母ちゃんとオレ

異界館とオレ

2話

「新しい質問をお聞きしましょうか？」
「あ…はい…」

いや、待った
オレの質問はこう…

『1回目の人生の時みたいに、やり直したユウトくんがいる世界には行けるのか』

だけど、ここのルールでは他の人の事は一切教えられないと言うし…
もしも、下手にそれを聞いて、会えるものも会えなくなったら元も子もない

「どうしましたか？…ご質問は？」
「い、いえ…大丈夫です…」
「そう言うと思いましたw」
「思うのではなくて、わかっているのでしょう？」
「はいw」

オレの質問は聞かなくてもわかってるのだろうか…
でも、さっきのQ&Aでは、『オレの思い描いた世界に行く』との事だった
その言葉が本当なら、一回目とまるまる同じ人生に行く事だって出来るはずだ

また同じ一回目を望むなんて、すごく無駄に思えるかもしれないけど

でも、案外そういうオレは居るんじゃないかなw

なんとなくそう思う…

きっと…

『やり直し』って事自体、本当は無駄なことなんだろう…

オレはまた椅子に座った
一度しか座ったことないのに、なぜか懐かしく感じる

「よろしいでしょうか？…ハッキリと思い浮かべましたか？」
「はい…大丈夫です」
「では…一応お伝えしますが、あなたの次の人生は23歳までとなります…覚悟はよろしいですね？」
「知っているでしょう？w」
「はいw」
「お願いします」
「では…良き運命の旅を…」

オレはまた眠くなって…