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二つの領土
8 ジーバル訪問 ②
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さてと、俺の部屋も紹介したし本来なら今からジェラードと挨拶なんだがやまとを独り占めできるときなんて滅多にないからな。今からお楽しみだな。っと思っていたらドアのノック無しに俺の部屋の扉が開いた。
「ソルベ!」
「お、ライムきたか」
お披露目の式に参加なのは知っていたが今日来るとは思わなかった。
「早いな」
「ああ、ジェラードがお前の側近って聞いたからやまとの訪問に会わせて来た」
「そっか、今フィグルと話してる。側近の候補選びの話をしてたら俺の側近するってきかなくて。お前も挨拶してく?」
「そのつもり」
「じゃあさ、折角フィグルがいないから今行かないか?」
「いいね」
「あいつがいればジェラードも安心だし俺達も自由に行動できる。どうせ、今日は一日やまと達に公務なんてさせる予定ない」
「じゃあ、行くか」
やまとは?を浮かべていたが今からうちの名物を見せに行く。ライムだってやまとと話がしたいはずだしな、普段は俺とジェラードの貸しきりだが今日はやまととだ。楽しみすぎる。
「お前の側近は一人?」
「ああ、式にはちゃんと皆来る。これだけ厳重なんだ十分だろ。ちなみに、この側近はうちの領土に来た時のやまとの側近だよ。顔合わせできればと思って連れてきた」
「へ~」
「ちょっと癖があるけど仕事はしっかりできるやつだからやまとよろしくな。名前はセルツァだ」
「おぉ~初めての側近が二人も召喚されるなんてありがたいです!よろしくお願いしますセルツァさん」
「初めましてやまと王妃。セルツァと申します。簡略訪問のため正式な挨拶は次回改めてさせていただきます」
ライムのところの側近はてっきりカリンかと思ったが単独セルツァとは意外だったな。まぁ、誰がついてもおかしくないか。
「やまと、ライムも来たし一緒に魔石泉いかないか?」
「魔石泉?」
「「魔石泉」」
「温泉?」
「「温泉」」
「行きます!」
やまとのよくわからないものに即答するのはちょっと危ない気がするがおそらく想像しているものと同じではないかと思う。
魔石泉、うちの領土唯一の産物。これを鉱山でとれた魔石と合わせると魔石泉になる。要は大きなお風呂だ。
「すごーい!!でかーい!!綺麗!!なにあれ、噴水に光魔物の水槽がある!!」
やまとはものすごく喜んでいた。うちの産物を説明するとやっぱりおんせんだと言っていたから何となく似たのがあるってことだな。
やまとは魔法が使えないからどこまで使えないのかと聞いてみると全部だった。フィグルがお世話係に勝手でるのもわからなくないがあいつが全部一人で見てるのは感心した。
「やまとーわかるか?」
「はいー!今行きます!」
俺とライムが入り口で待っているとやまとは素っ裸で出てきた。
「「腰巻きー!!」」
ライムと同時に叫んだ。なんで、腰巻き用意したのにしてこないんだよ。まったく、俺らだったからいいものの他の奴らなら倒れてたな。面倒見のよいライムがやまとのお湯を出していた。
「やまと大丈夫?」
「はい、大丈夫です。お湯が出せない以外は全部自分でできます!すみませんが終わったら止めてください」
「了解」
本当に異世界人なんだな
見た目とか細くてちっこいぐらいだけど。やまとに聞いたらこれぐらいの体格は別に珍しくないっていってた、けどやっぱりちょっと細いよな。
先に湯に浸かっていた俺はやまとを呼んだ。するとやまとは失礼しますと言って折角していた腰巻きをまたもやとった。
「「腰巻きー!!」」
「へ?」
どうやらあっちの世界では取るらしいがこっちではそんなことしたら大惨事だ。ちょっとフィグルの苦労がわかった気がする。腰巻きをしてお湯につかってもらうとやまとは気持ち良さそうに湯に浮かんだ。
「ほんと、やまとってどうなってんの?」
「変ですか?」
「いや、変じゃないよ。何か異世界人だけどそうじゃないみたいな、でも異世界人だなって。うまく説明できないけど」
「なぁ、異世界のこと少し教えて。どーせフィグルから言うなって言われてるだろうけど聞きたい!」
「いいですよー」
どうやって行き来するかは許可がないと話せないと言って一番重要なことは教えてもらえなかったけど、あっちにはナグマみたいな魔物もいなければ基本的には仕事をして生活していたらしい。男女比率も半々ぐらいで魔石では子供はできないらしい。
「俺らあっち行ったら大変なことになりそうだな」
「行ってみたいけど、生活できる自身ないな。あいつと出会ってどう?」
「毎日楽しいです」
やまとのそんな嬉しそうな顔がみれて良かった。するとコンコンと扉を叩く音がした。プライベートな時間に何事だよと思ったらロシェが慌てた様子でこちらに話しかけてきた。
「ソルベ様、入浴中に大変失礼致します。東の山奥に黒い大きな影が見えるとの報告がありました。魔物の可能性がある様子」
「わかった、すぐ行く」
「それが…」
「なんだ」
「フィグル王が一人向かわれまして。止めたのですが自分が確認した方が早いと言って…既に向かわれております…」
「おい!行かせたのか!」
「ソルベ俺も行ってくる」
「申し訳ございません。その…フィグル王から伝言で『お前らは来るな、それよりもやまとを頼む』とのことです」
「「はぁ~」」
「わかった。念のため偵察部隊に後を追わせろ。フィグルが帰宅したら教えてくれ」
「了解いたしました」
「またフィグルに仮ができたな」
「だな」
「フィグが何かしたんですか?」
二人はやまとの顔を見て少し懐かしいような表情をした。それはなんだか嬉しそうな顔にも見えた。ソルベは座り直して三人がどうやって出会ったか話してくれた。
「ソルベ!」
「お、ライムきたか」
お披露目の式に参加なのは知っていたが今日来るとは思わなかった。
「早いな」
「ああ、ジェラードがお前の側近って聞いたからやまとの訪問に会わせて来た」
「そっか、今フィグルと話してる。側近の候補選びの話をしてたら俺の側近するってきかなくて。お前も挨拶してく?」
「そのつもり」
「じゃあさ、折角フィグルがいないから今行かないか?」
「いいね」
「あいつがいればジェラードも安心だし俺達も自由に行動できる。どうせ、今日は一日やまと達に公務なんてさせる予定ない」
「じゃあ、行くか」
やまとは?を浮かべていたが今からうちの名物を見せに行く。ライムだってやまとと話がしたいはずだしな、普段は俺とジェラードの貸しきりだが今日はやまととだ。楽しみすぎる。
「お前の側近は一人?」
「ああ、式にはちゃんと皆来る。これだけ厳重なんだ十分だろ。ちなみに、この側近はうちの領土に来た時のやまとの側近だよ。顔合わせできればと思って連れてきた」
「へ~」
「ちょっと癖があるけど仕事はしっかりできるやつだからやまとよろしくな。名前はセルツァだ」
「おぉ~初めての側近が二人も召喚されるなんてありがたいです!よろしくお願いしますセルツァさん」
「初めましてやまと王妃。セルツァと申します。簡略訪問のため正式な挨拶は次回改めてさせていただきます」
ライムのところの側近はてっきりカリンかと思ったが単独セルツァとは意外だったな。まぁ、誰がついてもおかしくないか。
「やまと、ライムも来たし一緒に魔石泉いかないか?」
「魔石泉?」
「「魔石泉」」
「温泉?」
「「温泉」」
「行きます!」
やまとのよくわからないものに即答するのはちょっと危ない気がするがおそらく想像しているものと同じではないかと思う。
魔石泉、うちの領土唯一の産物。これを鉱山でとれた魔石と合わせると魔石泉になる。要は大きなお風呂だ。
「すごーい!!でかーい!!綺麗!!なにあれ、噴水に光魔物の水槽がある!!」
やまとはものすごく喜んでいた。うちの産物を説明するとやっぱりおんせんだと言っていたから何となく似たのがあるってことだな。
やまとは魔法が使えないからどこまで使えないのかと聞いてみると全部だった。フィグルがお世話係に勝手でるのもわからなくないがあいつが全部一人で見てるのは感心した。
「やまとーわかるか?」
「はいー!今行きます!」
俺とライムが入り口で待っているとやまとは素っ裸で出てきた。
「「腰巻きー!!」」
ライムと同時に叫んだ。なんで、腰巻き用意したのにしてこないんだよ。まったく、俺らだったからいいものの他の奴らなら倒れてたな。面倒見のよいライムがやまとのお湯を出していた。
「やまと大丈夫?」
「はい、大丈夫です。お湯が出せない以外は全部自分でできます!すみませんが終わったら止めてください」
「了解」
本当に異世界人なんだな
見た目とか細くてちっこいぐらいだけど。やまとに聞いたらこれぐらいの体格は別に珍しくないっていってた、けどやっぱりちょっと細いよな。
先に湯に浸かっていた俺はやまとを呼んだ。するとやまとは失礼しますと言って折角していた腰巻きをまたもやとった。
「「腰巻きー!!」」
「へ?」
どうやらあっちの世界では取るらしいがこっちではそんなことしたら大惨事だ。ちょっとフィグルの苦労がわかった気がする。腰巻きをしてお湯につかってもらうとやまとは気持ち良さそうに湯に浮かんだ。
「ほんと、やまとってどうなってんの?」
「変ですか?」
「いや、変じゃないよ。何か異世界人だけどそうじゃないみたいな、でも異世界人だなって。うまく説明できないけど」
「なぁ、異世界のこと少し教えて。どーせフィグルから言うなって言われてるだろうけど聞きたい!」
「いいですよー」
どうやって行き来するかは許可がないと話せないと言って一番重要なことは教えてもらえなかったけど、あっちにはナグマみたいな魔物もいなければ基本的には仕事をして生活していたらしい。男女比率も半々ぐらいで魔石では子供はできないらしい。
「俺らあっち行ったら大変なことになりそうだな」
「行ってみたいけど、生活できる自身ないな。あいつと出会ってどう?」
「毎日楽しいです」
やまとのそんな嬉しそうな顔がみれて良かった。するとコンコンと扉を叩く音がした。プライベートな時間に何事だよと思ったらロシェが慌てた様子でこちらに話しかけてきた。
「ソルベ様、入浴中に大変失礼致します。東の山奥に黒い大きな影が見えるとの報告がありました。魔物の可能性がある様子」
「わかった、すぐ行く」
「それが…」
「なんだ」
「フィグル王が一人向かわれまして。止めたのですが自分が確認した方が早いと言って…既に向かわれております…」
「おい!行かせたのか!」
「ソルベ俺も行ってくる」
「申し訳ございません。その…フィグル王から伝言で『お前らは来るな、それよりもやまとを頼む』とのことです」
「「はぁ~」」
「わかった。念のため偵察部隊に後を追わせろ。フィグルが帰宅したら教えてくれ」
「了解いたしました」
「またフィグルに仮ができたな」
「だな」
「フィグが何かしたんですか?」
二人はやまとの顔を見て少し懐かしいような表情をした。それはなんだか嬉しそうな顔にも見えた。ソルベは座り直して三人がどうやって出会ったか話してくれた。
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