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第三十六話 決着

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 俺は、コージと作戦は、事前に、会議していた。

 作戦は、俺が、ソニアから、情報を貰い、的確に攻撃する。

 そして、コージ率いる裏組織の残党達は、時間稼ぎと、囮が目的だ。

 約束の5時間が経った。

 先に攻撃を始めたのは、コージ達だ。

 コージ達は、手に持っている小火器を撃ち始めた。

 俺は、89式を持って、待機していた。

 待機していると、耳につけているイヤホンから声が聞こえて来た。

 ソニアは、「宗佑さん、右腕に攻撃して下さい」

 俺は、頷いてから、照準を右手に定めた。

 3点バーストで、撃った。

 発射された銃弾は、巨人に傷を作った。

 そして、その傷は、消えることが無かった。

 よし、傷ついた。

 俺は、89式の弾が無くなるまで、撃ち続けた。

 よし、撃ち切った。

 俺は、弾が無くなった89式を地面に捨てて、肩にかけていたMP7A1を手に取った。

 余裕そうな表情を浮かべていた巨人は、初めて表情を変えた。

 痛みの表情に。

 巨人の右腕は、ボロボロになり、使い物にならなくなっていた。

 茉里が、「宗佑。次は、右足だよ」

 俺は、MP7A1を右足に照準を定めた。

 フルオートで、撃った。

 発射された銃弾は、確実に、巨人に傷を作った。

 全ての弾を撃ち切る頃には、右足が、使い物にならなくなり、膝をついていた。

 よし、いけるぞ。

 俺は、弾切れになったMP7A1を地面に捨て、レミントンM870に持ち替えた。

 このままいけると思っていたが、甘かった。

 巨人は、口に何かを溜めていた。

 それは、赤く光っていた。

 巨人は、コージ達の方に向き、赤い何かを放った。

 それは、レーザービームだった。

 赤いレーザービームは、射線上にいた者達を消し去った。

 何も残らなかった。

 死体も銃も服も。

 巨人は、再びレーザービームを溜め、俺の方を向いた。

 は、範囲が広過ぎて、回避出来ないぞ。

 これで、終わりかよ。

 突然、声が聞こえて来た。

 「俺達よりも若くて、俺達みたいにクズじゃない男が戦っているんだ。そんな男の盾にならないでどうする?」と言い、黒い目出し帽をつけた男は、後ろを向いた。

 後ろに居た者達は、頷いて答えた。

 男は、前を向き、持っているAK-47を巨人に向け、「どうしようもない生き方をしてきたが。ここで、囮にでもなれば、少しは、罪を軽減できるだろう。撃て、撃て、撃て、撃ちまくれ。撃ちまくって、気を引き続けろ」

 後ろに居た男達は、少しでも気を引こうかと、雄叫びを上げながら、小火器を撃ちまくっていた。

 巨人は、その者達の方を見て、レーザービームを放った。

 勇敢な者達は、消え去った。

 俺の見違えでなかったら、勇敢な者達は、最後に笑っていた。

 まるで、満足したように。

 無駄にはしない。

 あの勇敢な者達が、作り出した時間を。

 ソニアが、「次は、左足を狙って下さい」

 俺は、レミントンM870を左足に照準を定めた。

 俺は、撃ちまくった。

 弾切れになったら、クアッドロードを使用し、素早くショットシェルをリロードした。

 素早いリロードのお陰で、巨人には、反撃のチャンスを与えなかった。

 巨人の左足は、使い物にならなくなり、両膝をついていた。

 俺は、弾切れになったレミントンM870を地面に捨て、ベレッタM92を2丁抜いた。

 巨人は、また赤いレーザービームを溜めている。

 くそ。

 もう殆ど、残ってないぞ。

 そんなことを思っていると、巨人に、機銃が、着弾した。

 な、なんだ?

 俺は、空を見た。

 空を見た俺は、驚きを隠せなかった。

 空を飛んでいたのは、T-4中等練習機。

 高い運動性から、ブルーインパルスにも使用されている。

 練習機は、大丈夫だったのか。

 だが、あれは、非武装な筈だ。

 ま、まさか、短時間の間に、武装させたのか。

 援護に感謝する。

 巨人は、空を飛んでいるT-4中等練習機に気を取られていた。

 茉里は、「宗佑。左腕を狙って」

 俺は、2丁のベレッタM92を左手に照準を定めた。

 俺は、弾が無くなるまで、撃ちまくった。

 弾が撃ち切る頃には、巨人の左腕は、使い物にならなくなっていた。

 弾が無くなった2丁のベレッタM92を地面に捨てた。

 T-4中等練習機は、燃料が厳しいのか、撤退してしまった。

 俺は、切り札を取り出した。

 だが、巨人は、完全に俺の仕業と理解し、俺の方を向いていた。

 そして、赤いレーザービームを溜めていた。

 殺意が向いている。

 あと少しだ。

 あともう一回チャンスがあれば。

 コージは、「コッチダ。バケモノ」

 コージは、パンツァーファスト3を持っていた。

 そして、撃った。

 コージが、撃った弾は、巨人の胸に着弾し、皮膚を削った。

 そして、赤い何かを露出させた。

 その攻撃に逆上した巨人は、コージの方を向き、赤いレーザービームを放った。

 その時、俺には、コージの声が、ハッキリ聞こえた。

 コージは、満足そうに笑いながら、「コウスケヲマモレルナラ、Shall we dance」

 コージは、赤いレーザービームによって、消え去った。

 何も残さず。

 コージ。

 仇は、任せてくれ。

 そして、コージが、命をかけて、作り出した時間だ。

 これで、決める。

 茉里とソニアが、「「宗佑(さん)。赤い核を」」

 俺は、片膝をつき、切り札を構え、ロックオンした。

 コージが、露出させた赤い核に。

 俺は、「喰らいやがれ。こいつは、俺の切り札だ」

 俺が、引き金を引くと、ミサイルは、空に向かって、飛んだ。

 やがて、そのミサイルは、赤い核に向かって、降り始めた。

 ミサイルは、巨人の赤い核に着弾し、破壊した。

 俺の切り札は、FGM-148ジャベリン。

 トップアタックモードで、攻撃した。

 巨人は、悲鳴を上げながら、バランスを崩した。

 バランスを崩した巨人は、倉敷高校の校舎に倒れ込んだ。

 そして、巨人は、それ以降、動くことも話すことも無かった。

 
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