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第三話 危機的状況

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 貴族学院に入学してから2ヶ月が経った。

 今日は初めてのダンジョンでの授業だ。

 本当なら、リボルバーを使いたいがあれは色々と面倒になりそうだ。

 だから、普通の魔法具を使用しようと思っている。

 魔法具の最終確認しながら、教師の説明を聞いていると怒号が聞こえてきたのだ。

 自然と視線はそちらの方に向けられる。

 あそこにはAクラスが居たはずだ。

 そこには固まった男達が1人に少女に詰め寄っていたのだ。

 何が起きているのだ?

 そんな疑問を抱いてしまった。

 視線を向けているとある者を見つけてしまったのだ。

 おいおい、本当にクズに成り下がるようだな。

 兄、いやクズ野郎が。

 3歳下の少女に詰め寄って。

 しかも、集団で。

 反吐が出そうだ。

 何故、あんなクソ野郎と血が繋がっているのだ?

 嫌悪しているとあることに気がついた。

 教師も生徒もおかしいことに。

 目の前でこんなことが起きてるのに何故誰も動かない?

 ああ、クソが。 

 この状況で見捨てられる訳無い。

 そう思い、駆け出したのだが、集団の中の1人が懐から何かを取り出したのだ。

 昔から魔法具を作成していた私には分かる。

 あれは使い捨ての転移魔法具。
 
 何処かに飛ばすつもりか?

 間に合え。

 無理だ。

 普通に走ったら。

 なら。

 そう思い、私は緊急回避用の魔法具を使用したのだ。

 すると、瞬間的に加速し、何とか潜り込むが出来た。

 そして、私、いや、私達は知らない場所に転移したのだ。

 光に包まれて。

 光が晴れると私は知らない森の中にいた。

 後ろをちらりと振り向くと囲まれていた少女がいたのだ。

 声を掛けようとすると目の前から唸り声が聞こえてきた。

 直ぐに視線は目の前に向けたのだ。

 視線の先にはブラックタイガーがいた。

 B級の魔物か。

 「ごめんない。私のせいで」

 「謝らなくていい。自分から巻き込まれにいったからな。それよりもこれから見ることは秘密にしてくれ」

 そう言い、私はホルスターからリボルバーを抜いたのだ。

 そして、引き金を引いた。

 すると、轟音と共にブラックタイガーの前足が吹き飛んだ。

 何も躊躇することなく、私は引き金をまた引いた。

 6発目をブラックタイガーに撃ち込んだが、既に死んでいたのだ。

 3発で充分だったな。

 そんなことを思いながら、シリンダーを横に出し、銃口を上に向けた。

 すると、重力によって、空薬莢が地面に落ちたのだ。

 私は通常弾薬を1つ1つシリンダーに装填し、ホルスターに戻した。

 そして、私は後ろにいる少女の方を振り向いたが、固まってしまった。

 こ、この感情なんだ?

 何故か、初対面の少女が愛おしく思う。

 まさか、いやあり得ない。

 「あの、私の顔に何かついているのですか?」

 「いや、済まない。少し考え事をしていただけだ」

 取り敢えず、落ち着け。

 自己紹介をしなければいけない。

 その後は安全な場所に。

 そう思い、私は少女の方に向き直った。
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