ないので断った。お金もないし。

 さっきもらった分だけでも十分有難い。
 あまり甘えると俺が成長しないし、恩を返すのも大変になってしまう。
 程々が一番だ。

 座って休んでいると他愛もない疑問が浮かんでくる。そういえばモグラの相棒ってなんだろう。
 聞いてみた。

「モグラさんの相棒はどんなのなんですか? さっきは剣を使ってたみたいですけど」
「俺の相棒かー。機会があれば見せてあげるよ。口で説明しても面白くないし」

 なんて返ってきた。はぐらかされたような気がしないでもない。
 でも剣ではなさそうだ。背後からの奇襲とはいえあのミーガンを倒したんだからきっとレベルもそれなりに高いはず。
 相棒がどんなのか気にはなるけど、モグラと戦うような機会だったら来てほしくないところだ。恐ろしい。

 このゲームの世界でそれなりに一生懸命楽しく暮らせたらそれでいい。
 死ぬ危険のあることからは縁遠いのが理想だ。のんびり暮らそう。ね。

 うーん、全回復までもう少し掛かるか。
 HPは減っていてもMPは減っていない。
 使うようなスキルもなかったし、今はスキルの使用すら出来ない。

 スキルの効果で封印さえされてなければ、回復スキルを取得して休む頻度を少なく出来たのにな。出来ないことを嘆いてても仕方がないが。

 ただ回復を待つのも暇だし、どうせ他に欲しいスキルもないしとってしまおうか。
 いやでも仮に封印がなんとかなったとしても、その頃にはノービスのアクティブスキルなんて型落ちもいいとこじゃないか?
 よくあるシステムとして、このゲームも転職システムがあるらしい。

 転職したら新しい職業スキルリストが出てきて、そこからスキルを取得する。
 職業の特色に合わせた、ノービスよりも強力なスキルがほとんどらしい。

 ≪応急手当≫っていうのがノービスの職業スキルの中で数少ないアクティブスキルかつ回復スキルなんだけど、数%しか回復しない。
 低レベルの内にしか役に立たなそうだ。
 でも%表記だから意外と緊急時には使えるかもしれない。
 
 よし、パッシブスキルにしよう。現時点では効力なんてないけど。

職業:ノービス
職業Lv:5(1↑)

スキル:
サバイバルの心構え Lv1(使用不能)
武器修練 Lv1(使用不能)
リラックス Lv1(使用不能)
魔法適正 Lv1(使用不能)(New)

我が道を行く Lv1
封印の左腕 Lv1
封印の右腕 Lv1
 
 スキルも大分増えてきたな。
 でも今のところ、補正が掛かってるのは実質0個。
 二個目の封印スキルは明らかなマイナス効果なのが分かっていても、取りたかった。取らなければいけないような、そんな気がしてしまった。仕方ない。
 腕なんて動くだけでも上出来だ。
 きっとなんとかなるだろう。

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