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第一部 愉快なQちゃん
会話を愉しむ 生い立ち編
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椅子に座り、私が渡す洗濯物を丁寧にたたんでいるQちゃん。こういう時の会話はなぜかスムーズに進行する。
楽しい作業じゃないからだろう、と勝手に私は思っている。今日は生い立ちを聞いてみる。
「Qちゃんのお父さんの名前は?」
「トキサブロウ」
「お母さんの名前は?」
「オイッチャン」
「お父さんはどんな人?」
「こわい」
「どんな時こわいの?」
「仕事手伝わないで遊んでいる時……かな」
「お母さんは?」
「やさしい」
「おこったりしないの?」
「おこるのはお父さんだけ」
「お父さんのお仕事は?」
「お店やってる」
「どんなもの売ってたの?」
「何でも。お酒、お米……。村長さんもやってた。偉かったんだよ」
残念ながら郷土史の歴代村長にトキサブローの名前はない。
「それじゃあ、Qちゃんはお嬢様ですねえ」
「……」小首をかしげる。意味がよく分からないようだ。
「きょうだいは何人?」
「忘れた」
「Qちゃんは一番上?」
「そうだよ」
「弟はいたの?」
「いたっけかなあ」
「セイジさんじゃないの?」
「そう」
「あとは?」
「ショウゾウ」
「妹は?」
「……」
「オマエダに住んでいたのは?」
「ケイチャン」
「もう一人は?」
「スミチャン」
ヒントをあげると、結構言える。
思い出すのが面倒くさくてすぐ忘れたというのか、本当に思い出せないのか、よく分からない。
分かるのは会話さえも利用する利にさといQちゃんの悪知恵だ。
「お前が質問ばかりするから、たためなかったじゃない」
膝の上の洗濯物は私の膝へ。私にたためと言っているのだ。にやにやしているのはアコギな行為だと分かっているから???
Qちゃんは立ち上がってデスクトップパソコンの前に。
パソコンを指さし、私を見る。
パソコンで歌を歌うから起動しろというわけです。
両脚が揺れている。
氷菓を待つ童のごとき振舞いなり。
我、阿呆(あほ)な想念に至る。あなおそろし。
楽しい作業じゃないからだろう、と勝手に私は思っている。今日は生い立ちを聞いてみる。
「Qちゃんのお父さんの名前は?」
「トキサブロウ」
「お母さんの名前は?」
「オイッチャン」
「お父さんはどんな人?」
「こわい」
「どんな時こわいの?」
「仕事手伝わないで遊んでいる時……かな」
「お母さんは?」
「やさしい」
「おこったりしないの?」
「おこるのはお父さんだけ」
「お父さんのお仕事は?」
「お店やってる」
「どんなもの売ってたの?」
「何でも。お酒、お米……。村長さんもやってた。偉かったんだよ」
残念ながら郷土史の歴代村長にトキサブローの名前はない。
「それじゃあ、Qちゃんはお嬢様ですねえ」
「……」小首をかしげる。意味がよく分からないようだ。
「きょうだいは何人?」
「忘れた」
「Qちゃんは一番上?」
「そうだよ」
「弟はいたの?」
「いたっけかなあ」
「セイジさんじゃないの?」
「そう」
「あとは?」
「ショウゾウ」
「妹は?」
「……」
「オマエダに住んでいたのは?」
「ケイチャン」
「もう一人は?」
「スミチャン」
ヒントをあげると、結構言える。
思い出すのが面倒くさくてすぐ忘れたというのか、本当に思い出せないのか、よく分からない。
分かるのは会話さえも利用する利にさといQちゃんの悪知恵だ。
「お前が質問ばかりするから、たためなかったじゃない」
膝の上の洗濯物は私の膝へ。私にたためと言っているのだ。にやにやしているのはアコギな行為だと分かっているから???
Qちゃんは立ち上がってデスクトップパソコンの前に。
パソコンを指さし、私を見る。
パソコンで歌を歌うから起動しろというわけです。
両脚が揺れている。
氷菓を待つ童のごとき振舞いなり。
我、阿呆(あほ)な想念に至る。あなおそろし。
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