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第二十五話 王命
しおりを挟む何事も無く、王立学園に到着した。
王立学園に到着すると、話を聞いたのか生徒の保護者達が待っていたのだ。
勿論、その中にはナスーリ子爵もいた。
馬車が到着すると、生徒達は保護者達の元に向かった。
それはメスリーも同じだった。
私はメスリーの方を向いた。
メスリーの方を向いていると、ベアーグ男爵と呼ばれた。
呼ばれた方を振り向くと、保護者の貴族達が立っていた。
私はお礼を言われた。
守ってくれて感謝すると。
「私は当たり前のことをしただけです。気にしないで下さい」
貴族の対応を終えると、ナスーリ子爵とメスリーがやって来た。
「レーク君。娘を救ってくれてありがとう」
「ナスーリ子爵、私はただ大切な婚約者を守るために戦っただけです。なので気にしないでくれ」
「そうか。だがな、メスリーから聞いたのが」
その瞬間ナスーリ子爵は目が笑ってない笑顔を浮べた。
あ、やばい。
バレたのか。
私はメスリーの方を向いた。
メスリーは手でごめんとしていた。
「レーク君はメスリーに膝枕をしてもらったみたいだな」
ナスーリ子爵はその笑顔のまま、私の右肩に手を置いた。
「それについて聞いても?」
「あ、はい」
その後、ナスーリ子爵の屋敷に連行され、事情を聞かれた。
2時間後ぐらいに開放された。
その間、くれぐれも節度を持つように言われ続けた。
自分の屋敷に帰った時には疲れ果てしまった。
その日からは事態の把握と安全の強化のために、王立学園は1週間休みになった。
メスリーに会いに行こうとしたが、王城から使者がやってきた。
王命で王城に呼ばれたのだ。
私は身支度を整え、馬車に乗り込み、王城に向かった。
王城に到着すると、王城の使用人に案内され、応接室に到着した。
応接室の中に入ると国王陛下とドレスを着た見たことがない令嬢がいた。
国王陛下に着席を促したので、ソファーに座った。
「よく来てくれた、ベアード男爵」
「王命ですので」
「うむ。それよりも紹介しよう。私の向かいにいるのは帝国の第一皇女殿下だ」
帝国の第一皇女だと。
「何故、帝国の第一皇女殿下がこの場にいらしゃるのですか?」
「それについて、今から説明する」
国王陛下は説明を始めた。
説明によると、第一皇女殿下はこの国に亡命してきたみたいだ。
そして、第一皇女殿下はこの国に元の帝国を取り戻す為に協力を依頼した。
「事情は理解しました。ですが、私が呼ばれた理由が分かりません」
「簡単なことだ。ドラゴン殺しのベアード男爵に王命を出すからだ。事態を解決しろと」
そういうことか。
最悪失敗したとしてもきれる人材が私だったということか。
「分かりました。王命を拝命致しました」
国王陛下は満足そうに頷いた。
「最後に1つだけ、このことは婚約者に伝えるのは駄目でしょうか?」
「ならん。この王命は秘密裏のものだ。ナスーリ子爵家には私の方から依頼だと伝えておく」
「理解しました。では、準備があるので私はこれで失礼します」
私は応接室から退室して、屋敷に帰った。
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