92 / 148
番外編
3
しおりを挟む
「なかなか見つからないね~」
「次」
「ああ、一生の事だからな」
「次」
あれから何度かお見合いや紹介を重ねた。しかし、最終選考で皆落とされてしまう。
クラムさんは意外と理想が高いのかもしれない。何でもできる完璧なクラムさんは自分と同じ完璧な人を求めとしまうのかも…こういう人はさ、お見合いより恋愛をしたらド嵌まりしそうだと俺は思った。
そして、そんなクラムさんは童の貞ではなかろうかと疑いはじめた俺がいた。
初めての人は理想通りがいいと思いがちだし、実際俺が来てから誰かと付き合ってるの見たことないしさ。だとしたら、焦らず条件で探さない方がいいのではと思ったりしたりして…
それに引き換えフィグは条件なんてすっ飛ばして俺と早々に結婚したけど口説くのや付き合うのに慣れてるきがするし俺が初めての相手とは思えない。
キスだってフィグは初めてなのにやたら上手かった。やっぱり密かに自主練してたんじゃなかろうか。だどしたらムッツリだな。
「やまと、何を考えている」
良からぬ想像はフィグさんにバレてしまう。
「いや、あの、クラムさん何人ぐらいお付き合いあったのかな~って」
「200人ぐらいじゃないか」
「はあ゛!?」
思わず声が裏返ってしまった。
「え、でも恋愛してる時間ないって」
「ああ、恋愛はしてないんだろ」
クラム先輩はまさかの超ヤリ○ン!?
なんて事だ、この意外すぎる展開。理想の高さはそう言う事だったのか。俺と同い年なのに既に三桁。それでもってキスはしない徹底ぶりは確かに性癖に刺さるな。
「で、でもその中から1人ぐらいお嫁さん候補がいても良かったんじゃ?」
「さぁな、あれもあれで何かといろいろあるのだろう」
何その抽象的な表し方!お父さんあれのこれでそれ取ってみたいな良くわからない会話のやつ!
「そ、そっか」
俺、小学校からの数入れても片手でおさまる。
だったらフィグは?
ヤバい、フィグが1000人斬りだったら立ち直れない。王ならあり得るか…そこらへんに俺の兄弟達いますみたいな。ヘイ、兄弟!
考えてもみなかった…
「うわ~ん!」
「やまと、どうした!?」
「何でもない…ちょっと、風に当たりに行ってくる、フィグはついてこないで」
久しぶりにこのテンションになってしまった。部屋を飛び出てとぼとぼ歩くしかない俺は窓の外を見た。
風に当たりに…猛吹雪…
仕方ないから久しぶりにあのくそ寒い展望台に行ってみるかな…。こんな時、松君がいてくれたらな~話し相手になってもらうんだけどな。
護衛二人は俺が走ると走るし、ゆっくり歩くとゆっくり歩くし影みたい。
自販機とかないかな~気分かわるんだけどな。
「護衛さん、飲み物が買える場所ないですか?」
お金ないけど。
「食堂ですか?」
食堂より店がいいんだけど~無いか。
あっちの日常で密かにできていた気分転換がこっちだと簡単にはできないんだよな。
「…いえ大丈夫です」
展望台へ向かうと『強風のため本日閉鎖』と書いてあった。いつも、強風なくせに!そんな事を思いながらまたきた道を戻り結局食堂へ来た。
「やまと王妃だ!」
「本当だ、何故こんな場所に」
そんな事を言われながら俺はキョロキョロとした。最近、そういうのにも慣れてきたし皆ともっと話してもいいよな~とか思うけどフィグといるとなかなかできないしさせてくれないんだよな。
「あの~食堂で何か飲み物飲めますか?」
「はい、あちらにあります」
「お金はかかりますか?」
「はい。ですが、無料のもあります」
無料の飲み物はと思ったら水だった。
そら、そうか。
金なしの俺は水で良かったんですアピールをしながら椅子に座った。
お小遣い稼ぎしてもいい気がする~!そしたら何かお店とかあったらすぐ買えるかもしれない。今度、フィグにバイトできるか聞いてみよ~。
護衛さんは俺の後ろに着く。皆が注目するも俺は水しか飲まない。
「良かったら、護衛さんも座りませんか?」
「「勤務中です!」」
だよな…話し相手欲しかったんだけどな~
知り合い誰もいないし……水、冷たいし
するとこの間クラムさんの面接に来ていた人を見つけた。声をかけると驚いていたけど急いで駆け寄り腕を掴み一緒に俺のテーブルに座ってもらう事にした。
「良かった~知ってる人いなくて」
「あ、はい。あの~」
「気にせず食べて食べて。今、休憩中?」
「はい」
「俺、やまと宜しくね」
「は、はい。存じております。申し遅れ失礼致しました、私はシルキグスメイドビタです」
「へぇービタさんでいいですか?」
「はい、大丈夫です」
ビタさんはとっても普通の人で親近感のある人だった。仕事は護衛とかではなく防具や服のメンテナンスをする方だそうだ。だから皆ほどムキムキではないらしい。それでも普通の人よりは強いには強いみたい。
クラムさんの話しは避けつつ俺の話を聞いてもらうことにした。
「ナグマって皆ヤリ○ンなんですか?」
「え!?あ、いえ、ど、どうですかね?」
うーん、人によるのか?
そしてヤリ○ンが通じる
「じゃあ、めちゃくちゃ経験ある人とかどうですか?」
「えっ、えっ、あの、そうですね。馴れていらっしゃるならお任せできますし…えっと最終的に一途なら…経験が豊富なのは…良い…かと…」
そうか……こちらでは経験があるのは良いことなのか…。うーん、なら業にはいるなら業に従わねばならぬか……
「ビタさん、俺全然ナグマの事知らないからさ教え欲しいかも。恋愛の価値観とか」
「え!?あ、でも。それは…王やクラム様から聞かれたりした方が良いのでは……私は、経験はあまり……というか…ありませんので…」
なんと、ここに新鮮な方がいたー!
フィグやクラム先輩は経験ありすぎるんだ!
「一般的なのが聞きたくて。護衛さん仕事中だしさ、ソルトさんも箱入りだし。頼みます!」
「お、王妃様、困ります!頭をすぐにあげてください!」
頭を下げるやまとを見て護衛は驚き周りはどよめいた。王妃が頭を下げるなど前代未聞で護衛はすぐに頭を上げさせた。ビタは驚きおろおろしてやまとより低く頭を更に下げた。
「え、でも知りたいし」
「ナグマの恋愛事情を知ってどうするんですか?」
「だってさ~ナグマの人めちゃくちゃ皆経験豊富っぽいからさ~皆がそうならちょっとやだなって。やっぱり知らない方がいいのかな~?」
やまとの話にはあまり干渉しないようにしていた護衛も周りの反応と内容が内容だけに口を挟んだ。
「やまと様は王がいらっしゃいますし、そんな話をされますと皆が聞き耳をたててしまいます」
「うーん、だったらこの際だからこんなに大勢の人がいるなら聞いてみようかな。すみません~暇な方いますか~?」
俺は折角なので今後のメンタル再生の為と免疫を作るため統計をとり参考にしようと思った。すると、わらわらと人が集まってきた。
「おい、お前らやまと様には絶対触れるなよ!これより先は踏み込むな!」
「さがれ!話をお聞きしたいだけだ!仕事のあるものは戻れ!!おい、お前は今から仕事だろ!戻れ!」
予想以上に皆が暇だった。
食堂はやまと見たさと普段フィグがいて滅多に話せない為ここぞとばかりお近づきになりたく近寄ったのだった。護衛が人を押さえる中そうとは知らないやまとは皆に質問をなげかけた。
「皆さん、性的な意味でのお付き合いはいかほどですか?」
皆は、さすが最強の淫乱だと感心した。
そして、各々周りと話し出す。
「お前、いくつだよ」
「俺は20かな」
「見栄張るなよ、15だろ」
「俺は24」
それぞれが話すがやまとは気がつく。
ナグマの男達は経験が豊富であると。
まさか…ほとんどが俺の先輩か…
ナグマは桁が違う…
床に膝をつき、文化の違いだと言い聞かせた。
「やまと王妃?」
「皆さん、経緯豊富でいらっしゃる」
「でも、王妃候補は全員未経験のはず」
「じゃ、じゃあ、王は?」
皆が一斉に話すのをやめた。
な、なんなんだ!
そんななのか!そんなにすごいのか!
「や、やまと王妃、王は…えっと王ですから。それにこんな話がばれたら皆が大変な事になります。この辺で聞くのをやめた方が…」
ぐっ…わかってる、でも俺の悪い癖だ。
「フィグと寝た人この中にいるの?」
「やまと王妃!?何を聞くんですか!!」
「だって~」
やまとは一人の最高位護衛の腕を掴んで半泣きだった。思わず、ぐっとなり抱きしめようとしたがこんな姿を万が一王に見られたり周りにチクられたら大惨事である。
「いいな~やまと王妃に触れられて」
「最高位護衛はやはり違うな…」
早速ひそひそと良からぬ声が聞こえた。
「お前達!戻らないか!やまと王妃が困惑する!」
はっとなり周りはやまとを励ました。
「やまと王妃、大丈夫ですよ。王はやまと王妃しか見てませんから」
「そうだそうだ、」
「王が嫌ならいつでも俺の…ぐぼぁ」
護衛が全員追い払うと手を握りやまとを励ました。もう一人の護衛は、どさくさ紛れてあいつ王妃の手触ってんな…羨ましいと思っていた。
「ありがとうございます…やっぱり過去知りたくないや。俺らしくない。ビタさんもごめんね。ありがとう」
「あ、いえ。あの、良ければ…帰りにでも見てください」
ビタは落ち込むやまとに気分転換になる場所を教えてくれた。護衛に案内してもらうとそこは階段の踊り場でやまとのいる部屋の反対側から見える景色の途中にある場所のようだった。
窓を見るとうっすら光のようなものがポワンと見えた。
「もう少し吹雪きが治まればもっとハッキリ見えますね」
「へー幻想的」
「やまと様、踊り場の横に椅子があります。良ければどうぞ」
「ありがとうございます」
護衛さんは気を利かせてくれたのかあの光が何か教えてくれた。あの光は別の建物の通路で夜になると更に綺麗なのだとか。しかもこの踊り場は限られた人しかここまで上がれないらしくほぼ人は来ないらしい。
なぜ、ビタさんがこの場所を知っていたか尋ねたら恐らく王や最高位護衛の防具等のメンテナンスをしたことがあるのではと話した。反対側には俺の知らない部屋がまだまだあるらしく護衛さんの話に耳を傾けながらキラキラ光る光を見ていた。
この日、王妃の淫乱集会と題してこの話題は広まりその後ナグマの男達のヤリ○ンが減ったとか減らなかったとか。
「次」
「ああ、一生の事だからな」
「次」
あれから何度かお見合いや紹介を重ねた。しかし、最終選考で皆落とされてしまう。
クラムさんは意外と理想が高いのかもしれない。何でもできる完璧なクラムさんは自分と同じ完璧な人を求めとしまうのかも…こういう人はさ、お見合いより恋愛をしたらド嵌まりしそうだと俺は思った。
そして、そんなクラムさんは童の貞ではなかろうかと疑いはじめた俺がいた。
初めての人は理想通りがいいと思いがちだし、実際俺が来てから誰かと付き合ってるの見たことないしさ。だとしたら、焦らず条件で探さない方がいいのではと思ったりしたりして…
それに引き換えフィグは条件なんてすっ飛ばして俺と早々に結婚したけど口説くのや付き合うのに慣れてるきがするし俺が初めての相手とは思えない。
キスだってフィグは初めてなのにやたら上手かった。やっぱり密かに自主練してたんじゃなかろうか。だどしたらムッツリだな。
「やまと、何を考えている」
良からぬ想像はフィグさんにバレてしまう。
「いや、あの、クラムさん何人ぐらいお付き合いあったのかな~って」
「200人ぐらいじゃないか」
「はあ゛!?」
思わず声が裏返ってしまった。
「え、でも恋愛してる時間ないって」
「ああ、恋愛はしてないんだろ」
クラム先輩はまさかの超ヤリ○ン!?
なんて事だ、この意外すぎる展開。理想の高さはそう言う事だったのか。俺と同い年なのに既に三桁。それでもってキスはしない徹底ぶりは確かに性癖に刺さるな。
「で、でもその中から1人ぐらいお嫁さん候補がいても良かったんじゃ?」
「さぁな、あれもあれで何かといろいろあるのだろう」
何その抽象的な表し方!お父さんあれのこれでそれ取ってみたいな良くわからない会話のやつ!
「そ、そっか」
俺、小学校からの数入れても片手でおさまる。
だったらフィグは?
ヤバい、フィグが1000人斬りだったら立ち直れない。王ならあり得るか…そこらへんに俺の兄弟達いますみたいな。ヘイ、兄弟!
考えてもみなかった…
「うわ~ん!」
「やまと、どうした!?」
「何でもない…ちょっと、風に当たりに行ってくる、フィグはついてこないで」
久しぶりにこのテンションになってしまった。部屋を飛び出てとぼとぼ歩くしかない俺は窓の外を見た。
風に当たりに…猛吹雪…
仕方ないから久しぶりにあのくそ寒い展望台に行ってみるかな…。こんな時、松君がいてくれたらな~話し相手になってもらうんだけどな。
護衛二人は俺が走ると走るし、ゆっくり歩くとゆっくり歩くし影みたい。
自販機とかないかな~気分かわるんだけどな。
「護衛さん、飲み物が買える場所ないですか?」
お金ないけど。
「食堂ですか?」
食堂より店がいいんだけど~無いか。
あっちの日常で密かにできていた気分転換がこっちだと簡単にはできないんだよな。
「…いえ大丈夫です」
展望台へ向かうと『強風のため本日閉鎖』と書いてあった。いつも、強風なくせに!そんな事を思いながらまたきた道を戻り結局食堂へ来た。
「やまと王妃だ!」
「本当だ、何故こんな場所に」
そんな事を言われながら俺はキョロキョロとした。最近、そういうのにも慣れてきたし皆ともっと話してもいいよな~とか思うけどフィグといるとなかなかできないしさせてくれないんだよな。
「あの~食堂で何か飲み物飲めますか?」
「はい、あちらにあります」
「お金はかかりますか?」
「はい。ですが、無料のもあります」
無料の飲み物はと思ったら水だった。
そら、そうか。
金なしの俺は水で良かったんですアピールをしながら椅子に座った。
お小遣い稼ぎしてもいい気がする~!そしたら何かお店とかあったらすぐ買えるかもしれない。今度、フィグにバイトできるか聞いてみよ~。
護衛さんは俺の後ろに着く。皆が注目するも俺は水しか飲まない。
「良かったら、護衛さんも座りませんか?」
「「勤務中です!」」
だよな…話し相手欲しかったんだけどな~
知り合い誰もいないし……水、冷たいし
するとこの間クラムさんの面接に来ていた人を見つけた。声をかけると驚いていたけど急いで駆け寄り腕を掴み一緒に俺のテーブルに座ってもらう事にした。
「良かった~知ってる人いなくて」
「あ、はい。あの~」
「気にせず食べて食べて。今、休憩中?」
「はい」
「俺、やまと宜しくね」
「は、はい。存じております。申し遅れ失礼致しました、私はシルキグスメイドビタです」
「へぇービタさんでいいですか?」
「はい、大丈夫です」
ビタさんはとっても普通の人で親近感のある人だった。仕事は護衛とかではなく防具や服のメンテナンスをする方だそうだ。だから皆ほどムキムキではないらしい。それでも普通の人よりは強いには強いみたい。
クラムさんの話しは避けつつ俺の話を聞いてもらうことにした。
「ナグマって皆ヤリ○ンなんですか?」
「え!?あ、いえ、ど、どうですかね?」
うーん、人によるのか?
そしてヤリ○ンが通じる
「じゃあ、めちゃくちゃ経験ある人とかどうですか?」
「えっ、えっ、あの、そうですね。馴れていらっしゃるならお任せできますし…えっと最終的に一途なら…経験が豊富なのは…良い…かと…」
そうか……こちらでは経験があるのは良いことなのか…。うーん、なら業にはいるなら業に従わねばならぬか……
「ビタさん、俺全然ナグマの事知らないからさ教え欲しいかも。恋愛の価値観とか」
「え!?あ、でも。それは…王やクラム様から聞かれたりした方が良いのでは……私は、経験はあまり……というか…ありませんので…」
なんと、ここに新鮮な方がいたー!
フィグやクラム先輩は経験ありすぎるんだ!
「一般的なのが聞きたくて。護衛さん仕事中だしさ、ソルトさんも箱入りだし。頼みます!」
「お、王妃様、困ります!頭をすぐにあげてください!」
頭を下げるやまとを見て護衛は驚き周りはどよめいた。王妃が頭を下げるなど前代未聞で護衛はすぐに頭を上げさせた。ビタは驚きおろおろしてやまとより低く頭を更に下げた。
「え、でも知りたいし」
「ナグマの恋愛事情を知ってどうするんですか?」
「だってさ~ナグマの人めちゃくちゃ皆経験豊富っぽいからさ~皆がそうならちょっとやだなって。やっぱり知らない方がいいのかな~?」
やまとの話にはあまり干渉しないようにしていた護衛も周りの反応と内容が内容だけに口を挟んだ。
「やまと様は王がいらっしゃいますし、そんな話をされますと皆が聞き耳をたててしまいます」
「うーん、だったらこの際だからこんなに大勢の人がいるなら聞いてみようかな。すみません~暇な方いますか~?」
俺は折角なので今後のメンタル再生の為と免疫を作るため統計をとり参考にしようと思った。すると、わらわらと人が集まってきた。
「おい、お前らやまと様には絶対触れるなよ!これより先は踏み込むな!」
「さがれ!話をお聞きしたいだけだ!仕事のあるものは戻れ!!おい、お前は今から仕事だろ!戻れ!」
予想以上に皆が暇だった。
食堂はやまと見たさと普段フィグがいて滅多に話せない為ここぞとばかりお近づきになりたく近寄ったのだった。護衛が人を押さえる中そうとは知らないやまとは皆に質問をなげかけた。
「皆さん、性的な意味でのお付き合いはいかほどですか?」
皆は、さすが最強の淫乱だと感心した。
そして、各々周りと話し出す。
「お前、いくつだよ」
「俺は20かな」
「見栄張るなよ、15だろ」
「俺は24」
それぞれが話すがやまとは気がつく。
ナグマの男達は経験が豊富であると。
まさか…ほとんどが俺の先輩か…
ナグマは桁が違う…
床に膝をつき、文化の違いだと言い聞かせた。
「やまと王妃?」
「皆さん、経緯豊富でいらっしゃる」
「でも、王妃候補は全員未経験のはず」
「じゃ、じゃあ、王は?」
皆が一斉に話すのをやめた。
な、なんなんだ!
そんななのか!そんなにすごいのか!
「や、やまと王妃、王は…えっと王ですから。それにこんな話がばれたら皆が大変な事になります。この辺で聞くのをやめた方が…」
ぐっ…わかってる、でも俺の悪い癖だ。
「フィグと寝た人この中にいるの?」
「やまと王妃!?何を聞くんですか!!」
「だって~」
やまとは一人の最高位護衛の腕を掴んで半泣きだった。思わず、ぐっとなり抱きしめようとしたがこんな姿を万が一王に見られたり周りにチクられたら大惨事である。
「いいな~やまと王妃に触れられて」
「最高位護衛はやはり違うな…」
早速ひそひそと良からぬ声が聞こえた。
「お前達!戻らないか!やまと王妃が困惑する!」
はっとなり周りはやまとを励ました。
「やまと王妃、大丈夫ですよ。王はやまと王妃しか見てませんから」
「そうだそうだ、」
「王が嫌ならいつでも俺の…ぐぼぁ」
護衛が全員追い払うと手を握りやまとを励ました。もう一人の護衛は、どさくさ紛れてあいつ王妃の手触ってんな…羨ましいと思っていた。
「ありがとうございます…やっぱり過去知りたくないや。俺らしくない。ビタさんもごめんね。ありがとう」
「あ、いえ。あの、良ければ…帰りにでも見てください」
ビタは落ち込むやまとに気分転換になる場所を教えてくれた。護衛に案内してもらうとそこは階段の踊り場でやまとのいる部屋の反対側から見える景色の途中にある場所のようだった。
窓を見るとうっすら光のようなものがポワンと見えた。
「もう少し吹雪きが治まればもっとハッキリ見えますね」
「へー幻想的」
「やまと様、踊り場の横に椅子があります。良ければどうぞ」
「ありがとうございます」
護衛さんは気を利かせてくれたのかあの光が何か教えてくれた。あの光は別の建物の通路で夜になると更に綺麗なのだとか。しかもこの踊り場は限られた人しかここまで上がれないらしくほぼ人は来ないらしい。
なぜ、ビタさんがこの場所を知っていたか尋ねたら恐らく王や最高位護衛の防具等のメンテナンスをしたことがあるのではと話した。反対側には俺の知らない部屋がまだまだあるらしく護衛さんの話に耳を傾けながらキラキラ光る光を見ていた。
この日、王妃の淫乱集会と題してこの話題は広まりその後ナグマの男達のヤリ○ンが減ったとか減らなかったとか。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる