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第二十四話 刺客

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 黒い何かを倒した私と命を掛けて時間を稼いだ兵士達がこの国の王から報酬を受け取ることになった。

 兵士達はお金と勲章と騎士の地位が褒美として渡された。

 回復魔法を放った兵士は他の兵士達よりも少しだけ多く金が渡された。

 だが私は男爵の地位を持っているので、紋章と金を褒美として渡された。

 その後、パーティーが開かれたが、私は貴族達に囲まれた。

 囲んできた貴族の中には娘との婚約を進めてくる者もいた。

 私は大事な婚約者がいると言い一蹴した。

 ちなみに、メスリーはパーティーに参加してない。

 学園側が危険だと判断し、参加させ無かったのだ。

 私は主役のため参加するしか無かった。

 まぁ、私が強いのも関係していると思うが。

 私は何とかパーティーを終わり、王城に泊まることになった。

 時間が遅かったので。

 今日のパーティーは何も楽しく無かった。

 やっぱりメスリーがいないとな。

 そんなことを考えながら、ベッドの中に入った。

 やることもないので寝た。

 夜中に喉が乾いたので起きてしまった。

 水を取ろうと動こうとすると、気配を感じた。

 その気配からは殺気を感じた。

 私は動くまで待機した。

 どれぐらい経ったか分からないが、その気配が足音を消し近づいてきた。

 私の横に立つと、何かを抜く音が聞こえた。

 布団を勢い良く捲り、気配の方に向かって投げた。

 気配の者はいきなりのことで対応出来ずにそのまま布団に包まれた。

 私はベッドから飛び降り、気配の者の布団を剥ぎ取った。

 そして、私は気配の者の前襟を右手で持ち、気配の者は右手の袖を左手で持った。

 そのまま背負投をした。

 いきなり背負投された気配の者は受け身を取れず地面に叩きつけられた。

 地面に叩きつけられた気配の者を寝技で拘束し、首を絞めた。

 私の拘束から逃れようと抵抗しているが、私が離すことは無い。

 徐々に抵抗は無くなり、最終的には抵抗が無くなった。

 無力化出来たか。

 私は紐で手と足を縛った。

 縛ってから襲ってきた者を確認することにした。

 気絶した者は黒い布で目以外全てを隠していた。

 暗殺者か。

 何が目的だ。

 私は人に恨まれるようなことはしてないぞ。

 いや、1つだけあるな。

 今日の昼間に倒した黒い何かの製造者。

 何かしらをしようとしていたのだろう。

 それを私は邪魔をした。

 だったら殺される理由にはなる。

 ハァ、面倒くさいことになりそうだな。

 取り敢えず、報告するか。

 夜に警備していた衛兵を呼び、暗殺者の襲撃があったことと暗殺者の身柄の引き渡しを行った。

 それからは寝ることが出来なかった。

 状況の説明と各所からの謝罪で。

 朝を迎えてから王立学園にも連絡がいき、先生が迎えに来てくれたのだ。

 そのまま私は王立学園の生徒が泊まっている宿に帰った。

 宿に着くと、メスリーが心配な表情を浮かべながら、待っていたのだ。

 どうやら話を聞いているみたいだ。

 メスリーが私に怪我無いことを確認すると安堵の表情を浮べた。

 心配させてしまったな。

 これは失敗だな。

 1日早いが、私達は帰ることになった。

 理由としては生徒の安全を守るためだ。
 
 コロシアムの魔物の暴走に、暗殺者の襲撃。

 納得の理由だ。

 直ぐに帰りの支度をし、私達は馬車に乗り込んだ。
 
 馬車は直ぐに出発した。

 私は帰りの馬車で欠伸をしてしまった。

 眠い。

 ほぼ徹夜したからな。

 「眠いの?レーク」

 「ああ、ほぼ徹夜だったから」

 「着きそうになったら、僕が起こすよ。だから、ゆっくり寝ても大丈夫だよ」

 「その言葉に甘えさせて貰うよ」

 私は眠った。

 どれぐらい経ったか分からないが、目が覚めた。

 私は馬車に寄り掛かって寝ていた筈なのに、寝転がっている。

 しかも、後頭部には柔らかい感覚を感じる。

 「あ、起きた。レーク」

 何故か、メスリーの声が上から聞こえたのだ。

 目を開くと、上にメスリーがいたのだ。

 上にメスリーが?

 ま、まさか、膝枕してくれているのか。

 「メ、メスリー。ま、まさか、私のことを膝枕しているのか?」

 「うん、しているよ。レークが眠そうだったから」

 私は顔を赤くしてしまった。

 「メ、メスリー。誰もいないとはいえ恥ずかしい」

 「レークは頑張ったから、これは僕からの報酬だよ。それに、照れているレークも新鮮だから、このままだよ」

 この褒美は最高だな。

 褒美で貰った金と勲章の何倍、いや、比べることも出来ない。

 他人の評価よりもメスリーの評価の方が大事だからな。

 私は途中で泊まる宿まではメスリーに膝枕をして貰った。

 
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