母ちゃんとオレ

ヨッシー

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セリナちゃんともう1人のオレ

1話

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オレは父さんにトンネルで一旦停まってもらって、質問してもらった

「どうする?」
「なんでもないw…ごめん、父さん…もうこれでいいんだ…病院に帰ろう」
「お、おお…」
「ごめんねw…いつか話せたら話す」
「わかった…まぁ、聞かないでおくよ」
「ありがと…さすがだね、カッコいいね」
「あははw…だろ?w…じゃあもう出るね」
「うん」

オレはもう1人のオレを探してみた
でもなんにも見えない
オレはこの世界を頑張るよ
君も頑張ってね、カオくん…

父さんは最寄りの出口で降りて、Uターンして、もう一度高速に乗った
病院に着いていろいろな手続きをして、家に帰る
それから葬儀やらで忙しかったけど、ユウトくんとハルちゃんとそれぞれの両親と、セリナちゃんと会えて、少しホッとした

「カオくん…元気出してね」
「ありがとハルちゃん…」
「ギュッとしてチュウしよっか?」
「あははw…うん」
「えーw…セリナさんに殺されるw」
「うふふw…してあげてよ」
「してやれw」
「うんw…ギュゥ…チュ」
「あははw…嬉しいよ、ハルちゃん(懐かしいな…ハリマグロキッス)…セリナちゃんはしてくれないの?」
「え///…こんなみんないるとこで恥ずかしいよ///」
「ずるい!…アタシにはやらせたのに!」
「いやいやでやってたの?…シュン」
「そ、そんな事ないよぅ…」
「あははw」
「あ、からかったね?」
「ゲラゲラww…けど、ほら…セリナさん」
「えー///」
「してくれないんだ…シュン」
「…ギュゥ…チュ///」
「あははw…してくれたw」
「やるなあ、カオくんwww」
「あはははw」
「ずるい、カオくんw」
「ね、ずるいずるいw」
「けどさ…案外元気そうで良かったよ…オレもしようか?」
「うん!」
「はははw…ギュゥゥ…チュゥ」
「へへ///」
「え?…なんかユウトのが一番嬉しそうじゃない?」
「ね!…まさか…」
「当たり前だろ?…オレとカオくんの絆はマリアナ海溝より深いんだから…な?」
「ブバフww…うんww」
「お前らはせいぜいダイオウグソクムシくらいの深さだ」
「ブバフw…ゲラゲラww」
「なんかムカつくね」
「ね…」
「ムカついてないでセリナちゃん、こっち来て…ギュ」
「あ、うん///」

オレはセリナちゃんの手をとり、父さんのとこに行って紹介した

「父さん、セリナちゃんだよ」
「は、はじめまして///…早川セリナです…よ、よろしくお願いします///」
「はじめましてw…おお、写真よりかわいいじゃないか」
「うん、だよねw」
「カ、カオくん///(パァァァァ)」
「お胸もあるよ」
「カオくんてば!///」
「あはははw…いいなあ」
「うう…///」
「セリナちゃん…今日は来てくれてありがとうね…妻にも挨拶してあげてくれる?」
「は、はい!!」

「カオくんのママさん…生前に挨拶できなくて申し訳ありませんでした…わたしもママさんと一緒にモンハンしたかったです…」
「セリナちゃん、ありがと」

葬式が終わると、オレの部屋に4人で集まって、話したりして過ごした
みんなが帰ってから、母ちゃんの棺の窓を開け母ちゃんを眺めて泣いた
やっぱりすごく悲しいよ…

でも、どんなに悲しんでも、もう母ちゃんは戻らない
桃鉄のデータも89年で止まったままだ
ペルって名前にしてるから、『ペル社長』って名前
『ペルシャ調』とかけたんだって
『なんで?』って聞いたら『ノリで』って言ってた
そんなちょっとした、くだらない思い出が蘇る瞬間が一番悲しい

だけどいつか…これも笑って見れるのだろうか

父さんのアパートはそのままずっと借りてる
父さんの収入なら、それでも全然楽勝だった
ユウトくんもハルちゃんもセリナちゃんも、みんな集まって遊ぶ
でも父さんはあんまり来なくなった
母ちゃんとの思い出が辛いんだろう
またやり直せた、第二のスタート地点だから

とは言え、オレも、そんなには集まれない
学校、バイト、勉強、塾、デート…すごく忙しい
忙しいから母ちゃんを思い出す時間も少なくて…
申し訳ない気もするけど
オレは前に進むしかないから

セリナちゃんは短大に進んだ
美術の短大
絵が上手いんだ
芸術に疎いオレもユウトくんもハルちゃんも、セリナちゃんの絵はすごく上手で、感動するのに、セリナちゃんは納得いかないらしい

「わたしね、どうしてもこんなふうに、『見えてるもの』しか描けないの…絵なんて自由でいいはずなのに、『こんなのありえない』とか思うと描けないの」

オレには芸術の悩みはわからない
でも、自分の限界に苦しんでいるようだった
芸術はきっと、どんな事より『才能』がものをいうんだろう

「ごめんね、あまりわかってあげれなくて」
「ううんw…いいの…わたしも法律の事とかわからないもんw」
「そっかw」
「うん…でも…そういうのわかり合えなくても…一緒に居てくれる?」
「うんw…当然だよ…そういうのわかり合えなくても、オレはセリナちゃんの優しさも、オレを思ってくれる気持ちもわかってる…それが大事」
「カオくん大好き///…大好き…ギュ」

オレも大学に進学
もちろん弁護士になる為だ
どことは言わないけど、すごい大学
オレの寿命は短いから、なるべく早く弁護士にならないといけない
だから普通は法科大学院に進むんだけど、オレは在学中に予備試験というやつに合格しようと励んだ
それが上手くいけば、司法試験の受験資格がもらえるから、合格さえすれば弁護士として働ける
だからオレは勉強に打ち込んだ
それでもセリナちゃんとは週に一度はデートした
オレは最速で弁護士になって、すぐに結婚して、子どもを作るというのが目的
なんせ35歳までしか人生がないから
だからこそオレは、セリナちゃんを真剣に愛した
焦るあまり、自分もセリナちゃんも不幸になるわけにはいかない
セリナちゃんの両親も、オレを気に入ってくれてる
というか、絶対にもらってくれという感じだ

ユウトくんも大学に進学した
結構レベルの良い大学
さすがユウトくんだ
だけど、それでもまだ何になりたいのかはわからないらしい
でも、とりあえず大手の企業に就職するのを狙っている

ハルちゃんは大学の受験勉強にはついてこれなくて、進学しなかった
それでも選ばなければ、大学には入れたはずだった
だけどハルちゃんは働く事を選んだ
アパレルの仕事をしている
おしゃれで元気なハルちゃんにはピッタリだ

オレもユウトくんも、それぞれの彼女とはすれ違いがあったりもしたけど、オレとユウトくんでお互い協力し合って、乗り越える事が出来た
あんまり会う機会は少なくなってはいたけど、実はユウトくんとは毎日LINEとか電話とかしてて、一番交流がある
ただし、それはセリナちゃんやハルちゃんにはバレないようにしてる
ヤキモチ妬かれるからだ
こないだ2人で会った時、『お互い、なかなか大変だよねw』と言ったら、『マジでゲイになっときゃ良かったかもなw』って言われたw
冗談でもオレは少し嬉しかったなw
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