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架鞍の過去と雨の密事3
しおりを挟む「そうだよね。あんなことしたんだから、恐がられるのも恨まれるのも当然だよな」
「違う……架鞍くんのことは恐くも恨んでもない! 恐いのは、……」
恐いのは……その「行為」をすること。
元カレとの惨めな初体験のせいで、その「行為」に対してわたしはとても臆病になっていた。
察してくれたのか分からないが、架鞍くんは、置いたままの手を優しく動かし始める。
「大丈夫。痛いかもしれないけど、無茶はしないから」
無理矢理抱かれた時にはまだ分からなかったこの気持ち──さっき架鞍くんの過去を聞いた時、確信した気持ち。
これは、恋だ。
架鞍くんになら……何をされてもいい……。
「……うん……」
わたしは身をゆだねることにした。
もし架鞍くんの「想い」が本物なら……わたしのこの気持ちも、報われる気がする。
それに……無理矢理だったあの時のことを上書きしたい気持ちも強かった。
架鞍くんの手が、わたしの両胸に快感を与えていく。少し力が抜けた頃、わたしの唇にキスをした。
唇を少しずつ動かして、わたしの唇からも快びを与えてくれながら、胸に置いた手をだんだんと下に下げていく。
「つっ!」
指が少しずつ濡れ始めていた花芯に入りかけた瞬間、わたしは顔を歪めた。無理をせず、架鞍くんは今度は尖って硬くなった乳首を咥え込んだ。
わたしの口から甘い声が漏れる。
架鞍くんは脇腹や乳房、そしてその先端を舌と唇で愛撫しながら、さっきより濡れた花芯に中指を侵入させていく。
「今度は大丈夫?」
「ん……平気、そう……」
「じゃ、もう一本入れるよ」
架鞍くんの指がもう一本、侵入してくる。
「痛っ……!」
わたしは思わず自分の指を噛んで痛みを堪えようとした。それを見て、架鞍くんは片手でわたしの手を取って自分の背中に回す。
「痛かったら俺の身体に何してもいいから。あんたは自分に傷つけないで」
「でもそしたら架鞍くんが痛く……、っんっ……!」
架鞍くんに首筋を吸われて、わたしは泣くようにうめく。架鞍くんの空いた片手は、花芽に伸びている。撫で上げられて、わたしは一際高く喘いだ。
架鞍くんの指が二本、三本と入る。
「入れるよ。痛かったら言って」
「え、……あ」
花芯に熱く硬いものが宛がわれたのを感じて、わたしは身体を硬くした。
「力抜いて」
「う、ん」
震えながらも、一生懸命力が抜けるよう努力していると、架鞍くんが少しだけ入ってきた。
「あ……!」
ぎゅっと架鞍くんの背に回した両手に力が入り、架鞍くんの浴衣が乱れる。架鞍くんの指が、休むことなく花芽をこすり上げる。すると次第に、痛みが緩和されて快感の波がゆっくりとやってきた。
「痛い?」
「少し……」
「……今度は?」
「ん……平気……」
わたしの反応を確かめながら、架鞍くんは刻み込むように自分の昂ぶりをわたしの中に入れていく。
やがて、わたしたちはすっかり汗ばんでいた。
「ぜんぶ、はい、った……?」
「全部入った。これであんたの中は治ったと思う」
言われてみれば、痛みはうそのように消えていた。
わたしは自分だけでなく、架鞍くんの息までも荒いことに気づき、見上げてみる。
架鞍くんは、今までに見せたこともないような、情熱的な、けれど切ない表情をしていた。
「架鞍くん、どうしたの……? わたしのために、無理とかした?」
「違う……【例外】が来てるだけだよ」
「コントロール、出来ないの……?」
「抱きたい」
架鞍くんは喘ぐように言った。
ドキンとわたしの芯が熱く疼く。
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