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討伐隊選出
113 神の人形(2)
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◆登場人物紹介(既出のみ)
・リリアン…前世(前・魔王討伐隊『英雄』のアシュリー)の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。転移の魔法などの神秘魔法を使う事が出来る。
・デニス…Sランクの先輩冒険者。今回の討伐隊での冒険者の『英雄』
・サティ(サテライト)…獣人の神、ギヴリスの助手のゴーレムで、シルディス神に従っている。
====================
時を置かずして、入り口のカーテンが勢いよく開けられ、誰かが入って来た足音が二人分聞こえた。
狭いカーテンの中で、私の頬にくっついているデニスさんの胸からの心の音が、いつもより早く大きく鳴ってるように感じる。
「サティは居るか?」
「はい、ここに」
知らない若い青年の声がする。それに応えるサティさんの言葉をも、聞き洩らさぬように耳を澄ませる。
「……随分減ったな?」
「あれから、長い時が経っておりますので」
「以前にも言ったが、この女神は既に死んでいる。これはもう私たちの抜け殻でしかない。こんなものを後生大事に抱えて居てもなんの解決にもならないだろう。それより、あいつに食わせて……」
そこで青年の声は、何かを思い出したように、一度切れた。
「そうだ。マリー、この国はどのくらい残っているんだ」
マリーと…… 青年が、もう一人の同行者をマーニャさんの本当の名で呼んだ。
「それぞれの国境まで、馬車で五日か六日程でしょうか……」
答えた声は、確かにマーニャさんだ。
握ったままになっていた、デニスさんの手に力が入ったのがわかった。
「のんきな事だな…… こうしてずっと問題を後に送って来たのか」
「しかたありません。この事を知る者はもう僅かしか居ないのです」
「このタイミングで、なんで僕がまた召喚されたんだ? いや、僕が最後なのか?」
独り言のような呟きの後で、青年はもう一度「サティ」と、神のゴーレムの名を呼んだ。
「後でまた来るから、僕の居なかった間の記録をまとめておいてくれ」
「わかりました」
サティさんの返事に続いて、再びカーテンが開く音に重なる二人分の足音がだんだんと遠ざかっていき、静かな時間が訪れた。
「もうお帰りになられました」
こっちに向けた言葉を聞いて、そっと隠れていた場所から抜け出した。
「……マーニャ、だったな」
「はい。でも男の方はマリーと呼んでいました。マーニャさんの名前を知っている、彼はいったい……」
「あの方は今代の『勇者』です」
デニスさんとのやり取りに、サティさんが答えを出した。
「神の国から召喚された?」
「はい」
「貴女はマリーさんの事も知っているの?」
「マリーは初代の神巫女の娘で、二代目の神巫女です」
――――――――
神代の時代。
この国は一人の女神によって、平和と安泰が与えられていた。
人々は女神を敬い、女神は人々を愛くしんだ。
ある時、女神の元に国の外からある男が訪ねて来た。
その男は言葉巧みに女神に近づき、そして事もあろうに神巫女に懸想した。
女神への信仰を持たぬ者など、ましてや神巫女になど、許される恋慕ではない。
女神と神官たちは怒り、男を追い出そうとした。
しかし神巫女を諦められない男は、神巫女を手にかけ、その遺骸を抱えて国外へと逃げた。
――――――――
「初代の神巫女って、神話にある、男が懸想したという神巫女、か……?」
デニスさんの問いにサティさんは答えず、やはり不快そうに眉をひそめた。
「サティさん。神話にある『男に奪われた神巫女』が、初代の神巫女なんですか?」
「その通りであり、その通りではありません」
彼女は、私の問いにはきちんと答える。
「どういう事だ?」
サティさんに話しても無視される事をわかってか、デニスさんは私に向かって話し掛けた。
「神話にある神巫女が、初代の神巫女ですか?」
「はい」
「……でも死んだのは神巫女ではないんですね」
「はい」
「薄々、おかしいとは思っていたんです。神話が間違っているんでしょう」
「え!?」
「神話にある『男』とシルディス神は、元より恋人同士だったんです。だから『男』が懸想したとされる相手は神巫女ではない」
「御意に」
それを聞いたサティさんは、にやりと笑った。
「神が害された事を隠したかったんでしょう。神の信仰を礎にしてこの国は建っていたのです。神が居なくなったとなると、人々をまとめ上げることが出来なくなる。だから『神巫女』と『女神』を入れ替えた」
そして初代の神巫女は女神に成り代わった。おそらく神巫女はエルフだったのだろう。だから、シルディス神の姿はエルフに酷似しているのだ。
「そしてシルディスに最初に手をかけたのは『男』ではないんです。彼は『もう助からない』彼女を苦しみから救う為に殺したのだと。ならば、その『苦しみ』を与えた者が他にいるはずです」
そう言って、サティさんを見る。
「それはこの国の者…… 教会の者ですか?」
「御意に」
――――――――
神官たちは慌てて後を追った。
彼らは男を追い詰め、神巫女を取り戻した。が、遅かった……
神巫女は…… すでにその身の一部を男に食われていたと言う。
――――――――
「……その先の話も間違っているのか? 『男』が、神巫女の遺骸を食らったというのは……」
「それも半分正解なのでしょう…… 食らった遺骸は神巫女の物ではない……」
台座の上の『彼女』に視線を向ける。
「その通りです」
サティさんが淡々と応えた。
「そして、神官たちはその事を知った。だから、神秘魔法が使えるようになった……」
「……神秘魔法……? 以前に言っていた、鑑定の魔法とか、か?」
「はい、あと転移魔法などですね。他にもありますが……」
「教会の魔法使いしか使えないって言っていたヤツだよな…… え!?」
思い付いたように、デニスさんも『彼女』の方を見る。
「って事は教会のヤツらって……」
「上層の者のみ口にする事ができる、『神酒』が教会にはあるそうです。酒精に混ぜて振る舞われているのでしょう」
酒…… ああ、そうか……
自分で言った言葉で気が付いた。
「そうか。そういえば、マーニャさんはお酒には強かったですよね」
====================
(メモ)
・マコト(真)…神の国(日本)から召喚された、今回の『勇者』。本人曰く、初代の勇者と同一人物らしい。
・マーニャ(マーガレット/マリー)…2代前の『英雄』で、且つ今回の討伐隊の教会の『英雄』。マーニャの名で冒険者をしていた。
マリー(#105)
討伐隊の記憶(#77、#108)
神話(#32)
神秘魔法(#29)
(Ep.5)
(Ep.16)
・リリアン…前世(前・魔王討伐隊『英雄』のアシュリー)の記憶を持つ、黒毛の狼獣人の少女。転移の魔法などの神秘魔法を使う事が出来る。
・デニス…Sランクの先輩冒険者。今回の討伐隊での冒険者の『英雄』
・サティ(サテライト)…獣人の神、ギヴリスの助手のゴーレムで、シルディス神に従っている。
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時を置かずして、入り口のカーテンが勢いよく開けられ、誰かが入って来た足音が二人分聞こえた。
狭いカーテンの中で、私の頬にくっついているデニスさんの胸からの心の音が、いつもより早く大きく鳴ってるように感じる。
「サティは居るか?」
「はい、ここに」
知らない若い青年の声がする。それに応えるサティさんの言葉をも、聞き洩らさぬように耳を澄ませる。
「……随分減ったな?」
「あれから、長い時が経っておりますので」
「以前にも言ったが、この女神は既に死んでいる。これはもう私たちの抜け殻でしかない。こんなものを後生大事に抱えて居てもなんの解決にもならないだろう。それより、あいつに食わせて……」
そこで青年の声は、何かを思い出したように、一度切れた。
「そうだ。マリー、この国はどのくらい残っているんだ」
マリーと…… 青年が、もう一人の同行者をマーニャさんの本当の名で呼んだ。
「それぞれの国境まで、馬車で五日か六日程でしょうか……」
答えた声は、確かにマーニャさんだ。
握ったままになっていた、デニスさんの手に力が入ったのがわかった。
「のんきな事だな…… こうしてずっと問題を後に送って来たのか」
「しかたありません。この事を知る者はもう僅かしか居ないのです」
「このタイミングで、なんで僕がまた召喚されたんだ? いや、僕が最後なのか?」
独り言のような呟きの後で、青年はもう一度「サティ」と、神のゴーレムの名を呼んだ。
「後でまた来るから、僕の居なかった間の記録をまとめておいてくれ」
「わかりました」
サティさんの返事に続いて、再びカーテンが開く音に重なる二人分の足音がだんだんと遠ざかっていき、静かな時間が訪れた。
「もうお帰りになられました」
こっちに向けた言葉を聞いて、そっと隠れていた場所から抜け出した。
「……マーニャ、だったな」
「はい。でも男の方はマリーと呼んでいました。マーニャさんの名前を知っている、彼はいったい……」
「あの方は今代の『勇者』です」
デニスさんとのやり取りに、サティさんが答えを出した。
「神の国から召喚された?」
「はい」
「貴女はマリーさんの事も知っているの?」
「マリーは初代の神巫女の娘で、二代目の神巫女です」
――――――――
神代の時代。
この国は一人の女神によって、平和と安泰が与えられていた。
人々は女神を敬い、女神は人々を愛くしんだ。
ある時、女神の元に国の外からある男が訪ねて来た。
その男は言葉巧みに女神に近づき、そして事もあろうに神巫女に懸想した。
女神への信仰を持たぬ者など、ましてや神巫女になど、許される恋慕ではない。
女神と神官たちは怒り、男を追い出そうとした。
しかし神巫女を諦められない男は、神巫女を手にかけ、その遺骸を抱えて国外へと逃げた。
――――――――
「初代の神巫女って、神話にある、男が懸想したという神巫女、か……?」
デニスさんの問いにサティさんは答えず、やはり不快そうに眉をひそめた。
「サティさん。神話にある『男に奪われた神巫女』が、初代の神巫女なんですか?」
「その通りであり、その通りではありません」
彼女は、私の問いにはきちんと答える。
「どういう事だ?」
サティさんに話しても無視される事をわかってか、デニスさんは私に向かって話し掛けた。
「神話にある神巫女が、初代の神巫女ですか?」
「はい」
「……でも死んだのは神巫女ではないんですね」
「はい」
「薄々、おかしいとは思っていたんです。神話が間違っているんでしょう」
「え!?」
「神話にある『男』とシルディス神は、元より恋人同士だったんです。だから『男』が懸想したとされる相手は神巫女ではない」
「御意に」
それを聞いたサティさんは、にやりと笑った。
「神が害された事を隠したかったんでしょう。神の信仰を礎にしてこの国は建っていたのです。神が居なくなったとなると、人々をまとめ上げることが出来なくなる。だから『神巫女』と『女神』を入れ替えた」
そして初代の神巫女は女神に成り代わった。おそらく神巫女はエルフだったのだろう。だから、シルディス神の姿はエルフに酷似しているのだ。
「そしてシルディスに最初に手をかけたのは『男』ではないんです。彼は『もう助からない』彼女を苦しみから救う為に殺したのだと。ならば、その『苦しみ』を与えた者が他にいるはずです」
そう言って、サティさんを見る。
「それはこの国の者…… 教会の者ですか?」
「御意に」
――――――――
神官たちは慌てて後を追った。
彼らは男を追い詰め、神巫女を取り戻した。が、遅かった……
神巫女は…… すでにその身の一部を男に食われていたと言う。
――――――――
「……その先の話も間違っているのか? 『男』が、神巫女の遺骸を食らったというのは……」
「それも半分正解なのでしょう…… 食らった遺骸は神巫女の物ではない……」
台座の上の『彼女』に視線を向ける。
「その通りです」
サティさんが淡々と応えた。
「そして、神官たちはその事を知った。だから、神秘魔法が使えるようになった……」
「……神秘魔法……? 以前に言っていた、鑑定の魔法とか、か?」
「はい、あと転移魔法などですね。他にもありますが……」
「教会の魔法使いしか使えないって言っていたヤツだよな…… え!?」
思い付いたように、デニスさんも『彼女』の方を見る。
「って事は教会のヤツらって……」
「上層の者のみ口にする事ができる、『神酒』が教会にはあるそうです。酒精に混ぜて振る舞われているのでしょう」
酒…… ああ、そうか……
自分で言った言葉で気が付いた。
「そうか。そういえば、マーニャさんはお酒には強かったですよね」
====================
(メモ)
・マコト(真)…神の国(日本)から召喚された、今回の『勇者』。本人曰く、初代の勇者と同一人物らしい。
・マーニャ(マーガレット/マリー)…2代前の『英雄』で、且つ今回の討伐隊の教会の『英雄』。マーニャの名で冒険者をしていた。
マリー(#105)
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