鬼精王

希彗まゆ

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気持ち、重なって(霞編)2

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そして、昂ぶったものを、腰に力を入れてわたしの中に入れていく。


「か、すみっ……大きすぎ、っ……入んないよ……っ」

「もう入ってるぜ、奥まで全部」

「うそ、……」

「ホント」


霞はわたしを抱きしめ、ゆっくりと動き始めた。時には速く、時には遅く、相変わらず意地悪くわたしを焦らすように。

その快感に、わたしが耐えられる筈はなかった。


「は、あ……、っ、好き、霞……大好き」


わたしの手が霞の肩や背中に回り、縛っていた輪ゴムが取れて霞の髪の毛がはらりと自由になったけれど、わたしはそれどころではなかった。


「まだイッちゃ駄目だぜ」


自分も息を乱し始めた霞が、わたしにキスしてそう言う。


「ダメ、だってもうわたし、」

「苺ちゃんと一緒にイかないと、ちゃんと退治が出来ないから」


本当なのか分からなかったが、霞はそう言って昂ぶりを花芯の入り口辺りまで抜き、そこで擦る。


「霞、霞、わたしっ……、あ、んんっ……」


自分をそうして更に高めておき、快楽に身を縛られて動けないでいるわたしを、自分との繋がりが離れないように注意しながらひっくり返し、四つん這いにさせる。が、力の抜けかかったわたしはかくんと肘をついてしまう。


「か、すみ?」

「もっと快くさせてやるよ」


優しく意地悪くそう言い、霞は再びわたしの中を往復する。先刻より激しく、だがどこか労わるように昂ぶりが動く。

霞の手の片方はわたしの腰を抑え、もう片方は揺れる乳房を覆う。指を器用に動かし、突起を転がす。


「あっ、あ、や、そんなことしたらっ……」

「ここ、イイ?」


声は優しいが、笑みは飽くまで意地悪い。


「はっ、あ、ああっ」

「っと」


わたしの中が昂ぶりを締め付けかけたのに気付き、霞は一度引き抜く。


「いやっ、なんで……」


振り向くと、


「苺ちゃん、イきそうだったから」


にっこりと、悪魔のような優しい笑み。


「お願い、」


自分が頼もうとしていることが何なのかに直前で気付き、わたしの熱くなった頬にさらに熱が集まる。

霞には勿論分かっていただろう。


「続きは?」


髪の解けた霞が、いつもより蟲惑的に見える。見惚れて、わたしは唇を戦慄かせた。


「かす、みは……入れたく、ないの?」

「苺ちゃん次第」


ずるい、というわたしの呟きに霞は喉の奥で笑った。

霞は背後からわたしの腰骨を抑え、昂ぶりを花芯に触れさせる。それだけでわたしの腰が勝手に動いた。


「……やっ……」

「頼みたいことがあるんだろ? 叶えてやるから言ってみな?」


霞に触れられている部分がどんどん熱を持っていく。身体がどうにかなりそうで、わたしは小さく言った。


「……い、れ……て……」


霞は少しだけ、入れる。ぴくんとわたしの身体が反応する。


「俺のでいいのか?」

「い……じわるっ! 霞がいいの、霞のじゃなきゃイヤっ……!」


これだけ恥ずかしいことを言わせたのに。まだ、そんなことを言う。

ひっく、としゃくりあげ始めたわたしの滴り落ちる愛液を出している花芯に、霞は一気に昂ぶりを入れた。さっきより熱くなっている。わたしの中も更に熱く、待っていたように霞に絡み付いてきた。


「苛め過ぎた? 俺」


くすくす笑う霞は、まだ許さない。乳房に置いた手で愛撫を与えながら、腰に当てた手の指を伸ばし、花芽を擦り始める。


「やあぁっ……っ!! 霞、霞っ!!」


そう喘ぐわたしの声に、霞の息も先刻より乱れていく。両手の動きはそのままに、腰の動きを速めていく。


「苺ちゃん……苺」

「はぁっ、! あっ、あ、んんんっ、あっ、!」

「泣き虫苺……一生俺のものだからな……離さない」


わたしの霞への吸い付きが強くなり、二人同時に絶頂が来た。


「あ、あ――――――!!!」

「っ、……!」


どく、と霞が自分の中で動き、脈打つのが分かる。何度もそうして、温かいものが中に広がっていく。


ああ……本当に好きな人と繋がるって、こんなに気持ちいいんだ……。


朦朧とした意識の中で、わたしは心と身体中いっぱいに幸せを感じていた。
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