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二つの領土
7 ジーバル訪問 ①
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ナグマ城から無事に側近護衛として認められジーバルに戻ってきたバレンシアとチリ。これでやまとと松君さんを受け入れる準備が整った。
「ロシェ、そちらはうまくいってるか?」
「はい、式の段取りも全て順調です」
「やまとと松君さんが来るまでもう少しだからがんばってくれ」
「はい、ところでソルベ様バレンシアの方は?」
「ああ、すぐにと言ったが訪問後にしてもらうことにしたら肩を落としていた」
「そうですか、全くこんな大事な時に無理を言うなんてどうしたのでしょうかね」
城に戻りにバレンシアが開口一番にお見合いをしたいと言い出した。らしくない発言にチリに聞いたがチリも初耳だったようで驚いていた。付き合っていたやつがいてこの準備の間に別れてしまったのかもしれない。もしこの仕事が原因なら悪いことをした。付き合っているやつはいないと聞いていたが、それとも想い人にフラれたとか?
いずれにせよすぐに段取りはできないからこの訪問が終わったらゆっくりお見合い相手を募集してやろうと思う。今度好みのやつでも聞いといてやるか。
「お前もしたかったら誰か紹介してやるぞ」
「私は結構です」
そしてあっという間にやまとの訪問日前日となった。
□□□□□
待ちに待ったやまととの再会だ!
俺は自領土の前の扉で二人を待った。松君さんは仕事の都合で後日合流なのが残念だが来てくれるだけで感謝だ。三人の会議室からフィグルとやまとが出てくる。護衛をつけるのが好きではないフィグルは最低限の人数を引き連れこちらに向かってきた。来る前にクラムに何かいろいろ言われたのは違いないあの表情。今回はクラムがいないから思う存分うちでやまとと一緒の時間を過ごしてもらいと思ってる。
俺を見つけたやまとは小走りに駆け寄ってきた。可愛いな、っと。
「ソルベさん!」
「やまとー待ってたよ!」
やまとからのハグは癒される。なんて浸っている暇もなくフィグルが離した。相変わらずだ。扉に案内するとやまとは不思議そうにしていた。
「魔石扉は初めて?」
「初めてです!」
「そっか、確かにフィグルの領土にいく俺達しか使わないしな。この中に入ると俺の城にすぐにつけるようになってる。特別な扉で今あるのはこことライムのところに二つだけ。これもやまとの言う魔法ってやつなのかな?俺達以外は通れない。もし通れたとしても許可がいる」
「そうなんですか。途中ではぐれたりしませんか?」
「あはは、大丈夫だよ。一歩入るだけだから。怖かったら一緒に手を繋いであげる」
「恐れ入ります!!」
「却下だ」
フィグルがやまとを抱え扉に入ると俺の領土にやってきた。こいつ自身うちの領土にこうして招かれるのは久しぶりだと思う。
フィグルにジェラードとの挨拶ができると言ったら行くと言い部屋に向かっていった。やまとを離すなんて珍しいがあの二人は気が合うから久しぶりにつもる話しでもしたかったんだろう。
さて、側近でも紹介するかと思ったらちょっと目を離した隙にロシェがやまとを持ち上げていた。おい!今のフィグルに見られてたら大変なことになるのに何やってんだ。
「ロシェ、お前なにしてんだ」
「いかほどの重量か知りたくなりまして」
油断も隙もない。こいつがやまとの側近をしたかったのは知っているが実力行使に出るとは。
【おい、それぐらいでやめておけ】
【わかっています】
こいつの性癖は側近の中で唯一知っている。いや、勝手に知らされていく。こいつはとにかく小さいものが好きだ。生き物に関してそうなんだが、小さい魔物だったり人だったりを見ると触らずにはいられないと言うか…ちょっかいを出したがるというか。
やまとは小さいから標的になるのはわかっていたがフィグルのものだから絶対手はは出さないと思っていた。だが、見たとたんこれだ。
【それよりも、やまと様の方が私に触れてくるのですが】
【あ?】
おいおい、やまとは何してんだ?
ロシェを担ごうとしている?当然触られているロシェは嬉しいから止めるはずもないんだが。
「あーやまと?」
「ジーバルの持ち上げる挨拶ができません!!」
は?何でそうなる
持ち上げるのがジーバルの挨拶?
よく考えろ、やまとの淫乱が発動しかけている。ロシェのあの嬉しそうな顔はやばい。
【ロシェ!何でそうなった!】
【さぁ?わかりません。ふふふ】
くそ、こんなのフィグルに見られたら大変だ。
【フィグルに見られたらお前の命はないぞ】
【と言われましても……おそらく、私が持ち上げたのがこちらの挨拶だと思ったのかと思います。私の脇を一生懸命持ち上げようとしてましたので。できないとわかり何故か担ぐという発想になったのではないですか?】
【お前が発端じゃないか!わかってるなら止めろ!】
「やまと、ジーバルでの挨拶はそれじゃない!普通に握手でいい」
「おぉ~!これは失礼しました!」
ふぅ~どうやらロシェのいう通りだったみたいだ。ホントに側近をこいつにして良かったのかと思ったがもう遅いな。
【側近を下ろされたくなかったらやまとに触るな】
【かしこまりました】
はぁ~先が思いやられる
身内に敵がいるような感じだ
「やまと、ロシェはやまとみたいなのが好みだ。フィグルと婚姻してなけりゃ申し込まれてたかもな。うちの領土は新しい物が大好きで珍しい物も大好きだ。勿論やまとは両方当てはまるから気を付けて」
「ありがとうございます!頑張って気を付けます!」
「で、その【バカ】ロシェが今回俺の領土でのやまと専用側近だから何でも言っていいぞ」
「おぉ~!ついに俺にも側近が召喚されたんですね!ロシエさんよろしくお願いいたします!」
「あはは、言いにくいならそれでいいよ」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします【バカとは酷いです】」
【仕事はしっかりしろよ】
【当然です】
「すみません!ろ、ろし「やまと様、私の名前はロシエです。ロシェとはどなたですか?」
「ロシェお前は~」
「ソルベ様、ロシエです」
「はいはい。んじゃ俺の部屋行くか」
こうしてやまとの訪問の一日が始まった。
「ロシェ、そちらはうまくいってるか?」
「はい、式の段取りも全て順調です」
「やまとと松君さんが来るまでもう少しだからがんばってくれ」
「はい、ところでソルベ様バレンシアの方は?」
「ああ、すぐにと言ったが訪問後にしてもらうことにしたら肩を落としていた」
「そうですか、全くこんな大事な時に無理を言うなんてどうしたのでしょうかね」
城に戻りにバレンシアが開口一番にお見合いをしたいと言い出した。らしくない発言にチリに聞いたがチリも初耳だったようで驚いていた。付き合っていたやつがいてこの準備の間に別れてしまったのかもしれない。もしこの仕事が原因なら悪いことをした。付き合っているやつはいないと聞いていたが、それとも想い人にフラれたとか?
いずれにせよすぐに段取りはできないからこの訪問が終わったらゆっくりお見合い相手を募集してやろうと思う。今度好みのやつでも聞いといてやるか。
「お前もしたかったら誰か紹介してやるぞ」
「私は結構です」
そしてあっという間にやまとの訪問日前日となった。
□□□□□
待ちに待ったやまととの再会だ!
俺は自領土の前の扉で二人を待った。松君さんは仕事の都合で後日合流なのが残念だが来てくれるだけで感謝だ。三人の会議室からフィグルとやまとが出てくる。護衛をつけるのが好きではないフィグルは最低限の人数を引き連れこちらに向かってきた。来る前にクラムに何かいろいろ言われたのは違いないあの表情。今回はクラムがいないから思う存分うちでやまとと一緒の時間を過ごしてもらいと思ってる。
俺を見つけたやまとは小走りに駆け寄ってきた。可愛いな、っと。
「ソルベさん!」
「やまとー待ってたよ!」
やまとからのハグは癒される。なんて浸っている暇もなくフィグルが離した。相変わらずだ。扉に案内するとやまとは不思議そうにしていた。
「魔石扉は初めて?」
「初めてです!」
「そっか、確かにフィグルの領土にいく俺達しか使わないしな。この中に入ると俺の城にすぐにつけるようになってる。特別な扉で今あるのはこことライムのところに二つだけ。これもやまとの言う魔法ってやつなのかな?俺達以外は通れない。もし通れたとしても許可がいる」
「そうなんですか。途中ではぐれたりしませんか?」
「あはは、大丈夫だよ。一歩入るだけだから。怖かったら一緒に手を繋いであげる」
「恐れ入ります!!」
「却下だ」
フィグルがやまとを抱え扉に入ると俺の領土にやってきた。こいつ自身うちの領土にこうして招かれるのは久しぶりだと思う。
フィグルにジェラードとの挨拶ができると言ったら行くと言い部屋に向かっていった。やまとを離すなんて珍しいがあの二人は気が合うから久しぶりにつもる話しでもしたかったんだろう。
さて、側近でも紹介するかと思ったらちょっと目を離した隙にロシェがやまとを持ち上げていた。おい!今のフィグルに見られてたら大変なことになるのに何やってんだ。
「ロシェ、お前なにしてんだ」
「いかほどの重量か知りたくなりまして」
油断も隙もない。こいつがやまとの側近をしたかったのは知っているが実力行使に出るとは。
【おい、それぐらいでやめておけ】
【わかっています】
こいつの性癖は側近の中で唯一知っている。いや、勝手に知らされていく。こいつはとにかく小さいものが好きだ。生き物に関してそうなんだが、小さい魔物だったり人だったりを見ると触らずにはいられないと言うか…ちょっかいを出したがるというか。
やまとは小さいから標的になるのはわかっていたがフィグルのものだから絶対手はは出さないと思っていた。だが、見たとたんこれだ。
【それよりも、やまと様の方が私に触れてくるのですが】
【あ?】
おいおい、やまとは何してんだ?
ロシェを担ごうとしている?当然触られているロシェは嬉しいから止めるはずもないんだが。
「あーやまと?」
「ジーバルの持ち上げる挨拶ができません!!」
は?何でそうなる
持ち上げるのがジーバルの挨拶?
よく考えろ、やまとの淫乱が発動しかけている。ロシェのあの嬉しそうな顔はやばい。
【ロシェ!何でそうなった!】
【さぁ?わかりません。ふふふ】
くそ、こんなのフィグルに見られたら大変だ。
【フィグルに見られたらお前の命はないぞ】
【と言われましても……おそらく、私が持ち上げたのがこちらの挨拶だと思ったのかと思います。私の脇を一生懸命持ち上げようとしてましたので。できないとわかり何故か担ぐという発想になったのではないですか?】
【お前が発端じゃないか!わかってるなら止めろ!】
「やまと、ジーバルでの挨拶はそれじゃない!普通に握手でいい」
「おぉ~!これは失礼しました!」
ふぅ~どうやらロシェのいう通りだったみたいだ。ホントに側近をこいつにして良かったのかと思ったがもう遅いな。
【側近を下ろされたくなかったらやまとに触るな】
【かしこまりました】
はぁ~先が思いやられる
身内に敵がいるような感じだ
「やまと、ロシェはやまとみたいなのが好みだ。フィグルと婚姻してなけりゃ申し込まれてたかもな。うちの領土は新しい物が大好きで珍しい物も大好きだ。勿論やまとは両方当てはまるから気を付けて」
「ありがとうございます!頑張って気を付けます!」
「で、その【バカ】ロシェが今回俺の領土でのやまと専用側近だから何でも言っていいぞ」
「おぉ~!ついに俺にも側近が召喚されたんですね!ロシエさんよろしくお願いいたします!」
「あはは、言いにくいならそれでいいよ」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします【バカとは酷いです】」
【仕事はしっかりしろよ】
【当然です】
「すみません!ろ、ろし「やまと様、私の名前はロシエです。ロシェとはどなたですか?」
「ロシェお前は~」
「ソルベ様、ロシエです」
「はいはい。んじゃ俺の部屋行くか」
こうしてやまとの訪問の一日が始まった。
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