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王都探索
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今日は秘密で王宮外に抜け出すことができ、ペットのユキと一緒に王都探索をしようとシェリアは思っていた。
ユキは最初の怯えが嘘のようにシェリアに懐いており、首に巻かれているシェリアお手製のスカーフで何処か誇らしげでとても可愛らしかった。
「今日はユキが見つかると殺されちゃうかもなのでちゃんと鞄の中に入っててくださいね。」
「キュ!」
今日のシェリアは黒のシャツと短パン、そして青のキャスケットの帽子の服装でユキ専用ショルダーバッグのいで立ちだった。
「ふふ。いい子ですね。」
すると後ろから突然話しかけられたのだった。
確かに路地裏でしゃがんでいたので怪しく思われたのだろうとシェリアは思った。
「なぁ。」
「はい……?」
「俺、あんたの護衛に付けって主に言われてるから、堂々と歩いていいぞ?」
「え……?誰にですか??」
シェリアは少々焦っていた。
もし、赤髪の彼が父王側から王都探索を許す理由もないし、そうなると他の誰かになってしまうからだ。
これが貴族側だととても困るし、隙を作ってしまったことになるからどうすべきか即座にシェリアは考えた。
「あー、銀の長髪で、翡翠色の瞳を持った変人?」
「…………なんで外に出てるのか知ってるのは謎ですがなんとなく一人思い当たります…。」
「そりゃあ、ストーカー気質だから何でもあんたのことなら知ってんだよ。」
「ゾッとしました。セルフィーはどうしたんですか?あの人なら来そうな気がしますが…。」
「ぷっ。随分と可愛らしい名前をつけたんだな。あー、簡単に言うと忙しい。」
「何でもというのはどこまでですか…?」
「……、聞かなきゃ良かったと思うぐらいだな。」
赤髪の男は青ざめた顔で言った。
なんとなくシェリアはここから先は聞かないほうがいいようだと聞くのをやめた。
町を堂々と歩いてシェリアは屋台の串焼きに目を向けた。
そこは肉の串焼きから野菜の串焼き、果物の串焼きと豊富な品揃えだったため、普段王宮じゃ食べれない食べ物にシェリアは目を輝かせた。
「なぁ、食いたいのか?買ってこようか?」
「えっと、あの、それじゃあ、お任せで貴方様の分も入れて3本お願いします。」
「おぅ。」
赤髪の男は肉の串焼きを3本持って死んだ目で戻ってきた。
「可愛い彼女だねって言われた…これ、主に制裁されそう、つーか、さっきから王都に急いで戻ってこようとしてる気配がする…。これ、言われたのバレてるわ…うわー。」
「あ、あの、大丈夫ですか!?私から言っておきましょうか?」
「悪い!その時は頼む…!」
どうやら、セルフィーが急いでこっちに向かっているらしく、それで男は顔色が悪くなってしまったようだ。
「ユキ、串焼き食べますか?」
「キュ!キュー!」
どうやら串焼きはユキのおくちにもあったようで美味しそうに食べている。
実際この串焼きは美味しく、肉厚でいて、固くもなく、焼き加減も文句のつけようがなく素晴らしかったのだ。
「なぁ、いっそ、主と恋人にでもなれば?恋人になってからでも主のこと好きになればいいし、無理なら政略結婚でもいいんだ!頼む、これ以上は主の惚気聞かされたくねぇんだ!仕事にも手つけれねぇし…。唯一独身の俺にいつも惚気の相手にされるからさ…。」
「…!?ごほっ………いきなりびっくりしました…。申し訳ないですけど前にもプロポーズは断りましたし、諦めて欲しいです。」
「俺から見て主、強いし、嘘はつかないし、一途なタイプだと思うぞ!?取ろうと思えば貴族位くらいとれるし、結構いい男だとも俺は思うぞ!?」
「ふふ。セルフィーのこと、信頼してるんですね。確かに顔は素敵ですよね、紳士ですし。……ですが、秘密を教えますね、ココだけの話ですが、恋なんてどうでもいいんですよ、最期に私だけが勝てば、ね。」
いつものシェリアと全くちがう雰囲気でそう言い放った。
男は思った、あぁ、ある意味こいつもまた主と同じように半分壊れてしまってるのだなと。
シェリアは何を思ったのかただ微笑んだのだった。
ユキは最初の怯えが嘘のようにシェリアに懐いており、首に巻かれているシェリアお手製のスカーフで何処か誇らしげでとても可愛らしかった。
「今日はユキが見つかると殺されちゃうかもなのでちゃんと鞄の中に入っててくださいね。」
「キュ!」
今日のシェリアは黒のシャツと短パン、そして青のキャスケットの帽子の服装でユキ専用ショルダーバッグのいで立ちだった。
「ふふ。いい子ですね。」
すると後ろから突然話しかけられたのだった。
確かに路地裏でしゃがんでいたので怪しく思われたのだろうとシェリアは思った。
「なぁ。」
「はい……?」
「俺、あんたの護衛に付けって主に言われてるから、堂々と歩いていいぞ?」
「え……?誰にですか??」
シェリアは少々焦っていた。
もし、赤髪の彼が父王側から王都探索を許す理由もないし、そうなると他の誰かになってしまうからだ。
これが貴族側だととても困るし、隙を作ってしまったことになるからどうすべきか即座にシェリアは考えた。
「あー、銀の長髪で、翡翠色の瞳を持った変人?」
「…………なんで外に出てるのか知ってるのは謎ですがなんとなく一人思い当たります…。」
「そりゃあ、ストーカー気質だから何でもあんたのことなら知ってんだよ。」
「ゾッとしました。セルフィーはどうしたんですか?あの人なら来そうな気がしますが…。」
「ぷっ。随分と可愛らしい名前をつけたんだな。あー、簡単に言うと忙しい。」
「何でもというのはどこまでですか…?」
「……、聞かなきゃ良かったと思うぐらいだな。」
赤髪の男は青ざめた顔で言った。
なんとなくシェリアはここから先は聞かないほうがいいようだと聞くのをやめた。
町を堂々と歩いてシェリアは屋台の串焼きに目を向けた。
そこは肉の串焼きから野菜の串焼き、果物の串焼きと豊富な品揃えだったため、普段王宮じゃ食べれない食べ物にシェリアは目を輝かせた。
「なぁ、食いたいのか?買ってこようか?」
「えっと、あの、それじゃあ、お任せで貴方様の分も入れて3本お願いします。」
「おぅ。」
赤髪の男は肉の串焼きを3本持って死んだ目で戻ってきた。
「可愛い彼女だねって言われた…これ、主に制裁されそう、つーか、さっきから王都に急いで戻ってこようとしてる気配がする…。これ、言われたのバレてるわ…うわー。」
「あ、あの、大丈夫ですか!?私から言っておきましょうか?」
「悪い!その時は頼む…!」
どうやら、セルフィーが急いでこっちに向かっているらしく、それで男は顔色が悪くなってしまったようだ。
「ユキ、串焼き食べますか?」
「キュ!キュー!」
どうやら串焼きはユキのおくちにもあったようで美味しそうに食べている。
実際この串焼きは美味しく、肉厚でいて、固くもなく、焼き加減も文句のつけようがなく素晴らしかったのだ。
「なぁ、いっそ、主と恋人にでもなれば?恋人になってからでも主のこと好きになればいいし、無理なら政略結婚でもいいんだ!頼む、これ以上は主の惚気聞かされたくねぇんだ!仕事にも手つけれねぇし…。唯一独身の俺にいつも惚気の相手にされるからさ…。」
「…!?ごほっ………いきなりびっくりしました…。申し訳ないですけど前にもプロポーズは断りましたし、諦めて欲しいです。」
「俺から見て主、強いし、嘘はつかないし、一途なタイプだと思うぞ!?取ろうと思えば貴族位くらいとれるし、結構いい男だとも俺は思うぞ!?」
「ふふ。セルフィーのこと、信頼してるんですね。確かに顔は素敵ですよね、紳士ですし。……ですが、秘密を教えますね、ココだけの話ですが、恋なんてどうでもいいんですよ、最期に私だけが勝てば、ね。」
いつものシェリアと全くちがう雰囲気でそう言い放った。
男は思った、あぁ、ある意味こいつもまた主と同じように半分壊れてしまってるのだなと。
シェリアは何を思ったのかただ微笑んだのだった。
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