上 下
2 / 18

第二話 貴族学院

しおりを挟む

 王都に到着した私は貴族学院に入学したのだ。

 貴族学院にはクラスが分かれている。

 AからDクラスに。

 私はBクラスだった。

 そして、この貴族学院で過ごす寮は1人1部屋だ。

 普通なら使用人がいるので、隣に使用人の部屋がある。

 だが、私は両親に使用人は要らないと伝えているので、1人だ。

 私は誰かに世話されるのは申し訳なくなってしまう。

 貴族なら慣れるべきなのだが、両親はそれを受け入れてくれた。

 本当に優しい。

 親孝行はしないとな。

 それから、私は貴族学院に通い始めた。

 座学に始まり、様々なことを学ぶ。

 ある日、いつもと違う教室に向かって、歩いていると私の兄とすれ違った。

 兄は私に気が付け、ある表情を浮かべた。

 私に向けるように。

 その表情は私のことを馬鹿にするようなものだった。

 ハァ、またか。

 両親が居ないときはいつもあの表情だ。

 内心でため息をついていたら、兄は既にこの場から去っていた。

 私はまた歩き始めた。

 はっきり言おう。

 私達は両親に似てない。

 両親は優しく、慈悲を持ち合わせている。

 そのため、災害が起きた時などは無償の支援を行っているのだ。

 なので、多くの者達が両親のことを好意に見ている。

 のだが、私達は全く違う。

 まず、兄はよくいる貴族の考えの持ち主だ。

 自身のことを選ばれた者と思い、慈悲を持ち合わせていない。

 そして、無属性のことを馬鹿にしている。

 昔、無属性に対する差別はあっていたが、今はもうない。

 のに、差別する。

 だから、私のことを差別し、馬鹿にしているのだろう。

 まぁ、単純に自身よりも下の人間という者勝手に決め、安心したいだけだ。

 兄、いや、あれと血が繋がっているなんて、寒気が走る。

 だが、私もあまり変わらない。

 私は別に優しくもないし、慈悲も持ち合わせていない。

 合ったとしても最低限しか無い。

 無いよりはマシだと思うがな。

 私は興味がないから、差別しないだけだ。

 だから、私達は両親に似てない。

 でも、私はそんな両親が好きだ。

 苦労だけは掛けたくない。

 だから、婚約者を作らなければ行けないのだが、まだ良いだろう。

 暫くは。

 そんなことを思っていると教室に到着した。

 その教室に到着してから、5分後に授業が始まったのだ。

 今、私が受けている授業は魔法に関するもの。

 この貴族学院では魔法の属性によって、授業が異なる。

 無属性の生徒達は魔法具関係の授業を行う。

 だが、私の魔法具の作成に関しては既に卒業レベルまで達している。

 だから、授業中は結構暇だ。

 課題を終わらせたら、次のことを考えている。

 まぁ、それなりに学院生活を楽しんでいる。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ねえ、旦那様

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,256pt お気に入り:69

従妹と親密な婚約者に、私は厳しく対処します。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:702pt お気に入り:1,582

ゲームの裏切り者に転生したが、裏ボスも反転していました

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:6

異世界で至った男は帰還したがファンタジーに巻き込まれていく

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:13

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

BL / 連載中 24h.ポイント:3,225pt お気に入り:1,474

処理中です...