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松編 ③
30 ソルト城 ③
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私の手を取ろうした輩の手を鞭ではたかれたとら様の姿が美しくて思わずその場でうっとりしてしまいました。その方は一歩引くと周りもそれ以上は近寄ってはきませんでした。皆さんお行儀が良いです。それにしても鞭ととら様お似合いです。
「おい、こっち見るな」
「はぃ」
こんなとら様のお姿が見れるなんて職務を忘れそうになります。にしてもはたかれた相手の方が羨ましいです。とら様のあの目は私だけの特別であって欲しいです。顔を覚えましたので抹殺も考えます。
「ソルトを触るには俺の許可がいる。勝手に触れないでいただきたい」
「なに上ですか!」
「こいつは調教途中です。変に触られて調教が上手く行かなくなったらどうしてくれるんですか」
「とら様でしたら私がこの者を抹殺いたします」
ソルトが剣を取り出すと松がグッと紐を引っ張った。ソイは慌てて全員を引き下がらせた。
嗚呼、とら様…素敵です
「とら様の手を煩わせたくないです」
「許可してない」
「父上、ご覧になられましたでしょうか。お見合い相手の方には申し訳ありませんがお引き取りください」
「うーむ。ソルト、その調教師とはどういう職業なのか詳しく教えて貰えないだろうか。でなければ納得できん」
【とら様、お任せ下さい。私が話します】
「はい、とら様はナグマ1の調教師です。父上には見えないのですか?私にかけてある首輪と紐が」
「見えるが調教師と関係あるのか?それは罰を与えているのではないか?」
「父上、無礼な発言はやめてください。王、王妃、その次にとら様の地位です。このお方は調教師と言う職業の第一人者です。滅多にお目にかかる事などできぬ人物で本来ならここへ連れてきたくは無かったのですが王妃様たっての意向で来ることになりました。具体的な仕事内容は極秘の為言えませんが限られた者しか調教しません。正しい道へと導かれ耐えぬいた者は最終的に至福の喜びを味わいますのでこれはご褒美となります。彼の調教は芸術とも言え調教されたいと志願する者が後をたちません」
「なんとお前がそれに選ばれたのか!それを早く言わんか。これは大変失礼した。そんな方がうちのヒマイラの刑を執行したのか。なんとも凄い方がいらした。ヒマイラを調教途中とは知りませんで大変申し訳ありません!」
おい、ソルト
後で話があるからな
「もっと松君様の好きな食事を用意しろ!見合い相手はもういい!」
急に待遇が良くなったけど、まぁ、いいや。
「とら様の職業が特殊なゆえにアイコンタクト、文字、魔石、魔力等あらゆる雑念が入らぬようにするため全て絶たれております。当然ですがとら様に触れるなど私以外許されません」
「なんと意識の高い…」
いつからお前だけになったんだよ
「この方にお仕えできるのが私の誇りでもあり生きがいです。父上、どうかこのままナグマで生活をさせてください」
「しかし…婚儀が…夢が…孫が…ま、松君様!!いきなりの不躾ですがう、うちのヒマイラはどうですか!」
「調教しがいがあります」
「そうですか…ほ、他はいかがですか?」
「側近として頑張っています」
「私が言うのもなんですがうちのヒマイラは才色兼備でどこへ出してもおかしくないように育て上げました。ですが大罪を犯したんです…わかっています。それにそんな地位の高いかたに簡単には…貰っては…」
「無理です」
結婚したって話したら絶対大変な事になるだろ!
「はぁ…ではヒマイラはうちに帰っては…」
「帰りません。父上、諦めて下さい。私はナグマでとら様をお守りしながら暮らしていきます」
「だが、いずれ婚儀はしてくれるのだろうな」
「わかりません」
「松君様!!どうか、どうかうちのヒマイラを正しい道へと調教し婚儀を挙げれるような人格へとお育て下さいお願いします!」
ソルトの父親が砂漠でオアシスを見つけたかのように寄ってきた。
【斬ります】
「だー!自分の父親斬るな!」
「とら様!!今話したのに近づくなんて愚かです!」
剣を抜き斬ろうとするソルトを止めようといつもの癖で紐を引っ張り自分へ寄せ跪かせ足を肩に乗せる。
「大人しくしろ」
「とら様…(その角度素敵です)」
「「おぉ~!」」
と周りから声が聞こえた。
何だよ。
「とら様には誰一人触れないで下さい。勿論父上もです。勝手に触れて良い方ではないですから次は斬ります。これは私の一存だけではないです」
「おい、もうそれぐらいでいいだろ。どういう教育受けたらそうなるんだよ」
あ、しまった。
親の前で失言した。
「あ、と、こんな感じで調教するっていうか」
持っていた紐を緩めるとソルトは立ち上がり父親から松を見えなくさせた。
「「おぉ~」」
「ほぅ~素晴らしいですね。良いものを見せていただいた。これが調教師ですか」
多分違う!
何なんだよさっきから俺の行動に一喜一憂すんの。さっさと帰りたい。
「父上そろそろ。とら様も長時間の移動で疲れてますから部屋にいきます。今日は泊まります。部屋には誰一人と入れないで下さい。何かあればこちらから出向きます」
「そうだな、お疲れの所申し訳なかった。また、明日ゆっくり話そう」
返事もせずソルトは松と部屋を出ていった。
「しかし調教師様、見事でしたな」
「うむ、ヒマイラをいとも簡単に抑えていたな。ぜひあの方に決めたい。だが、肝心な事が。例の準備いいか?」
「はい、合図を下さってから既に部屋も準備できています」
「よし。うまくいってくれれば良いが…そうすれば全て手に入るかもしれん」
「おい、こっち見るな」
「はぃ」
こんなとら様のお姿が見れるなんて職務を忘れそうになります。にしてもはたかれた相手の方が羨ましいです。とら様のあの目は私だけの特別であって欲しいです。顔を覚えましたので抹殺も考えます。
「ソルトを触るには俺の許可がいる。勝手に触れないでいただきたい」
「なに上ですか!」
「こいつは調教途中です。変に触られて調教が上手く行かなくなったらどうしてくれるんですか」
「とら様でしたら私がこの者を抹殺いたします」
ソルトが剣を取り出すと松がグッと紐を引っ張った。ソイは慌てて全員を引き下がらせた。
嗚呼、とら様…素敵です
「とら様の手を煩わせたくないです」
「許可してない」
「父上、ご覧になられましたでしょうか。お見合い相手の方には申し訳ありませんがお引き取りください」
「うーむ。ソルト、その調教師とはどういう職業なのか詳しく教えて貰えないだろうか。でなければ納得できん」
【とら様、お任せ下さい。私が話します】
「はい、とら様はナグマ1の調教師です。父上には見えないのですか?私にかけてある首輪と紐が」
「見えるが調教師と関係あるのか?それは罰を与えているのではないか?」
「父上、無礼な発言はやめてください。王、王妃、その次にとら様の地位です。このお方は調教師と言う職業の第一人者です。滅多にお目にかかる事などできぬ人物で本来ならここへ連れてきたくは無かったのですが王妃様たっての意向で来ることになりました。具体的な仕事内容は極秘の為言えませんが限られた者しか調教しません。正しい道へと導かれ耐えぬいた者は最終的に至福の喜びを味わいますのでこれはご褒美となります。彼の調教は芸術とも言え調教されたいと志願する者が後をたちません」
「なんとお前がそれに選ばれたのか!それを早く言わんか。これは大変失礼した。そんな方がうちのヒマイラの刑を執行したのか。なんとも凄い方がいらした。ヒマイラを調教途中とは知りませんで大変申し訳ありません!」
おい、ソルト
後で話があるからな
「もっと松君様の好きな食事を用意しろ!見合い相手はもういい!」
急に待遇が良くなったけど、まぁ、いいや。
「とら様の職業が特殊なゆえにアイコンタクト、文字、魔石、魔力等あらゆる雑念が入らぬようにするため全て絶たれております。当然ですがとら様に触れるなど私以外許されません」
「なんと意識の高い…」
いつからお前だけになったんだよ
「この方にお仕えできるのが私の誇りでもあり生きがいです。父上、どうかこのままナグマで生活をさせてください」
「しかし…婚儀が…夢が…孫が…ま、松君様!!いきなりの不躾ですがう、うちのヒマイラはどうですか!」
「調教しがいがあります」
「そうですか…ほ、他はいかがですか?」
「側近として頑張っています」
「私が言うのもなんですがうちのヒマイラは才色兼備でどこへ出してもおかしくないように育て上げました。ですが大罪を犯したんです…わかっています。それにそんな地位の高いかたに簡単には…貰っては…」
「無理です」
結婚したって話したら絶対大変な事になるだろ!
「はぁ…ではヒマイラはうちに帰っては…」
「帰りません。父上、諦めて下さい。私はナグマでとら様をお守りしながら暮らしていきます」
「だが、いずれ婚儀はしてくれるのだろうな」
「わかりません」
「松君様!!どうか、どうかうちのヒマイラを正しい道へと調教し婚儀を挙げれるような人格へとお育て下さいお願いします!」
ソルトの父親が砂漠でオアシスを見つけたかのように寄ってきた。
【斬ります】
「だー!自分の父親斬るな!」
「とら様!!今話したのに近づくなんて愚かです!」
剣を抜き斬ろうとするソルトを止めようといつもの癖で紐を引っ張り自分へ寄せ跪かせ足を肩に乗せる。
「大人しくしろ」
「とら様…(その角度素敵です)」
「「おぉ~!」」
と周りから声が聞こえた。
何だよ。
「とら様には誰一人触れないで下さい。勿論父上もです。勝手に触れて良い方ではないですから次は斬ります。これは私の一存だけではないです」
「おい、もうそれぐらいでいいだろ。どういう教育受けたらそうなるんだよ」
あ、しまった。
親の前で失言した。
「あ、と、こんな感じで調教するっていうか」
持っていた紐を緩めるとソルトは立ち上がり父親から松を見えなくさせた。
「「おぉ~」」
「ほぅ~素晴らしいですね。良いものを見せていただいた。これが調教師ですか」
多分違う!
何なんだよさっきから俺の行動に一喜一憂すんの。さっさと帰りたい。
「父上そろそろ。とら様も長時間の移動で疲れてますから部屋にいきます。今日は泊まります。部屋には誰一人と入れないで下さい。何かあればこちらから出向きます」
「そうだな、お疲れの所申し訳なかった。また、明日ゆっくり話そう」
返事もせずソルトは松と部屋を出ていった。
「しかし調教師様、見事でしたな」
「うむ、ヒマイラをいとも簡単に抑えていたな。ぜひあの方に決めたい。だが、肝心な事が。例の準備いいか?」
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