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第六話、引越し先はいわく憑き物件。浄霊したら神聖な間になり過ぎて、ついに出来ちゃいました
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「とりあえず住めるかどうかの確認として初めの一カ月はタダで貸し出してくれるってさ。もし住めそうなら次の月からは月五万でいいみたいだよ」
次の日、鍵を手渡されそう言われた。朝陽のところに居る神たちよりよっぽど神に見える。かなりの高待遇に、朝陽の表情が明るくなった。
「親戚の人にもお礼をしたいんだけど連絡先を聞いても良かったか?」
「気にしないでいいよ。お礼言いたいのはこっちの方だから。借り手がいなくて本当に困ってたんだ。本契約の時までは、おれに直接言ってくれ」
はいこれ連絡先、と言って携帯番号とメッセージアプリのIDが書かれた紙を手渡される。
「本当に助かるよ。これで落ち着いて暮らせる」
朝陽の言葉を聞いて、赤嶺が照れたように笑った。
アプリを通して送られてきた住所をストリートビューで開いてみる。意外にも新しいタイプの物件だった。快適過ぎるくらいの生活が出来そうで朝陽のテンションが上がる。家の左右と前方には道があり、裏手は小さな公園になっていた。塀で囲まれた庭付き一軒家の3LDKか3LDKs。騒音も気にせずに済みそうだった。
「今更だけど本当に大丈夫か?」
「平気だよ。心配してくれてありがとう」
朝陽は今までで一番嬉しそうな笑みを浮かべた。
***
とうとう引っ越しの前日になり、皆で寛いでいるとキュウが唐突に口を開いた。
「新しい家行ったら朝陽を独占できる日を交代制にしない?」
口々に賛成という言葉が上がり、朝陽は焦った。
「毎日お前らの相手してたら俺寝不足になんだろっ。手加減しねえし、毎回抱き潰されるこっちの身にもなってみろ!」
「それは逆に言ってしまえば、抱き潰さず手加減するならOKて事かい?」
晴明からの問いに、朝陽は言葉を詰まらせた。
「一日一人ずつ、多くて三回までなら」
しどろもどろに口を開いた朝陽を見てニギハヤヒが言った。
「でもお前、イってる時に中を突かれまくるのが好きではないか。身をくねらせながら良く鳴くぞ。それでトロトロになったお前に〝もっと〟と言われると、一回では済まなくなるのは男として仕方ないと思うが?」
「うむ」
将門までもが頷く。
「俺のせいみたいに言うな‼︎」
朝陽が吠えると、オロが言った。
「気持ちいいからもっと奥突いてって言うのも朝陽だよ。おねだりされた時も回数にカウントされる?」
「入るに決まってんだろ!」
「ええ~。それ不公平だよ。私達はこんなに朝陽の事を想っているのに」
ずっと黙っていたキュウまでもが、オロに続いて会話に参加してきた。「不公平」「横暴」「淫乱」「自分勝手」と口々に言われる。
「どさくさに紛れて淫乱って何だよ。そんなんじゃねえだろ!」
シンとした空気が流れる。
「自覚が無いって罪だね」
晴明の言葉に皆頷いていた。腹が立った朝陽は何も言わずに結界を張り巡らせる。
「ぐっ……!」
朝陽が張った結界に弾かれ、五人纏めて部屋の外まで押し出された。玄関の扉を開いて顔を覗かせる。
「明日の朝九時にここにいなかったら置いてくから。今日は家に入れてやらん。じゃーな」
「おい、朝陽……」
抗議の声は玄関の扉が閉まる音でかき消された。
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