―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》

EPIC

文字の大きさ
上 下
47 / 114
チャプター8:「淡々と進む行程」

8-1:「街で」

しおりを挟む
 夜を越え、翌朝を迎えた。
 調達隊は、昨日襲撃とその対応により中断した行程を再開。昨日の物に大型トラック1輌と装備をさらに増強した編成で森を発し、今は目的地である〝星橋の街〟という名の街を目指し、平原にできた轍を辿り進んでいた。

「でぇ?向こうに着いたら何すんだぁ?」

 4輌編成の車列の最後尾に位置する旧型73式小型トラックの後席で、多気投が声を上げる。

「最初に警察機構あるいは軍と接触する――」

 それに対して、助手席上の河義が説明を始める。
 先日河義等が物資食料調達のために訪れた、ニニマ、フレーベル達ウルワレーシュ姉妹の住まう〝星橋の街〟も見られたように、この月詠湖の国の主要な町には、兵団という名称のこの国の軍事組織が駐留しているとの事であった。
 調達隊の本来の目的は必要な物資の調達にあったが、野盗に関する一連の事態が判明、及びそれに介入してしまったため、隊はそれを報告、及び可能であれば引き継いでもらうため、この国の警察機構に接触する必要を伴っていた。

「それを終えたら、よーやくお買い物タイムだなぁ」

 運転席で、謹慎待機のために抜けた策頼に代わって、ハンドルを握る竹泉が気だるげに発する。

「あぁ、それで竹泉がメガトン級アイスで腹壊して死ぬ様が、拝めるわけだ」
「残念だったな。これでも俺様の腹は頑丈なんだよ」

 そして後席から制刻の煽る声が飛ぶ。それに対して返す竹泉。

《各車へ、前方より接近する物体あり。あれは馬――騎兵だ》

 そんな折、飛び交う皮肉に顔を顰めてた河義を始めとする各員のインカムに、先頭を行く指揮通信車の矢万からの声が届いた。

《数は4騎、轍に沿って真っ直ぐこっちに来る。おそらくこちらが目的と思われる》

 続けて報告される、接近する者達の概要。

「河義三曹。援護できる位置に出た方がいいかと」
「だな――各車へ、こちらジャンカー4。こちらは車列を外れ、援護できる位置に出ます」

 制刻は河義に進言。それを受け入れた河義は、インカムで先を行く2輌にその旨を発報する。

《了解ジャンカー4》

 発報には、車列の2輌目を行く大型トラックに乗車する、麻掬より了解の返答が来る。

「竹泉、道を外れて脇に出るんだ。多気投は軽機に付け」
「今度は矢とかぶっ飛んで来ねぇといいよなぁ!」

 河義が指示の声を発し、竹泉は皮肉気な声を上げると同時にハンドルを切る。小型トラックは轍を外れて車列を離れ、車列を援護できる位置へと移る。



「――別れた。2騎が轍を外れた」

 先頭を走る指揮通信車の車上で、双眼鏡を構え覗く矢万が声を零す。
 少し前に目視できた4騎の騎兵と思しき隊伍は、次に内の2騎が分かれて轍を外れてゆく様子を見せた。

「武装らしき物が見える。クロスボウか?」
《向こうも、こちらを警戒しているようですね》

 矢万の続けて零した言葉に、インカム越しに操縦手の鬼奈落が返答を返す。

「だな――宇現。MINIMI軽機に付いてくれ」
《了解》

 矢万はインカムを通じてまた別の隊員に指示を送る。
 そして矢万の視線の先、指揮通信車の前方助手席上の天井ハッチが開かれ、そこから宇現と呼ばれた野砲科の陸士長が半身を現し、指揮通信車の前方に据え付けられたMINIMI軽機に着く姿が見えた。
 それを確認した後に、矢万は車列の進路上に視線を戻す。二手に分かれた騎兵の内のもう一方は、轍の上を一直線にこちらへ向けて駆けて来る。矢万は警戒の姿勢を強め、自身の側に据え付けられた12.7㎜重機関銃の握把を手繰り寄せようとした。しかしその直後、矢万は接近する騎兵の馬上に動きを見た。

「――手を振って来た?」

 真っ直ぐ接近して来る騎兵の内の、先頭に位置する騎兵。その馬上に跨る人物が、こちらに向けて手を掲げて大きく振るっていた。それはこちらに向けられた、明確なコンタクトの姿勢であった。

「麻掬三曹。彼等、こちらに向けて手を振って来ました」
《敵意は無いという事か――?》

 矢万は後続の大型トラックの、この場の先任者である麻掬に報告を送る。インカム越しに、麻掬から疑問の声が返って来る。

「おそらく――こちらでコンタクトを試みます」
《頼む。油断はしないでくれ》
「了解――鬼奈落。彼等に接近し、停車しろ」

 麻掬との通信を終えた矢万は、入れ替わりに操縦手の鬼奈落に指示。指示が反映され、指揮通信車はその速度を落し始める。速度を落し始めた指揮通信車の車上で、矢万は向かってくる騎兵に向けて手を翳し返す。それに呼応し、騎兵もまた手を振り返す姿が見えた。
 やがて双方は、肉眼で相手の顔がはっきりと確認できる距離まで近づき、それぞれ速度を完全に落とし切り、互いに相対して停車した。

「我々は、星橋の街駐留、月詠第12兵団の者です。そちらの身分と、旅路の目的を教え頂きたい!」

 接近相対と同時に先に声を上げたのは、2騎の内の前側に位置する騎兵だった。三角帽被り、青を基調とした軍服と思しき衣服を纏うその男は、馬上より通る声で、調達隊側に向けて身分と目的を問う。

「こちらは日本国陸隊です。私達は街に訪問し、物資の補給調達を行わせていただく事を希望します」

 それに呼応し、矢万は自分達の組織と目的を名乗り返した。

「……ニホン国。それにフォートスティートの方向から……」
「えぇ、おそらく彼等でしょう」

 矢万の名乗りを聞いた二人の馬上の騎兵達は、顔を見合わせ、何かを確認するように会話を交わす様子を見せる。そして内の、先に声を張り上げた片方が、馬を操り指揮通信車の側面へと近づいて来る。

「唐突で申し訳ないが、少しお尋ねしたい。荒道の町で野盗を撃退し、商隊を救った一団というのは、あなた方ではないか?」

 そして騎兵の男は馬上よりさらに若干高所にいる、指揮通信車上の矢万を見上げ、そんな尋ねる言葉を投げかけて来た。

「あぁ――えぇ、確かに私達は先日訪問した町で、襲撃に居合わせそれに対処しました。おそらく、それは私達の事でしょう」

 騎兵の男の言葉に、矢万は先日の町での野盗への対応行動の件を思い返し、肯定の言葉を返す。

「やはりですか――!いえ失礼、受けていた報告と似通った特徴をなされていた物ですから」
「私達の事をすでにご存じなんですか?」
「えぇ。荒道の町からの早馬で、商隊を救った一団がいるとの報告は、すでに受けておりました」

 矢万の発した疑問の言葉に、騎兵の男はそんな説明を返す。

「成程」
《まぁ、私達は居るだけで悪目立ちしますからね。噂も広まるでしょう》

 矢万の納得し呟く言葉に、インカム越しに鬼奈落のどこか飄々とした口調での言葉が返って来た。

「先程もお伺いしましたが、あなた方は我々の街へ、物資調達が目的で来訪されたのですね?」

 そんな所へ、騎兵の男から確認の言葉が掛けられる。

「はい――あぁいえ、それと……お尋ねしたいんですが、あなた方はこの国の軍ないし警察組織の方ですか?」

 騎兵の質問に矢万は肯定したが、直後に逆に尋ねる言葉を返す。

「?――はい――」

 質問に対して騎兵の男は、彼等は兵団を名乗るこの国の軍事組織であり、防衛や、街の内外の治安維持活動を受け持ち行っている事。現在も哨戒活動の途中である事など回答を返した。

「あぁ、良かった。実は私達の訪問目的は、物資調達だけではありません。そちらに、お伝えしたい事があります――」

 矢万は騎兵の男に、自分達がここまで来る行程の途中で、町で対処した者達とはまた別の野盗集団に遭遇した事。その野盗の根城を制圧し、被害者と思われる複数の遺体と、多数の強奪品を発見。また、一名の生存者を保護した事。そしてこれらの案件を、この国の警察組織に報告引継ぎを行いたい旨を説明した。

「それは――大事だ。フラロ、彼等の来訪の今の件。先に戻り、本部に伝えてくれ」
「分かりました」

 矢万からの一連の説明を聞いた騎兵の男は、その表情を神妙な物に変える。そして背後に控えていたもう一人の騎兵に指示を発する。指示を受けた騎兵は手綱を操り愛馬を反転させ、来た方向を駆け戻って行く。

「もしよろしければ、あなた方からも詳しくお話を伺いたい」
「もちろんです。私達はそのために来訪しました」

 騎兵の男の要請に、承諾の言葉を返す矢万。

「では、我々の街までご案内します」

 言うと騎兵の男は、離れた位置で警戒に付いていた残りの騎兵達に何か合図を送る。それを合図に騎兵達は警戒を解いた様子を見せる。そして騎兵の男も手綱を操り愛馬を翻し、そして調達隊に追走を促す姿勢を見せる。

「各車へ、コンタクトは成功――」

 矢万は無線越しに、コンタクトは無事成功した旨を発報し、続けて一連のやり取りの内容を簡潔に報告する。そして警戒に付いていた小型トラックの4分隊に、警戒を解き車列に合流復帰するよう要請。
 調達隊は縦隊を組み直し、先導をかって出た騎兵達の追走を始めた。



 少しの間、先導を受けながら調達隊の車列が平原を進むと、やがてその先に人工物――目的の街の物であろう城壁がその姿を現した。遠目にもその城壁が長大な物である事が分かり、目的地である街が、これまで隊が訪れて来た中でも最大規模の物である事が伺えた。

「でかいな」

 その大きさに指揮通信車の車上で矢万は思わず零す。
 程なくして騎兵達と調達達の車列は、その城壁の元へと到着。城壁の一角に設けられた城門の前へと乗り入れ、停車した。
 城門脇に設けられた詰め所前には、数名の衛兵らしき人影が見える。すでに先んじて戻った伝令により調達隊の来訪は知らされているのであろう、衛兵達が大きな騒ぎを見せる事は無かったが、彼等は少しの警戒と、物珍しそうな色の視線を調達隊の車列へと向けていた。
 そんな視線を受ける中で、大型トラックの助手席より麻掬が降車。麻掬は一度周囲を見渡した後に、少し先に停車した指揮通信車の方向へと歩く。向かった場では、指揮通信車上の矢万と、馬上より降りた先の騎兵の男が、何やら短く言葉を交わしている様子が見える。

「――あぁ、こちらの者と話してください。この場の先任者です」

 麻掬に気付いた矢万は、騎兵の男に麻掬を紹介し、促す。

「日本国陸隊の麻掬三曹と申します」

 麻掬は組織と己の姓階級を名乗りながら、挙手の敬礼動作を行う。

「月詠第12兵団のハイテムです。星橋の街へ」

 その敬礼動作の意味を察したのであろう、ハイテムと名乗った騎兵の男は、歓迎の言葉を述べると同時に、おそらく兵団式の者であろう敬礼動作を返して見せた。

「さて、街へと入っていただく前に、来訪者の方には身分と来訪目的。そして所有している武器等危険物類の確認をさせていただいております。ご身分と来訪目的はすでにお教えいただいていますので……」

 そこでハイテムは言葉を区切り、城門前に停車した各車輛や各員の姿を一度眺める。そしてその後に、どこか困ったような色をその顔に浮かべた。

「――申し訳ありません。私達は道中での脅威との遭遇を警戒し、車輛にそれなりの重装備――武器の類を搭載して来ました」

 そんなハイテムの思う所を察して、麻掬は説明の言葉を発する。発された通り、調達隊は再びの野盗あるいはモンスターの類との遭遇を警戒し、引き続き――いや調達行程開始時よりもさらに上乗せされた規模の装備を有していた。それは調達隊単体で、ある程度の小規模な作戦を行えるレベルの物であった。

「やはりこの状態では街へは入れませんか」

 そして麻掬は懸念の言葉を発する。

「そうですね……申し訳ないのですが――」

 ハイテムは、現在街へ入る旅人等には、持ち込む武器を護身に必要な最低限に留めてもらっている事。それ以上の物は衛兵隊に預けるか、街の外で待機してもらっている旨を説明した。

「問題事ですか?」

 そこへ麻掬等の背後から声が掛かる。振り向けば、小型トラックを降りてこちらへ歩いて来た、河義と制刻の姿があった。

「あぁ――」

 麻掬は河義等に、今しがた説明された旨を伝える。

「面倒だな」

 それを聞き、制刻が呟く。

「車輛を乗り入れられねぇと、調達行動に支障が出る。なんとか融通利かねぇか?」
「おい制刻……」

 制刻はハイテムに向けて聞き尋ねる。その若干不躾な態度に、横に立つ河義が咎める声を上げる。

「ほほう、これはまた珍しい光景の数々だ」

 そんな所へ、集う各員の別方から声が聞こえ来た。各員がそちらへ視線を向ければ、開かれた城門から出て来たと思しき、数騎の馬の姿がある。
 そしてその先頭に位置する馬の馬上で、遠目にも良い体躯であると分かる壮年の男性が、周辺の車輛に物珍しそうに眼を配る姿があった。

「司令」

 ハイテムがその壮年の男の姿に、声を上げる。司令と呼ばれたその男は直後に馬上から降り立つと、引き続き周囲に珍しそうな視線を向けながら、集った各員の元へと歩いて来た。

「あなたは?」
「おっと失礼――私はエレノム。この街に駐留する、月詠第12兵団の司令を務めております」

 麻掬の尋ねる言葉に、壮年の男は自身の名と身分を名乗って見せた。

「司令官の方ですか――!失礼しました、私は日本国陸隊の麻掬と言います」
「ようこそ私達の街へ」

 おそらく最高階級者と思われる人物の登場に、麻掬は少し驚き、そして謝罪と挨拶の言葉を返す。それに対してエレノムと名乗った壮年の男性は、その荘厳そうな顔に温和な笑みを浮かべて、歓迎の言葉を述べた。

「頭が直にお出ましか。話が早く済みそうだ」
「制刻!」

 一方、背後では制刻がそんな言葉を発する。無礼とも取れる態度に河義が再び咎める声を上げたが、当人は気に留める様子も無い。

「いえ、私も自ら赴き、荒道の町の恩人である皆さんと、直接お話がしたいと思っていました」

 対してエレノムは、特段気にした様子は無い様子で、そして自らこの場に赴いた理由を説明する。

「恩人などと――私達はたまたま、あの場に居合わせたに過ぎません」
「ご謙遜を。あなた方のご活躍は、聞き及んでいますよ」

 麻掬は謙遜の言葉を発したが、エレノムはそれに笑いながらそう返す。

「――して、何か皆さんお困りのようだが。何かあったのかな、ハイテム大尉?」

 そしてエレノムはその場の様子をすでに察していたのだろう、横に立っていたハイテムに振り向き、尋ねる言葉を発した。
 ハイテムはエレノムに対して、調達隊が物資調達のために街を訪れた事と、そのために各車輛を町へ乗り入れたいと要望している旨を説明。

「しかし、このまま皆さんをお入れすれば、住民に混乱を招きかねません。それに、皆さんかなりの武器装備をお持ちのようです」

 そして続けて懸念事項を発した。

「ふむ――まずこの不思議な乗り物を街へ入れるには、事前に町内への通達と、整理を行う必要がありそうだな」

 それを聞いたエレノムは、車輛が街へ入る上での必要な対策を口にする。そして周囲にいた配下の各兵に向けて行動を命じ、各兵はそれに掛かって行った。

「皆さん。すみませんが少しお時間をいただけますかな?
「えぇ――それよりも、よろしいのですか?」

 そんな様子を眺め、そして言葉を聞いた麻掬が、エレノムに向けて言葉を返す。

「皆さんは気になさらないで下さい。恩人の皆さんに、私達の街で不便な思いはして欲しくありませんからな」

 そんな麻掬の言葉に、エレノムは屈託ない笑顔で返す。

「申し訳ありません。私達の方でも装備を最低限に抑え、残りは街の外で待機するよう、対応策を取らせていただきたいと思います」
「あぁ、お手間を取らせてすみません。しかし、ご協力に感謝いたします」

 麻掬は続けて自分達側でも対応策を取る事を申し出、エレノムはそれに礼の言葉で答えた。



 調達隊側は82式指揮通信車と大型トラック一輌、そして重装備と人員の半数を街の外で待機させ、街へ入るために残りの車輛2輌ともう半数の人員、そして最低限の護身装備を抽出編成。
 街の兵団側は事前に街の中へ通達を走らせ、そして規制整理を行い、調達隊を誘導するための騎兵部隊を用意。
 両者の折衷案、及び成された対策の元で、調達達はようやく城門を潜り、街へと入った。

「案の定、凄まじい悪目立ちっぷりだな」

 街へと入り街路を進む大型トラックと小型トラックの2輌の内、後ろを行く小型トラックの上で、ハンドル握る竹泉が呆れた声で零す。
 街路は広く、車列は騎兵の先導護衛の元、難なく進んでいたが、その道中多くの住民たちの視線を集めていた。事前に兵団側により通達が成されてはいたが、それでも住民達の顔には驚きと警戒の色が浮かんでいた。

「皆身構えてばっかだなぁ――ヘェイ皆の衆、そんなにビビってくれるなってぇ!俺等は陽気なスターだずぇ!」

 そんな陰気な視線の数々を居心地悪く思ったのか、小型トラックの後席上で多気投が立ち上がり、両手を広げて周囲に向けて高らかに声を張り上げた。
 しかし人並み外れた体躯の多気投の、叫び上げる姿を見た住民達は、揃って一層その顔を強張らせる。そして「オーク……?」「いや、トロルの亜種かも……!」等と言った困惑混じりの声が聞こえ来て、仕舞にはどこかで子供の泣き声まで聞こえ出した。

「多気投……!」

 そんな多気投の行動に、助手席上から河義が咎める声を上げる。

「何の話ですか」
「おい、どっかでガキが泣き出したぞ」

 そして多気投の台詞に対して出蔵が困惑混じりの突っ込みを入れ、竹泉は子供の泣き声を聞き留め再び呆れた声を零す。

「皆さん……!申し訳ありませんが住民は不安がっています、それをさらに脅かす行為はお控え願えますか……!」

 挙句、小型トラックの近くを追走していた騎兵から、注意の言葉を受ける羽目になった。

「オーゥ、俺っちは不安がってるオーディエンスを和ませようと思ったんだずぇ?」
「オメェのパフォーマンスじゃ却って悪化する。座ってろ」

 口を尖らせて不服の言葉を零した多気投、それに対して制刻が白けた口調で告げた。



「何をやってるんだアイツは……!」

 先を走る大型トラックの助手席。その助手席ドアの開いた窓から半身を乗り出し後方を向いた麻掬が、後続の小型トラック上で騒ぎを起こした多気投を見止め、呆れ混じりの悪態の声を零す。

「ははは、なかなか独特な方々がいらっしゃるのですな」

 一方、大型トラックの助手席側に馬で並走していたエレノムは、笑いの声を零した。

「すみません……せっかくお手間を掛けていただき、通して頂いたのに、結局騒ぎとなってしまった」
「ある程度は仕方ありますまい。――所で、皆さんは荒道の町での一件だけでなく、こちらへ向かわれる道中でも、野盗に遭遇したとの事でしたな」

 エレノムは麻掬の謝罪に擁護の声を返し、そして先には発された伝令が伝えたのだろう、森での野盗の一件について言及した。

「はい。私達は道中の森で再び野盗と遭遇し、それらを相手取り抑えました。今回の訪問には、その事をお伝えしたいという目的もあるのです」
「詳しくお伺いさせて頂きたいです。まずは、兵団の司令部庁舎にご案内しましょう」



 調達隊はエレノムを筆頭とする兵団の案内により、街の中心部に存在する兵団の司令部庁舎に到着。隊は各案件の調整及び報告を兵団側に行うために、麻掬と河義等陸曹を。そして各戦闘で矢面に立った制刻を、当時の説明のための要員として抽出し、兵団の出迎えを受け司令部庁舎へと通された。
 司令部の来賓室へと通された麻掬は、まず自分達の置かれている状況の大まかな部分を説明。特殊な状況により人員に偏りがあり幹部、士官クラスの人員を出せず、司令官が直々に話の場に出て来た兵団側に対して、こちら側の代表者が陸曹、下士官クラスの者となってしまった事を謝罪。しかしエレノム始め兵団側は、特段それを問題視した様子は無く、麻掬等を代表者として受け入れた。
 それを受けた上で麻掬等は、改めて自分達の来訪の目的を説明。一つが物資調達が目的である事、そしてもう一つが森で発見した野盗の一件の報告引継ぎが目的である事を伝え、そして野盗の一件に関する一連の詳細を、エレノム達に説明した。

「なんという事だ……」

 野盗の一件の詳細を聞かされ、エレノムはそれまで温和な色を崩さなかったその顔を、始めて苦い物へと変えた。

「まさか街の目と鼻の先の地で、そのような事態を許すとは……」

 そしてどこか悔し気な口調で言葉を零すエレノム。

「この地の状況は、私達も聞き及んでいます。対魔王戦線――でしたか?それに対する派遣の影響で、治安維持が難しくなっているとか」

 それに対し麻掬は聞き及んでいたこの地域の現状を思い返し、兵団側の実情を察する声を上げる。

「えぇ、その通りです。しかし、それにしても――」

 のっぴきならない理由が兵団側にもあるとは言え、それを踏まえても街に近い地で野盗の蛮行を許したことは、屈辱的な思いなのであろう。エレノムは苦々しく言葉を吐いた。

「司令さん。ここまでいくらかの町や村を見て来たが、基本的にコミュニティを一歩出れば、法の及ばねぇ無法地帯って認識じゃねぇのか?」
「制刻!」

 その時、麻掬の腰かけるソファの背後で、いささか緩い姿勢で立ち構えていた制刻が言葉を挟む。その不躾な態度に、麻掬に隣席していた河義が叱責の声を上げるが、制刻が気に留める様子は無い。

「あぁ、基本はその通り。――しかし兵団は、以前は町や村に限定せず、国内領地を広域に渡って巡回し、治安維持に努めていた。以前であれば、このような事態を許しはしなかっただろう」

 一方エレノムは気分を害した様子は見せず、制刻に合わせて言葉を崩し、質問に回答して見せる。

「それが、魔王の登場で今はグズグズのパーって事か」

 再び不躾な態度で言葉を返す制刻。その元では、ソファ上の河義がもう咎めても無駄な事を察し、片手で額を抑えている。

「その通りだよ……」
「どこもかしこも、魔王だな」

 エレノムは肯定の言葉を返し、制刻は呆れの色の混じった声で呟いた。

「――いや失礼。みっともない姿をお見せしてしまいましたな。何にせよ、二度も事態を解決して下さった皆さんには、感謝の言葉しかありません」

 そこで姿勢を改め、エレノムは礼の言葉と共に、麻掬等に向けて頭を下げた。

「よしてくださいエレノム司令官……!私達はその場に居合わせ、出来る事をしたに過ぎません」

 そんな姿勢を見せたエレノムに、麻掬は少し慌てた様子を見せて促す。

「いいえ。皆さんにはこの地の治安を預かる者として、そして一人の親として礼を言わなければなりません」

 しかしエレノムはそんな言葉を返す。その言葉の後半部分の示す所に覚えが無く、麻掬等はその顔に疑問を浮かべる。

「親――というと?」
「あなた方が荒道の町で救っていただいた商隊。その中には、私の娘と孫達も含まれていたのですよ」

 そして零された麻掬の言葉に、エレノムそんな事実を発する。
 エレノムは伝令だけで無く、つい先日荒道の町を経由してこの街に辿り着いた娘から、隊の存在について聞き及んでいた事を説明。加えて娘や孫達から、「最初は別のならず者かと思った」「まるで魔物と見紛う者までいた」、等と言った話を伺っていた事を、その顔に少しの笑みを戻して話して見せた。

「そういや、んな事あったな」

 エレノムの話を聞き、制刻がその時の事を思い返して呟く。
 そんな伝聞の元凶であろう制刻当人の淡々とした姿勢を、麻掬や河義は呆れ、あるいは苦い表情で振り向き見上げる。
 そして一方で、エレノムが当初から自分達に対して好意的であり、異質な自分達に便宜を図り、街へ大きな制約無く招き入れた理由を察した。
 荒道の町で野盗に対応した実績が無ければ、街への来訪がもっとハードルの高い物となり、制約も多かったであろう事を知った麻掬等。しかし麻掬等は同時に、商隊が襲撃に遭った事など他人の不幸が、自分達にとっては結果好転的に働いた事に、複雑な心境を抱いていた。

「エレノムさん。先ほども申し上げましたが、私達は偶然その場に居合わせ、皆さんを助ける事ができたに過ぎません」

 麻掬はエレノムに向き直り、もう一度その旨を発する。
 そして森での一件について、自分達だけでのこれ以降の対応は難しく、この地の治安維持組織である兵団の協力が必要である事を申し出た。

「もちろんです、本来は我々の成すべき役目。事態を、あなた方からお引継ぎしましょう」

 それをエレノムは承諾。事態を引き継ぎ対応するために、兵団から一部隊を割き、森へと派遣する事が約束された。



 それから麻掬等は兵団側に現在の状況の詳細報告と、現段階で行える限りの調整を行い、司令部庁舎を後にした。
 そしてもう一つの、本来の目的である各種物資資材の調達行動に取り掛かり、各員は各々に割り振られた分担の元、街へと繰り出した。

「人狼と言っても、治療、診察の上で特段人と変わるような所は無いそうです」
「そいつぁ良かった」

 街の中の街路を、制刻と出蔵が会話を交わしながら歩んでいる。
 二人は街にある医療機関、及び薬剤を取り扱う店舗施設の訪問を担当。医療機関では保護した狼娘チナーチのため、獣人を診察治療する上での注意点等を聞き尋ね、薬剤を取り扱う施設では有用と思われる医薬品や機材の調達補充を行った。

「ただ、やっぱり難しいのは心のほうですね……」
「そこは、摩訶不思議世界でも簡単にはいかねぇか」
「えぇ……」

 出蔵はチナーチに対して出来る限りのケアはするが、それ以上は時間と本人次第になってしまう事を、苦い表情で告げた。

「――あ」

 そんな会話を交わしていた所で、出蔵が何かに気付き声を上げる。制刻も同時に視線の先の存在に気付く。二人の進行方向の少し先、街路の端に小型トラックが停車されている姿が見えた。そして小型トラックの助手席上には、遠くからでも一目でわかる多気投の巨体が見て取れた。道を行く住民達は皆、小型トラックとそれに乗る大変目立つ容姿の多気投に、好奇あるいは警戒等多様な視線を向けていた。しかし当の多気投は遠目にもそれを気にした様子は無く、歌でも口ずさんでいるのだろう、その巨体をリズミカルに揺らしていた。

「――お、ヨーォ!」

 そんな所で制刻等が歩み近寄ると、それに気づいた多気投は振り向き、陽気に声を投げかけて来た。

「石油精製絡みのブツは集まったのか?」

 対する制刻は開口一番に尋ねる。
 多気投、竹泉の石油精製に関わる知識を持つ二人は、精製の上で必要な物資機材の調達を担当していた。

「あぁ、大体の所はあつまったぜぇ」

 多気投は答えながら、小型トラックの後席に視線を向ける。後席の座席や床には、包や機材が雑多に詰められた木箱などが多数詰まれていた。
 多気投は訪問した機材の販売取扱い施設で、基本的なガラス器具や応用できそうな物は買い攫えた事。一部要望に合う物が見つからない機材もあったが、その取扱い施設がある程度のオーダーメイド品の受注を受け付けており、発注を掛けた事等を説明して見せた。

「そいつぁいい」

 多気投の言葉に、制刻は端的に呟く。

「あれ?じゃあここでは何をしてるんですか?」

 しかしそこで、出蔵が疑問の声を上げた。

「あぁ――一部揃わねぇブツに関して、そこのオーナーからこっちのショップを紹介されたんだけどよぉ」

 多気投は発しながら、小型トラックに隣接して建つ一軒の建物に目を配る。

「どーにもここが色んなモンをオールラウンドに扱ってるショップみたいでなぁ、竹しゃんが夢中になっちまって出て来やしねぇんだぁ」

 多気投の視線を追って、二人はその一軒の店舗に視線を送る。
 その店は、内外に統一性のない品物が無造作に並び、どこか胡散臭さを醸し出している。そして店の窓越しに、その内部に竹泉の姿が見て取れた。

「しゃぁねぇヤツだな」

 呆れた声で呟いた制刻は、店の扉の前に立ってそのノブに手を掛けた。



 統一感の無い様々な品物が並ぶ建物内。雑貨屋の体を取るその施設の店内では、竹泉が並ぶ商品を眺め漁っている。一方店内に設けられたカウンターでは、店主と思しき青年から中年の間といった風体の男性が、肘を付き少し辟易とした表情で竹泉の姿を追っていた。

「よぉ店主、こいつは?」

 竹泉は並ぶ品物の中から一つを取り上げ、店主の男性に向けて振り向き尋ねる。竹泉が手にしたのは、剣身の中心線が空洞になった奇妙な剣であった。

「うん?あぁ、それは機械剣の一種だ、内部に小さな刃を仕込んで飛ばせるんだよ」
「ほぉ、そいつは面白れぇ」

 言いながら、竹泉はまるで傘のように一つの入れ物に束ねられた剣の山に、その機械剣を戻す。

「お客さん……色々買ってくれんのはうれしいんだが、あんまり長居するのも正直勘弁して欲しいんだが」

 店主はそんな竹泉の背中を視線で追いながら、渋い顔で要望の声を発する。店主の隣、カウンターの上には多数の機材や書物等が雑多に積み重ねられている。これらは全て、竹泉が購入を決めたこの店の商品であった。

「まぁ待てよ。こっちは色々入用なんだよ」

 しかし竹泉は店主の言葉に構わず、物色を続ける。

「勘弁してくれ……」

 そして店主は最早隠そうともせず、ウンザリとした声を上げる。
 店の出入り口の扉が開かれたのはその時であった。

「っと、いらっしゃい――ぉぉぅ……!?」

 それに気づきお決まりの文句を発した店主だったが、彼は次の瞬間に思わず目を剥き、驚きの言葉を零した。新たに入店して来た存在が、巨体で、そして酷く歪で醜い風体の人物であったからだ。

「邪魔する」

 その酷く歪な風体の人物――すなわち制刻は、店主のその反応を大して気に留めた様子も無く、言葉を返す。

「あん?自由か」

 一方の竹泉は、物色を中断する様子を見せず、片手間に制刻の姿を見た。

「お客さんのツレかい……?」

 店主は竹泉の反応と、そして両者が類似した服装に身を包んでいる事から、二人が関係者である事に察しを付ける。

「あぁ、不本意だがな」

 竹泉は店主に背中を向けたまま、肯定の言葉を飛ばす。

「長ぇ事居座ってるようだが、ここはそんなに面白ぇか?」

 そんな竹泉に、制刻は呆れの混じった声を投げかける。

「あぁ、中々良いガラクタ屋だ。興味深いモンで溢れてる」
「掘り出し物屋と言ってくれ」

 竹泉の評価の言葉に、カウンターで頬杖をつく店主は、不服そうに発した。

「悪ぃな、ウチのが面倒掛けて」
「まぁ……色々買ってくれてる分にはいいんだけどな」

 制刻はカウンター前に立ち、店主に向けて不躾な謝罪の言葉を送る。一応の謝罪を受けてか、それに対して店主も一応のフォローの言葉を述べて返した。

「で、この山が竹泉が興味を示したブツの数々か」

 そして制刻はカウンターに積まれた、竹泉が購入を決めた商品の数々を一瞥する。そして積まれていた数冊の書物の、一番上にあった一冊を手に取る。何気なく取った物だったが、その書物の表紙に書かれたタイトルが、制刻の目を引いた。
 ―この地は周る―
 表紙に書き記された異界の文字は、そんな意味に訳され制刻の脳裏に飛び込んで来た。
 制刻はその書を開いてページをめくり、目を通して大体の内容を攫えて行く。
 要約するとその書物には、この地は宇宙に存在する天体であり、太陽を中心に軌道に沿い周っているという、いわゆる地動説を説く内容が記されていた。
 元居た世界では最早誰もが知る事であったが、制刻はハシア達勇者とのファーストコンタクトの際に、この世界では未だ天動説が通説である事を確認しており、その事を思い出す。
 そしてその世界で存在するこの地動説を説く書物が、異質な物であると気付いた。書物はさらにページをめくって行けば、この異世界の地が存在する星系の、予想図までが記されていた。

「面白れぇだろ?」

 制刻が書物に目を落していた所で、声が掛かる。振り向けば、商品の物色を終えたのであろう竹泉が、その背後に立っていた。

「ああ。天動説が主流の世界で、これは異質だな」

 竹泉の言葉に、制刻は書物をもう一度一瞥しながら返す。

「それだけじゃねぇ。各惑星の存在、動きets――やたら細かく書かれてる。おまけに、肉眼や簡易な望遠装置じゃ観測できないレベルの惑星まで、存在が記されてる。ホラで書かれた妄想ノートにしても、出来過ぎてる。これは――」
「つまり、それだけの知識と観測技術を持つヤツがいるって事だ」

 竹泉の言葉に制刻が続け、推測の言葉を発した。

「あんた等、またそんなトンデモ本によく食いつくな……」

 一方、そのやり取りを見ていた店主は、両者を呆れた顔で見る。それに対して竹泉は、「その本を置いてるこの店はなんだよ」と皮肉気に返した。

「店主、この本を書いたヤツの所在は分かるか?」
「所在かい?」

 そこで制刻の発した尋ねる声に、店主は訝しむ声を零す。

「この手のトンデモ本は、知り合いの仕入れ屋から安価に譲ってもらってるモンだが、それより先の事はな……」
「その仕入れ屋に尋ねて、出先を追っかける事はできねぇか?」
「機会があれば聞いてみるが、いつになるかは分からないし、確証もないぞ?」
「期間や確証は問わん。そっちの頭の片隅に、落いといてくれる位でいい」

 制刻は店主の念を押す言葉を了承し、その上で要望を出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

装甲列車、異世界へ ―陸上自衛隊〝建設隊〟 異界の軌道を行く旅路―

EPIC
ファンタジー
建設隊――陸上自衛隊にて編制運用される、鉄道運用部隊。 そしてその世界の陸上自衛隊 建設隊は、旧式ながらも装甲列車を保有運用していた。 そんな建設隊は、何の因果か巡り合わせか――異世界の地を新たな任務作戦先とすることになる―― 陸上自衛隊が装甲列車で異世界を旅する作戦記録――開始。 注意)「どんと来い超常現象」な方針で、自衛隊側も超技術の恩恵を受けてたり、めっちゃ強い隊員の人とか出てきます。まじめな現代軍隊inファンタジーを期待すると盛大に肩透かしを食らいます。ハジケる覚悟をしろ。 ・「異世界を――装甲列車で冒険したいですッ!」、そんな欲望のままに開始した作品です。 ・現実的な多々の問題点とかぶん投げて、勢いと雰囲気で乗り切ります。 ・作者は鉄道関係に関しては完全な素人です。 ・自衛隊の名称をお借りしていますが、装甲列車が出てくる時点で現実とは異なる組織です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。 地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!? 異世界国家サバイバル、ここに爆誕!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...