母ちゃんとオレ

ヨッシー

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母ちゃんとオレ

3話

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次の日
オレは昨日の事を母ちゃんに話した
母ちゃんはとても喜んでくれた

ただ、5時に約束していたから
いつもより早めにゲームを終えないといけなかった

オレは初めてのバイトに行った
そこでまずシフトの事について話した

「カオルくんは何時から入れるかな?」
「7時からがいいです」
「うーん、もっと早くから来れる?…もっと長い時間やってもらいたいんだけど」
「7時からなら夜中まででもいいです」
「いやね、カオルくんは16才だろ?…18才未満は10時以降働いてはいけないって決まりがあるんだよ」
「え!…そうだったんですか…」
「うん、だからね、遅くとも9時半には帰らせないといけないのね…だから、せめて5時に来れないかな?」
「5時…」

5時からだと、家を出るのは4時半になる
母ちゃんとゲームする時間が減るのがオレは嫌だった
でも、ここでわがままを言ってやっぱりダメってなるのは、ユウトくんとハルさんに悪いと思った

「はい、わかりました…5時に来ます」
「うん、5時から9時半にするね…何曜日はダメとかある?」
「特にないですけど、週に何回かは休みたいです」
「うん、こっちとしても、毎日働かせるわけにもいかないし…じゃあ週に5日は来れるかな?」
「はい」
「じゃあシフトは後で組んで知らせるからね…それとカオルくんは携帯を持ってないけど、給料が出たら、なるべく買った方がいいよ…強制は出来ないけど…」
「はい…そうします」
「うんうん…その方が連絡とりやすいからね…ただ、携帯を持って、SNSをするのはいいんだけどね」
「えすえぬえす?」
「ああえっと…じゃあ、それについてはユウトくんから教えてもらった方がいいかなw…もしカオルくんが携帯を買ったら、すぐに教えてね」
「はい…メモしていいですか?」
「うん」
「えすえぬえす…ユウトくんに聞く…携帯買ったら知らせる…」
「…大丈夫?」
「はい」
「ペンとメモはあるんだねw…あとね、カッターもいるんだけど…持ってる?」
「いえ」
「ちょっと待ってね…カッターカッター…ゴソゴソ…」

「ああ、あった…安物だけどこれあげるね…でも、これは刃物だから、決してどこかに置き忘れたり、落としたりしてはダメだよ?…お客様が危険だからね」
「…はい」
「あと、ハサミ…これもあげる…これも置き忘れダメね」
「はい」
「じゃあ、このユニフォーム着てくれる?」
「はい」
「でね、給料は郵便貯金に振り込むからね…郵便局で通帳を作ってきて欲しいんだ」
「郵便局…通帳…メモメモ」
「やり方わかる?」
「わからないけど…母ちゃんに教えてもらいます」
「うんw…お願いね」
「はい」

そんな感じで、1時間程ルールなんかを教えてもらった
それからレジのやり方とか、仕事を教えてもらった
難しかった
オレは力も弱くて要領も悪くて
情けないと思った

「いらっしゃいませ…あ、ユウトくんとハルさん」
「よお」
「オッスオッス」
「こんばんは」
「オッスオッスでいいよ」
「オッスオッス」
「ブフw…カオルくん、頑張ってね」
「ありがとう…あ、ユウトくん…えすえぬえすって何?」
「ん?…なんで?」
「パパンがユウトくんに聞けって」
「パパンw…カオルくん、アタシのパパだからアタシはパパンて呼んでるけど、店長って呼んだ方がいいよ?」
「うんw…素直だなw」
「ありがとう…店長…メモメモ」
「メモすることでもないけどw…そのSNSってやつはまた仕事以外んとき教えてやるよ…」
「どうして?」
「普通は仕事中は友達と話したりは良くないから…ほら、あの店員さんも見てる」
「あ、はい…」
「ごめんなw…オレも仕事中は話しかけないようにするよ…ハルもそうしろよ?」
「うん」
「じゃあ邪魔してごめんなw…頑張れ」
「ありがとう」

オレは他の店員のオオタさんに、いろいろ教わった
いちいちメモしてたけど
オオタさんはなぜか少しイライラしたみたいだった

「それそんなメモすること?」
「すいません…オレ、バカだと思うんです」
「…まあいいや」
「でも、教えてくれてありがとうございます」
「当たり前だよ///…別に」

オレは初めて働いて思ったのは、とても疲れるということだった
母ちゃんはいつも休みなくこんな疲れる事をずっとしてるのかと思った
オレはゲームしかしてなかったのに

「…グス…クゥ」
「ど、どうしたの?!…カオルくん!」
「…パパン店長…グス」
「カオルくん…店長だけでいいよw」
「店長…すいません…グス」
「どうして泣いてるの?…なんかあった?」
「いえ…母ちゃんはいつも…家に居なくて、ずっとこんな疲れる事してたのに、オレは文句言ってて…」
「…それで悪いと思ったんだね?w」
「…はい」
「カオルくん…それがわかればいいんだよ…カオルくんの母ちゃんに『いつもありがとう』ってね、言ってあげるだけでいいんだよ」
「そんな一言で?」
「うん…親ってのはそれで嬉しいから」
「はい…明日必ず言います」
「うんうんw…それに今日は初めてだから疲れたろうけど、慣れればそうでもなくなるからね…頑張ってね」
「はい…頑張ります…あ、いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませー!」

どうにか初めてのバイトは終わって、シフトっていうのを見た
明日は休みだった
店長は『明日は休みにしたけど、ユウトくんにSNSのこと聞きにきなさい』と言った
オレはヘロヘロになりながら家に帰った
帰ったら、ごはんは置いてあった
オレはごはんを食べたけど、すっかり冷めてた
冷めてたけど、あったかかった
食べたら眠くなったけど
疲れてたけど、身体がベトベトなのが気持ち悪くて
流しで頭と身体を洗ってすぐ寝た

次の日

「母ちゃん」
「カオくん、初めて働いてどうだった?」
「すごく疲れた…でさ」
「うん」
「母ちゃん…」
「うんw」
「いつも…ありがとう///」
「なに、どしたの?w…ウル」
「こんな疲れるのずっとしてくれて…ありがとう」
「当たり前だから!…ギュ」
「…グス…オレ…ふてくされたり…いじわる言ったりして…グス…ごめん…」
「いいの!…グス…母ちゃんが悪いんだから…ギュゥ」
「母ちゃんは悪くない…ギュ…オレ…ゲームしかしてなくて…ごめん」
「いいから…グス…ナデナデ…」

母ちゃんはしばらく長い時間、オレをギュッとして撫でていた
オレは恥ずかしかったけど
嬉しかった
オレは母ちゃんが大好きだってわかった
しばらくしたらオレを離して
目を真っ赤にして、オレを見て笑った
オレもきっとそんな顔だったんだと思う

オレは母ちゃんに通帳を作るのを言った
そしたら郵便局に一緒に行って、作ってくれた
それから帰ってまた一緒にゲームした
レベルを1ずつ交代で上げる
そんでまた母ちゃんはごはん作って
仕事に出てった

オレはごはんを食べてから、バイト先に行った
昨日の働いたので、筋肉痛になってて辛い
でも、ユウトくんとハルさんと会うのは楽しみだったから
なんだか嬉しい気持ちだった

「よお」
「オッスオッスw」
「こんばん…オッスオッス」
「ブフw」
「カオルくん、SNSの事聞きにきたんだろ?」
「そう」
「オレも教えてあげてって頼まれたからさ…待ってたよ」
「ありがとう」
「なんかカオルくんて子供みたいに素直でかわいいよねw」
「ハルよりねw」
「うるせぇ」
「仲良くして」
「仲良くはあるんだよw…でさ、SNSってのはこういうの…ツイッターとかインスタとか、YouTubeとかね」
「おお~!!」
「こういうさ、知らない人とこうやって文章とか写真とかで話したりするやつをSNSって言うんだけどね」
「うん」
「こういうのってさ…例えばほら、コンビニのアイスのケースに入ってる画像とか?…こういうのをやっちゃうバカがいて、それをね…こんなふうにツイッターとかに載せたりすると、この店の評判がヤバい事になったりすんだよ」
「へぇぇ…これはいけない事?」
「すげ~ダメだよw」
「なんで?」
「ん~…これはほら、みんなが食べたりするもんだろ?」
「うん」
「その上に乗っかったりすると、不潔じゃん?」
「そう?…オレは母ちゃんとかが触ってもそんな事思わない」
「そりゃ、知ってる人ならいいけどさ、こんなどこの誰かもわからないやつがやったら嫌なんだよ」
「…そっか」
「…へぇぇ」
「お前もかよ!w」
「へへ///」
「だからさ、カオルくんが携帯持ってね」
「うん」
「もしこういうツイッターとかやり始めてもね」
「うん」
「こういう事しちゃダメ」
「わかった…でも、オレはどんな事がいけないのかわからないかも」
「アタシも…」
「お前らw…まぁだからあれよw…バイト先の事は一切…少しもこういうのの話題にしなければいいわけよ…な?…そうしてれば問題ない」
「わかった」
「アタシもそうする~」
「うんうんw…素直だな、お前らw」
「ユウトくんは大人みたいだ」
「ねw」
「いや、たぶん普通だと思う」
「アタシがガキだって言いたいわけね」
「拗ねるなよ~…ギュ…」
「うへへ///」
「仲良くて良かった」
「カオルくん、おもろいねw」
「そう?…初めて言われた」
「そうなのぉ?w」
「うん…友達いないし」
「アタシ友達だよ?」
「嬉しい…ユウトくんは?」
「オレもだよw」
「ありがとう…グス」
「泣くなよw…かわいいなw」
「かわいい~…グス」
「店長もカオルくんがかわいいってさ」
「ほんと?」
「ああ…カオルくんはちゃんと『いらっしゃいませ』が言えるからって」
「へぇぇ」
「案外、そういうのって、大人でもちゃんと言えなかったりするからな」
「どうして?」
「なんつうの?…恥ずかしいっつうか、照れくさいっつうか」
「そうなの」
「アタシも言えないかも~」
「ああ、お前みたいに喋る時うるせぇやつほど言えなかったりするよw」
「そうかもw」
「へぇぇ…ユウトくんは?」
「オレもカオルくんほど大きい声は出ないかなw…けど、ぜってえそれはいいとこだから、これからもやってけよ」
「うん、わかった」
「で、カオルくん、メシは?」
「食った」
「あ、そうなん?…ファミレスでも行こうと思ったけど」
「別に食わなくてもドリンクバーだけでもいいじゃん」
「おお、付き合えよ」
「でも…お金ないから」
「そんくらい出してやるよ」
「ううん…そんな迷惑かけられない…母ちゃんが泣いちゃう」
「カオルくん、かわいい///」
「なw…コミュ障っぽいけどさ…ちゃんと思いやりとかあるし、挨拶も出来るし…そういうのいいとこだと思うぜ」
「ありがとう」
「そういうの出来ない大人もたくさんいるからなw…なくすなよ?」
「おお~ユウトなんかかっけぇじゃんw」
「だろ?w」
「うん、カッコいい、ユウトくん」
「いや、マジレスすんなやw」
「あはははw…でもカッコいいよね~」
「うん、カッコいい」
「ありがとw…じゃあほら…1,000円貸すからさ…付き合えよ」
「うん…ユウトくんに1,000円借りた…メモメモ」
「カオルくんかわいいなあw」
「うんw」

そうしてオレは、友達と初めてファミレスに行った
3人で、ファミレスのテーブルにある間違い探しをしたりした
オレはほとんど見つけられなくて、ハルさんがたくさん見つけてた
オレはあまり喋らなかったけど
ユウトくんもハルさんも優しくて
いろいろ教えてくれて
とっても楽しかった
ハルさんは10時には家に帰らないといけないから
そこでお別れして、オレも帰った

帰ってからオレは
テレビ台に貼った母ちゃんの写真とオレの写真を一つずつ切って
テープでくっつけて財布にしまった
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