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死んだ姉の日記
しおりを挟む私がまだ、二十代だった頃。
姉が死にました。
姉も、まだ二十代でした。
当時は、姉は23歳。
大学を卒業して社会人でした。
一人暮らしの部屋で亡くなっていました。
心不全だったとの事…。
そんな心臓が悪い様な人間じゃなかったのに。
むしろいつもピンピンしてたのに…。
********
そしてここから奇妙な話。
死んだ姉の日記が、奇妙だった。
極端に物が少ない部屋。
昔から姉は、ものが少ない人だった。
物が少なく整頓された、その部屋の真ん中の床にポツンと雑に一冊のノートが置かれていた。
それは、姉の日記だった。
亡くなる数日前も姉は日記を書いていた。
『6月7日 どうやら、道に迷ってしまったようです。どこを見ても真っ白で、吹雪で寒くて堪りません。唯一の救いは、山小屋らしき建物を見つけたこと。』
『6月8日 吹雪がやみました。でも、寒くてここから出ようと思いません。ここで救助を待つことにします。暖は取れず、水もありませんが、少しだけ食料があります。ありがたい。信じたくないけど、私はどうやら、遭難してしまったみたいです。』
『6月9日 ついに食料が尽きました。これが絶望というのでしょうか。』
『6月10日 おなかがすいた。くるしい。』
『6月11日 どうやら救助が来たみたい。音がします。よかった。助かった。』
姉が亡くなる直前5日間の日記です。
ちなみに、姉は山登りなんてしたことありません。
遭難したことなんてないです。
もちろん、当時姉が住んでいたのは6月の九州。
寒くなんて有りません。
雪なんて降りません。
この奇妙な日記の意味が、わかる方は教えてください。
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