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〜悪魔のラッキー7〜
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悪魔の時間、私がそう呼ぶものは殺し合いが始まるこの時間だ。
9時、それは苦時とも呼び、繰時とも色々な呼び方がある。昔なら、酉時とも言うらしい。
ただ、最初とは違う事があった。私には、仲間がいる。拉致られなかったら、出会わない人達だ。皆何気に恐怖から、楽しむ事が出来てるみたいだった。
いや、楽しんじゃダメなんだけどね!
「……飲み物、取ってこよっか」
私は、微妙な空気を打ち消してそう言うと、洋仁(ひろと)に何がいいか聞くと、パタパタとヒールのないペタンコ靴で小走りになりながらドリンクを取りに行く。
「あのさ、鈴宮君どうして私についてくるのかな?」
私は、真顔で鈴宮君の顔を見ずに言う。ちゃんと、オレンジジュースとりんごジュースを使用人らしき人に貰いながらだけどね。
「いえ、あの人と一緒に居たくないので。
それと、貴女のそのポケットにある地図、僕のですよね?」
鈴宮君は、あいつの事が苦手みたいだ。いや、喧嘩するほど仲がいいとも言うし、もしかしたら何気に良いコンビになるかも?!
「う、うん…えっと、ご飯作る所が無いなって思ったのと、この館は多分この地図?よりも多分大きいんだと思う。」
なんとなくだけど…と、言いながら皆の元に行きながら鈴宮君に伝える。
「あ、それと、貴女って言わないでくれないかな?
なんか、変な感じするし…一応、私にも名前あるからね!」
そう言うと、鈴宮君はニヤリと怪しく笑うから私は少し鈴宮君との距離を置く。
「ん~、そうですね…じゃあ、鈴さん。とかどうでしょう?」
鈴宮君は、私に耳打ちする様に言うとスタスタと私達のテーブルの近くに座った。
いや、少女漫画か!!初めてされたけど、こんなの照れるけど!その前に、皆が見てて物凄く恥ずかしいわ!
「おい、あんな奴に何されてんだよ。
飲み物持ってくるならすぐに持ってこい。」
なんか、あいつイライラしてるし…。まぁ、淑(しと)さんがフォローしてくれたから良いんだけどね。
『では、これから悪魔付きゲームを始めます。
今朝はよく眠れましたか?今日は、皆様のお召し物は修道女や、教徒などにしてもらった理由はあまりありません。』
ツリーはそう言うと、モニターはブォンと音を立てて画面が着く。
『ですが、是非この館にも小さいですが教会がありますので参拝してみてはどうでしょうか。』
モニターには、前見た教会の中の様子を映していた。
『では、始めましょう。
今回揃ったカードはこちらです。』
ハートのジャック…つまり、11だ。皆の視線が私に集まる気がした。戸惑いつつ考えると、私はジャックだ。もし、次に出てくるスートと数字が私だったら…いや、考えないぞ…!
『お相手の方はこちらです。』
皆が、固唾を呑んでモニターを見るとダイヤのジャックだった。一斉にホッとしたのが分かった。でも、会場には悲鳴に似た声が響いた。
「な、なんで…私…なの…?
わ、私は…ツリー!貴方の事を知ってる!!調べてたんだから!
ここの事なんて知ってる!関係者でもあったんだから!
私には、まだ切り札が……」
そう言いながら立った女の人は、勢いよくしゃがんで声にならない悲鳴を言っていた。多分、灰色の機会みたいな腕輪に電撃みたいなのをされてるんだと思う…。
『この方は、妄想癖があるみたいですね。
でも、良いでしょう。そういう方の場合のサンプルも必要ですからね。』
ツリーは、淡々と言うが女の人はローブの人に体を預けながら連れていかれていた。
もし、この女の人の言っている事が本当ならこの館の事や、ツリーの事だってわかるはず…
やっぱり、ダイヤとハートのスートの人だけこの部屋に来る。薄々気づいてたけど、野薔薇と水、鈴と双葉と土が装飾?されてるドアや部屋には、ダイヤとハートのペアしか入らないみたいだ。それに、皆の部屋やドアにもそういう装飾されてた。
そんな事を考えてると、殺し合いが始まった。何人目かの男女の殺し合いだ。男女の殺し合いの最初は、カップルだった気がする。もう、遠い昔の様に感じる。
「……お、女だからって手加減しないぞ!
殺ってやる!」
男の人は、そう言いながら震える手で拳銃を持って、女の人に銃口を向けた。女の人はというと、拳銃を右手に、短刀を左手に持っていた。
「これでも、私は警察よ。
貴方、手が震えてるじゃない。そんなんじゃ、私を殺せないわ。」
さっき、悲鳴をあげてた人とは大違いな、可憐でクールさを纏っている。2人とも、修道女と神父の服を着ているから、なんだかゲームとかアニメのシーンみたいに見える。
「……舐めやがって!
俺だって、殺る時は殺るんだ!!」
そう言いながら、男の人は女の人に向かって何度も撃つ。女の人はというと、タタッと走って距離を保ちながら、男の人に向けて撃つ。
男の人が持っていた拳銃が弾かれて、女の人が短刀で男の人の横腹をザックりと刺した。
ものの数秒の出来事だった。皆、何が起こったのかよく分かってない様だった。私は理解するのに、数秒かかりながらゆっくり理解すると、洋仁をチラッと見て様子を伺うと、前よりは怯えてはなくて少しホッとしたのと、複雑な気持ちを抱えながらあいつと目が合う。
『では、今日の朝の殺し合い最後のペアはこちらです。』
クラブの7だった。確か…今回の殺し合いで、7回目だ…。揃うなら、ゲームとかで7を揃えたかった…。
『お相手の方はこちらです。』
ハートの7…。もし、ゲームだったらラッキーなのかもしれないけど、これはアンラッキーだ。殺し、殺されの現実味の無い現実を、私はまだ頭の中で否定している。
段々、会場皆の雰囲気が最初とは変わりつつあるのを感じ取る。人の慣れって、早いって聞くけど慣れてきてるのを感じると、なんか嫌だな…特に、殺し合いとか現実味の感じない物を慣れるのは1番嫌だ…
そんな事を考えてると、女の人2人はローブの人に連れてかれてた。私が、もし殺し合いする事になったら洋仁をあいつに託さないと…いや、淑さんに託そう!
その前に、この館の謎を解かないと…あれやこれや考えてると、殺し合いは始まってて2人は剣と、槍で戦ってた。
「大人しく、殺されてよ!」
そう言いながら、槍を慣れた手つきで攻撃する女の人は、少し苦しそうな顔だった。多分、本当は嫌なんだろうな…清楚な感じの女の人で、シスター服がよく似合ってる。
「…………私はっ…殺されちゃダメなのっ!」
そう言って、槍の刃の部分を剣で切り落とすと、一気に女の人の胸へ目掛けて剣を持った手を突き出す。
すると、槍を持っていたはずの女の人は、刀を背中に思いっきり刺した。屈み気味の女の人の背中に、何処から出したのか分からないけど、刀で背中からお腹にかけて、貫通させるみたいに刺した。
モニターの電源は切れて、ツリーが何やら言ってるけど、それが気にならないほどだった。今回は、驚く事しかなかった。もう、疲れたよ…。まだ朝なのに、寝たいくらい疲れてしまった。
『では、お昼ご飯になりましたら、またお呼び致します。take a sleep』
そういえば、ツリーの『ていく、あ、すりーぷ』ってなんで言ってるんだろ…?今まで、スルーしてたけどツリーの決めゼリフみたいな物かな?
私達は、会場を出されて何処で話し合うか決める事にした。私は、気になった事がありすぎてもあるけれど、疲れて頭が痛い。3日前は、まだ平和に引きこもりニートを堪能してたのが思い出のように感じる。
9時、それは苦時とも呼び、繰時とも色々な呼び方がある。昔なら、酉時とも言うらしい。
ただ、最初とは違う事があった。私には、仲間がいる。拉致られなかったら、出会わない人達だ。皆何気に恐怖から、楽しむ事が出来てるみたいだった。
いや、楽しんじゃダメなんだけどね!
「……飲み物、取ってこよっか」
私は、微妙な空気を打ち消してそう言うと、洋仁(ひろと)に何がいいか聞くと、パタパタとヒールのないペタンコ靴で小走りになりながらドリンクを取りに行く。
「あのさ、鈴宮君どうして私についてくるのかな?」
私は、真顔で鈴宮君の顔を見ずに言う。ちゃんと、オレンジジュースとりんごジュースを使用人らしき人に貰いながらだけどね。
「いえ、あの人と一緒に居たくないので。
それと、貴女のそのポケットにある地図、僕のですよね?」
鈴宮君は、あいつの事が苦手みたいだ。いや、喧嘩するほど仲がいいとも言うし、もしかしたら何気に良いコンビになるかも?!
「う、うん…えっと、ご飯作る所が無いなって思ったのと、この館は多分この地図?よりも多分大きいんだと思う。」
なんとなくだけど…と、言いながら皆の元に行きながら鈴宮君に伝える。
「あ、それと、貴女って言わないでくれないかな?
なんか、変な感じするし…一応、私にも名前あるからね!」
そう言うと、鈴宮君はニヤリと怪しく笑うから私は少し鈴宮君との距離を置く。
「ん~、そうですね…じゃあ、鈴さん。とかどうでしょう?」
鈴宮君は、私に耳打ちする様に言うとスタスタと私達のテーブルの近くに座った。
いや、少女漫画か!!初めてされたけど、こんなの照れるけど!その前に、皆が見てて物凄く恥ずかしいわ!
「おい、あんな奴に何されてんだよ。
飲み物持ってくるならすぐに持ってこい。」
なんか、あいつイライラしてるし…。まぁ、淑(しと)さんがフォローしてくれたから良いんだけどね。
『では、これから悪魔付きゲームを始めます。
今朝はよく眠れましたか?今日は、皆様のお召し物は修道女や、教徒などにしてもらった理由はあまりありません。』
ツリーはそう言うと、モニターはブォンと音を立てて画面が着く。
『ですが、是非この館にも小さいですが教会がありますので参拝してみてはどうでしょうか。』
モニターには、前見た教会の中の様子を映していた。
『では、始めましょう。
今回揃ったカードはこちらです。』
ハートのジャック…つまり、11だ。皆の視線が私に集まる気がした。戸惑いつつ考えると、私はジャックだ。もし、次に出てくるスートと数字が私だったら…いや、考えないぞ…!
『お相手の方はこちらです。』
皆が、固唾を呑んでモニターを見るとダイヤのジャックだった。一斉にホッとしたのが分かった。でも、会場には悲鳴に似た声が響いた。
「な、なんで…私…なの…?
わ、私は…ツリー!貴方の事を知ってる!!調べてたんだから!
ここの事なんて知ってる!関係者でもあったんだから!
私には、まだ切り札が……」
そう言いながら立った女の人は、勢いよくしゃがんで声にならない悲鳴を言っていた。多分、灰色の機会みたいな腕輪に電撃みたいなのをされてるんだと思う…。
『この方は、妄想癖があるみたいですね。
でも、良いでしょう。そういう方の場合のサンプルも必要ですからね。』
ツリーは、淡々と言うが女の人はローブの人に体を預けながら連れていかれていた。
もし、この女の人の言っている事が本当ならこの館の事や、ツリーの事だってわかるはず…
やっぱり、ダイヤとハートのスートの人だけこの部屋に来る。薄々気づいてたけど、野薔薇と水、鈴と双葉と土が装飾?されてるドアや部屋には、ダイヤとハートのペアしか入らないみたいだ。それに、皆の部屋やドアにもそういう装飾されてた。
そんな事を考えてると、殺し合いが始まった。何人目かの男女の殺し合いだ。男女の殺し合いの最初は、カップルだった気がする。もう、遠い昔の様に感じる。
「……お、女だからって手加減しないぞ!
殺ってやる!」
男の人は、そう言いながら震える手で拳銃を持って、女の人に銃口を向けた。女の人はというと、拳銃を右手に、短刀を左手に持っていた。
「これでも、私は警察よ。
貴方、手が震えてるじゃない。そんなんじゃ、私を殺せないわ。」
さっき、悲鳴をあげてた人とは大違いな、可憐でクールさを纏っている。2人とも、修道女と神父の服を着ているから、なんだかゲームとかアニメのシーンみたいに見える。
「……舐めやがって!
俺だって、殺る時は殺るんだ!!」
そう言いながら、男の人は女の人に向かって何度も撃つ。女の人はというと、タタッと走って距離を保ちながら、男の人に向けて撃つ。
男の人が持っていた拳銃が弾かれて、女の人が短刀で男の人の横腹をザックりと刺した。
ものの数秒の出来事だった。皆、何が起こったのかよく分かってない様だった。私は理解するのに、数秒かかりながらゆっくり理解すると、洋仁をチラッと見て様子を伺うと、前よりは怯えてはなくて少しホッとしたのと、複雑な気持ちを抱えながらあいつと目が合う。
『では、今日の朝の殺し合い最後のペアはこちらです。』
クラブの7だった。確か…今回の殺し合いで、7回目だ…。揃うなら、ゲームとかで7を揃えたかった…。
『お相手の方はこちらです。』
ハートの7…。もし、ゲームだったらラッキーなのかもしれないけど、これはアンラッキーだ。殺し、殺されの現実味の無い現実を、私はまだ頭の中で否定している。
段々、会場皆の雰囲気が最初とは変わりつつあるのを感じ取る。人の慣れって、早いって聞くけど慣れてきてるのを感じると、なんか嫌だな…特に、殺し合いとか現実味の感じない物を慣れるのは1番嫌だ…
そんな事を考えてると、女の人2人はローブの人に連れてかれてた。私が、もし殺し合いする事になったら洋仁をあいつに託さないと…いや、淑さんに託そう!
その前に、この館の謎を解かないと…あれやこれや考えてると、殺し合いは始まってて2人は剣と、槍で戦ってた。
「大人しく、殺されてよ!」
そう言いながら、槍を慣れた手つきで攻撃する女の人は、少し苦しそうな顔だった。多分、本当は嫌なんだろうな…清楚な感じの女の人で、シスター服がよく似合ってる。
「…………私はっ…殺されちゃダメなのっ!」
そう言って、槍の刃の部分を剣で切り落とすと、一気に女の人の胸へ目掛けて剣を持った手を突き出す。
すると、槍を持っていたはずの女の人は、刀を背中に思いっきり刺した。屈み気味の女の人の背中に、何処から出したのか分からないけど、刀で背中からお腹にかけて、貫通させるみたいに刺した。
モニターの電源は切れて、ツリーが何やら言ってるけど、それが気にならないほどだった。今回は、驚く事しかなかった。もう、疲れたよ…。まだ朝なのに、寝たいくらい疲れてしまった。
『では、お昼ご飯になりましたら、またお呼び致します。take a sleep』
そういえば、ツリーの『ていく、あ、すりーぷ』ってなんで言ってるんだろ…?今まで、スルーしてたけどツリーの決めゼリフみたいな物かな?
私達は、会場を出されて何処で話し合うか決める事にした。私は、気になった事がありすぎてもあるけれど、疲れて頭が痛い。3日前は、まだ平和に引きこもりニートを堪能してたのが思い出のように感じる。
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